“親族の所有地”にマイホームを建てる予定です。“家だけの名義”でも「年間10万円以上」の固定資産税を払うことになるのでしょうか?

配信日: 2025.09.02
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“親族の所有地”にマイホームを建てる予定です。“家だけの名義”でも「年間10万円以上」の固定資産税を払うことになるのでしょうか?
親族の所有地にマイホームを建てる場合、「土地は親族の名義のまま、建物だけを自分の名義にすれば固定資産税は安くなるのでは?」と考える人も少なくありません。しかし実際には、土地と建物それぞれに固定資産税がかかります。
 
本記事では、建物だけを自分名義にした場合の固定資産税の扱いと、年間10万円以上の負担になる可能性について解説します。
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土地と建物それぞれに固定資産税はかかる

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に課される地方税です。土地と建物それぞれが課税対象で、評価額に対して税率1.4%(標準)がかかります。
 
たとえば、土地と建物の所有者が異なる場合、土地は土地の所有者、建物は建物の所有者がそれぞれ税金を納めます。つまり、親族の土地に自分名義で家を建てれば、「土地分は親族」「建物分は自分」という分担になる仕組みです。
 
固定資産税は「名義人=納税義務者」として課税されるため、名義を分けても税金が減るわけではありません。むしろ建物を所有することで、新たに固定資産税の負担が発生します。
 
一方で、家が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、土地の固定資産税が軽減される場合が多くあります。たとえば、200平方メートルまでの小規模住宅用地では課税標準額が1/6に減額され、200平方メートルを超える部分についても1/3に軽減されます。
 
親族の土地が更地だった場合、家を建てると税額が大きく下がるため、親族の土地であっても家が建つこと自体にメリットがあるといえるでしょう。
 

建物だけで年間10万円以上かかるケースとは?

では、建物だけで年間10万円以上の固定資産税がかかるのはどのような場合でしょうか。
 
固定資産税は、建物の評価額(課税標準額)×1.4%で計算されます。一般的に、新築住宅の場合、評価額は建築費の60%程度になるケースが多いとされています。
 
たとえば、次のような試算になります。
 

・評価額700万円 → 年間9万8000円
・評価額800万円 → 年間11万2000円
・評価額1000万円 → 年間14万円

 
つまり、建物の評価額が700万円を超えると、年間10万円以上の固定資産税がかかる可能性が高いといえます。
 
特に、木造2階建ての一般的な戸建住宅であっても評価額が1000万円を超えることは珍しくありません。そのため、建物だけの名義でも10万円を超える固定資産税負担は十分に起こり得るのです。
 
なお、新築住宅には「新築住宅に対する固定資産税の軽減措置」があり、条件を満たせば3年間(長期優良住宅は5年間)、建物の固定資産税が半額になります。最初の数年は負担が軽くなりますが、軽減措置が終了すれば税額は元に戻るため、将来を見越して準備しておくことが重要です。
 

まとめ

親族の土地に建物を建てる場合、固定資産税は土地と建物それぞれに課税されます。土地は親族、建物は自分が固定資産税を負担することになり、建物の評価額によっては年間10万円以上の支出になる可能性があります。
 
特例や軽減措置があるとはいえ、将来的に一定額の税負担は避けられません。家を建てる前に自治体の固定資産税評価額を調べたり、建築計画とあわせて税額の目安を確認したりしておくことをおすすめします。事前に準備をしておけば、負担が思った以上に大きいと感じることも少なくなります。
 
固定資産税は「家を持つ限り続くランニングコスト」です。建物だけの名義でも十分な額がかかることを理解し、家計に無理のない計画を立てることが安心につながります。
 

出典

総務省 固定資産税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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