来年から始まる「独身税」。わが家は共働きで子どもは夫の扶養に入っています。この場合、私には独身税が課されるのでしょうか?

配信日: 2025.10.04
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来年から始まる「独身税」。わが家は共働きで子どもは夫の扶養に入っています。この場合、私には独身税が課されるのでしょうか?
日本の少子化対策として、2026年から新たな社会保険料を支払う必要があります。制度の内容から「独身税」と呼ぶ人もおり、自分は負担額が増えるのではないかと不安に感じている人も多いようです。
 
今回は、「独身税」の正式名称や、対象者などを解説します。
下中英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

そもそも独身税とは? 正式名称と制度を確認

まずは、独身税の正式名称と、制度の役割を見ていきます。独身税という名前だけが独り歩きしてしまい、制度内容を誤解している人もいるようなので、しっかり確認していきましょう。
 
独身税と呼ばれている制度の正式名称は、「子ども・子育て支援金」というものです。日本の少子化対策や子育て支援を進めるため、国民から新たにお金を集める制度で、集めたお金は児童手当や妊婦のための支援給付などに充てられます。
 
そもそも独身税と呼ばれるようになった理由は、独身の方や、結婚しているが子どもがいない夫婦、またすでに子育てが終わった世帯などは、新たにお金を負担しなければならないのにもかかわらず、自分たちは何も恩恵を受けることができないからです。
 
一見すると、現在子育てをしている世帯のみが恩恵を受けられるように見える制度なので「独身税」といわれるようになったようです。
 

課税対象となる人と負担額は?

次に、子ども・子育て支援金の課税対象者と、負担額を確認していきます。
 
子ども・子育て支援金は「独身税」と呼ばれているので、子どもがいない人のみに税金がかかると勘違いしている人もいるようです。しかし子ども・子育て支援金は、基本的に全世帯が徴収対象となっています。具体的には、健康保険や国民健康保険などの医療保険の被保険者が、保険料に上乗せして支払うことになります。
 
負担金額は2026年度の制度スタートから段階的に上がっていき、2028年度には、健康保険組合や協会けんぽの方は月500円程度、国民健康保険の方は月400円程度、後期高齢者医療制度の方は月350円程度となります。
 
なお、低所得者等の場合は軽減措置が実施されます。
 

共働き世帯の場合

子ども・子育て支援金は、健康保険や国民健康保険などの医療保険に加入している被保険者が、毎月払っている保険料に上乗せして支払います。共働き世帯の場合も同様です。
 
夫と妻が、それぞれ自分の勤めている勤務先の保険組合などに毎月医療保険料を支払っている場合、夫と妻それぞれが、子ども・子育て支援金を負担することになります。子どもがいて、その子どもが夫か妻のどちらかの扶養に入っている場合でも、夫と妻の両方が子ども・子育て支援金を負担しなければならないことには変わりありません。
 
なお、大学生の子どもや専業主婦の妻など、親や夫の扶養に入っており、自分で医療保険料を支払っていない人は、子ども・子育て支援金も負担する必要がありません。
 

まとめ

日本ではここ数年、少子化・子育て支援対策が本格的に進められています。日本の人口減少は、日本のGDPの減少などにもつながるため、現在独身の方も、子育てが終わった世代の方にも関わる重要な課題です。
 
子どもを産み育てやすき環境に整えるということは、日本全体で取り組まなければいけないと考えられています。中には、独身税という名前で不公平を感じている方もいるかもしれませんが、制度の内容やその目的を理解して、今後の国の少子化対策に注目していきましょう。
 

出典

子ども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について
 
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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