来年から徴収が始まるという「独身税」って独身の人だけが対象なんですか? 何に使われる税金なんでしょうか。
本記事では、制度の仕組みや実際の負担額目安、使い道などを分かりやすく解説します。
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「独身税」は誤解? 正式名称と対象者
世間で「独身税」と呼ばれているものの正式名称は「子ども・子育て支援金」で、独身者のみを狙い撃ちする税ではなく、公的医療保険に加入する人が拠出する仕組みです。
制度としては広く薄く財源を確保する設計であり、税ではなく公的医療保険の保険料に上乗せして徴収される点が最大の特徴です。
このため、未婚・既婚の別で課す「独身限定の負担」ではなく、加入する医療保険(被用者保険・国民健康保険など)を通じて広く拠出が行われるという位置づけになります。
負担額はいくら? 段階導入と年収別負担額
拠出は段階的に開始され、「平均的な本人負担」はおおむね月数百円から立ち上がる設計です。こども家庭庁の試算によると、初年度(令和8年度)の医療保険加入者1人あたりの負担額は全制度平均で月250円程度、その後令和9年度には350円、令和10年度には450円と、毎年段階的に引き上げる予定です。
被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合など)の年収別本人負担額の目安は、表1のとおりです。
表1
| 負担額の目安 | |
|---|---|
| 年収200万円 | 350円 |
| 年収400万円 | 650円 |
| 年収600万円 | 1000円 |
| 年収800万円 | 1350円 |
| 年収1000万円 | 1650円 |
出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度の創設」を基に筆者作成
負担額については、数年後の賃金水準によって変動する可能性があります。
お金はどこへ行く? 使途と企業負担のポイント
拠出された支援金の使途は、少子化対策を柱とする子育て政策の強化に充当され、児童手当の拡充や妊娠・出産、保育負担の軽減など、家計に直接的・間接的な還元が見込まれる施策に使われると説明されています。
例えば、児童手当の対象拡大や所得制限の撤廃と組み合わせる形で、家計の可処分所得の底上げや育児コストの低減が目的です。
企業側にとっては、被用者保険における保険料方式での拠出に伴い、事業主負担が上乗せされるため、人件費構造や賃上げ余力への影響評価が必要になる一方、将来的な労働力維持・人的資本投資の観点からは社会全体の持続性につながると考えられます。
誤情報に惑わされず、制度の意義を確認しよう
「独身税」という表現は誤解を招く通称であり、実際には医療保険加入者が広く社会保険料に上乗せされる形として拠出する「子ども・子育て支援金」で、使途は少子化対策の強化に充てられます。
家計面では給与天引きや国民健康保険料などへの上乗せとして段階的に影響が表れる見込みです。
こども家庭庁の試算によると、初年度(令和8年度)の医療保険加入者1人あたりの負担額は全制度平均で月250円程度であり、毎年段階的に引き上げる予定です。年収・加入している医療保険制度により負担感は異なるため、公式の最新資料で自分の加入制度に即して確認しましょう。
出典
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度の創設(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
