副収入が年間20万円以下なら確定申告しなくていいそうですが、住民税の扱いは会社任せで大丈夫ですか?

配信日: 2025.10.29
この記事は約 4 分で読めます。
副収入が年間20万円以下なら確定申告しなくていいそうですが、住民税の扱いは会社任せで大丈夫ですか?
副業や趣味の延長で収入を得る人が増えています。所得税では年間20万円以下の副収入なら確定申告不要ですが、住民税は所得にかかわらず申告が必要です。会社の年末調整は本業分のみを対象としているため、副収入は自分で申告しないとトラブルになることがあります。
 
この記事では、副業収入と住民税の関係と必要な手続きをわかりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

住民税の申告は必要?

所得税の申告が不要であっても、住民税には別の申告義務がある可能性があります。住民税は、都道府県民税と市区町村民税を合わせたもので、所得に応じて課税される地方税です。
 
会社員であれば、会社が年末調整を行い、会社から提出される給与支払報告書をもとに、住民税が計算される仕組みになっています。これにより、通常は翌年6月からの給与から自動的に住民税が天引きされる、いわゆる「特別徴収」という形で納税が行われます。
 
しかし、副収入がある場合、この情報が市区町村に伝わっていなければ、その分の住民税が計算に含まれないままとなります。副収入について確定申告をしていれば、その情報が税務署から市区町村へと連携され、住民税の計算にも反映されますが、確定申告をしない場合は、別途「住民税の申告」が必要となるケースがあるのです。
 
ここで注意したいのは、「副収入が少額だから申告不要だろう」と自己判断してしまうことです。市区町村によっては、1円でも所得があれば住民税の申告を求めているところもあります。また、申告しなかったことにより、住民税の課税額が正しく計算されず、後から修正を求められるケースもあります。
 
さらに、副収入が会社に知られるリスクにも注意が必要です。副収入の住民税を特別徴収にしてしまうと、その課税額が給与と合算された形で会社に通知されます。その結果、住民税の金額が急に増え、「あれ?副業しているのでは?」と会社に気づかれてしまうこともあるのです。就業規則で副業が禁止されている場合には、特に注意が必要でしょう。
 
このように、住民税については「会社任せだから大丈夫」と油断せず、自分の状況を正確に把握し、必要な手続きを検討することが重要です。
 

副収入があるなら自分でやるべき手続きと会社に伝える範囲

副収入がある場合に何をすべきか、まず大切なのは自分の副収入がどの程度の「所得」になるのかを整理することです。
 
収入額だけでなく、その収入を得るためにかかった経費を差し引いたうえでの「所得」が、20万円を超えているかどうかを判断する必要があります。所得が20万円以下で、他に確定申告が必要な要件がなければ、所得税の申告義務は基本的にはありません。
 
しかし、住民税の扱いはそれとは別です。住んでいる市区町村の窓口やホームページで、住民税の申告が必要かどうか、どのような手続きが必要かを確認することが大切です。
 
また、住民税の支払い方法として、会社を通じて支払う特別徴収ではなく、自分で納める普通徴収を選択できるかどうかも確認しましょう。普通徴収を選べる場合には、申告書の提出時にその旨を記載することで、副収入にかかる住民税を自分で納付できるようになります。
 
このような対応をすれば、会社に副収入の存在が知られずに済む可能性が高くなります。就業規則で副業を制限している企業に勤めている場合などは、特にこの点を重視すべきでしょう。ただし、すべての自治体で普通徴収が選べるとは限らないため、事前の確認が欠かせません。
 
また、副収入に関しては、会社に申告する義務があるわけではないケースが多いですが、住民税の計算に影響を与えることから、結果的に会社に通知が届くことになります。つまり、「何も言っていないのに、会社に知られてしまった」という状況が起きる可能性もあるわけです。
 
このようなトラブルを避けるには、自分で所得の状況を把握し、必要に応じて住民税の申告や支払い方法の選択を行うことが最も確実な対策になります。
 

まとめ

副収入が年間20万円以下であれば、たしかに所得税の確定申告義務はない場合があります。しかし、そこで安心して住民税の手続きを怠ってしまうと、思わぬ税務トラブルや会社に副収入が知られる原因になりかねません。
 
住民税は所得税とは別の仕組みで計算されており、自分で市区町村に申告が必要な場合もあります。また、申告の際には普通徴収を選ぶことで、会社を通さずに住民税を支払える可能性があります。
 
こうした基本的な知識を持っておくだけでも、副収入を得る際の安心感は大きく変わります。会社任せにせず、自分の状況を正しく理解し、必要な手続きを行うことで、余計なリスクを避けることができます。副収入を楽しみながらも、本業や会社との関係に支障をきたさないよう、冷静に対応していきましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問