早ければ年内に「ガソリン税」の“暫定税率”が廃止!? でも代わりに「走行距離課税」導入の可能性も…今後「リッター140円台」はあり得る? 家計への影響を確認

配信日: 2025.10.30 更新日: 2025.10.31
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早ければ年内に「ガソリン税」の“暫定税率”が廃止!? でも代わりに「走行距離課税」導入の可能性も…今後「リッター140円台」はあり得る? 家計への影響を確認
2025年8月、立憲民主党や日本維新の会、国民民主党、日本共産党を含む野党7党はガソリン税の暫定税率を廃止する法律案「ガソリン暫定税率廃止法案」を衆議院に再提出しました。
 
同法律案の第1条で施行期日を2025年11月1日という見込みがあったことから、早ければ11月にも「暫定税率」が廃止されるのではと、期待していた人もいるのではないでしょうか。
 
その後の報道を見ると、11月1日は難しいものの、早ければ年内に廃止されるとの見方が広がりつつあります。本記事では、「暫定税率」をめぐる政府内での動きや廃止された際に家庭に与える影響、代替財源の動向について解説します。
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「暫定税率」の年内廃止に向けた協議が進んでいる

まずは、「暫定税率」に関する基本知識を整理しましょう。ガソリン価格は、本体価格のほかに、ガソリン税・石油石炭税・地球温暖化対策税・消費税の4種類で構成されています。ガソリン税は「本則税率」と「上乗せ部分」に分かれており、協議の対象である「暫定税率」は後者の上乗せ部分を指します。
 
「暫定税率」は、高度経済成長期における道路網の整備のほか、第一次石油ショックに伴う財政難を背景に、1974年に「道路特定財源」として導入されました。当初は2年間の期限付きでしたが、何かと理由をつけては延長を繰り返してきました。
 
2008年3月には「暫定税率」の延長の常態化で批判が強まり、一時は野党が多数を占める参議院で反対多数で失効しました。しかし、直後に与党が衆議院で再可決を強行し、失効の1ヶ月後に再び復活しました。その後、2009年には使途を道路に限定しない「一般財源」になり、現在に至るまで期限が延長され続けています。
 

「暫定税率」が廃止されたらガソリン代が“リッター140円台”になる? 家計への影響は?

現在の「ガソリン税」はリッターあたり53.8円で、その内「25.1円」が「暫定税率」です。仮にガソリン価格を174円とした場合、174円-25.1円=148.9円で「140円台」になります。
 
ただし、「暫定税率」が廃止された場合は、現在実施されているリッター単価10円の「燃料油価格定額引下げ措置」がなくなる可能性もあるため、リッター140円にはならないかもしれません。
 
廃止された場合の実際の値下げ幅は、「暫定税率の廃止による値下げ」と「補助金の終了による値上げ」を併せ、ガソリン価格から差し引き「15円程度」になる見込みです。
 

「恒久的財源確保」には「走行距離課税」が検討されている!?

2025年7月30日に与野党6党が結んだ「合意文書」にて、「暫定税率」の廃止に伴う約1兆円分の財源確保が前提にあることが分かりました。財源確保が必要になった場合の代替財源として、「走行距離課税」が検討される可能性が指摘されています。
 
この「走行距離課税」については、「受益者負担の原則」に照らして賛成意見もある一方で、一般車よりもはるかに走行距離の長くなる物流業界や、車社会の地方自治体からは反対意見もみられます。
 

まとめ

ガソリン暫定税率が廃止された場合、暫定税率廃止(25.1円)と補助金終了(-10円)により、ガソリン価格は約15円値下げのリッター160円程度となると考えられます。2025年7月30日に与野党6党が暫定税率廃止で合意し、翌8月1日に野党7党が法案を提出しました。
 
その後の10月15日に自民・公明・立憲民主の与野党3党が実務者協議を開催、29日には与野党6党で協議を行うなど動きが加速しており、11月1日は無理にしても「年内には廃止」との見通しも広がっています。減収分の代替財源確保を含め意見の隔たりもあり、今後の動向に注目されます。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格定額引下げ措置
 
※2025/10/31 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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