パートで働く妻が「年30万円」をポイ活で稼いでいた!「申告不要でしょ?」とのこですが、税務署にバレて“追加で税金”を払うハメになりませんか? 無申告のリスクも確認
必要な申告をせずに放置してしまうと、本来の税金に加えてペナルティが上乗せされ、後から納税通知が届くことになります。本記事では、ポイ活収入に関する税金の仕組みと、申告を怠った場合のリスクについて解説します。
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税金が発生するのは副業型のポイ活
ポイ活で得た利益は、すべてが同じように課税対象となるわけではありません。国税庁の見解に基づくと、ポイントの性質によって主に3つのタイプに分類されます。自身の活動がどれに当てはまるか、図表1で確認してみましょう。
図表1
| タイプ | 対象のポイ活 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 1. お買い物タイプ(非課税) | ・スーパーやお店での買い物 ・クレジットカード利用 |
原則、不要 |
| 2.当選タイプ(一時所得) | ・懸賞、キャンペーンの当選 | 年間90万円を超えたら必要 (ほかに一時所得がなく、給与所得がある場合) |
| 3.副業タイプ(雑所得) | ・アンケート回答 ・モニター、広告クリック |
年間20万円を超えたら必要 (会社員やパートなど給与所得がある場合) |
筆者作成
図表1の通り、日常的なお買い物で貯まるポイントや懸賞で当たるポイントであれば、ほとんどの場合、確定申告は不要です。当選タイプの一時所得の場合は収入から50万円を差し引き、さらにその残額を半分にした金額が課税対象となるため、税負担が軽くなるよう配慮されています。
給与所得者の場合は、年間で当選タイプの一時所得が90万円を超えるまでは確定申告の必要はありません。
注意が必要なのは、アンケート回答やモニター活動などで継続的に利益を得る、3.の「副業タイプ」です。本記事では、「雑所得」にあたるポイ活について、確定申告が必要になるケースと申告を怠った場合のリスクを詳しく解説していきます。
ポイ活などの所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要
アンケート回答やモニター活動など、副業タイプのポイ活収入は「雑所得」に分類されます。雑所得が年間20万円を超えている場合、原則として確定申告が必要です。これは、パート収入における「103万円の壁」とは別のルールとして存在します。
このルールは、会社で年末調整される「給与所得」と、個人で得るポイ活などの「雑所得」は、税法上で明確に区別されているためです。国税庁も、給与とは別に雑所得が20万円を超えた場合は申告が必要と明確に定めています。
また、この所得を計算する上で重要なのは、ポイントを所得として計上するタイミングです。ポイントは保有しているだけでは課税対象にならず、実際に現金や電子マネーに交換したり、支払いで利用したりした時点でその年の収入として計上します。
「お小遣い稼ぎだから」といった自己判断でポイ活収入の所得を申告しないと、後からペナルティを含めた税金を支払うことになります。
所得30万円を申告しなかった場合の税金とペナルティ
ポイ活による年間所得30万円を申告しなかった場合に、追加で支払うことになる税金の計算例を紹介します。計算結果を図表2にまとめました。
図表2
| 項目 | 計算の内訳 | 金額 |
|---|---|---|
| 所得税(A) | 30万円 × 5% | 1万5000円 |
| 住民税(B) | 30万円 × 10% | 3万円 |
| 本来の納税額(A+B) | 1万5000円 + 3万円 | 4万5000円 |
| 無申告加算税 | 4万5000円 × 15% | 6750円 |
| 延滞税 | 日数に応じて別途加算 | 変動 |
| 合計 | 4万5000円(A+B)+6750円+延滞税 | 5万1750円 + 延滞税 |
筆者作成
図表2の通り、申告を怠ると本来納めるべきだった税金に加え、ペナルティが課されます。
まず、本来納めるべきだった税金を計算します。所得税は、所得195万円以下の部分には最低税率の5%が適用されるため、1万5000円(30万円×5%)となります。これに、原則として全国一律10%の住民税3万円(30万円×10%)が加わります。この合計が、本来納めるべき税金の4万5000円です。
申告を怠ると、この4万5000円に以下の2つのペナルティが加算されます。
・無申告加算税
・延滞税
無申告加算税は、文字通り「申告しなかったこと」に対する罰則です。本来の税額が50万円以下の場合、15%が加算されます。今回のケースでは6750円(4万5000円×15%)が追加されます。
延滞税は、支払いが遅れたことに対する利息のようなものです。納付期限の翌日から、実際に納める日までの日数に応じて日割りで加算されます。延滞が長引くほど金額は増えていきます。
結果として、申告を怠ると本来の4万5000円に加え、ペナルティの無申告加算税6750円と延滞税を支払うことになり、合計で5万1750円以上の納税が必要になる計算です。
正しい知識で楽しくポイ活をしよう
ポイ活を行う上で大切なのは、ポイントの稼ぎ方によって税金のルールに違いがあることを理解することです。例えば、日常の買い物で貯まるポイントは、基本的に税金の心配は不要です。
一方、懸賞の当選などで臨時的に得たポイントは「一時所得」、アンケート回答などで継続的に稼いだポイントは「雑所得」という扱いになり、それぞれ申告が必要になる基準が定められています。
しかし、税金のルールさえ知っていれば、過度に心配する必要はありません。申告手続きは、国税庁のウェブサイトからスマホで簡単に行えます。なお、扶養内で働いている人の場合、扶養から外れないかの確認も必要です。パートの給与所得とポイ活の雑所得の合計が48万円を超えると扶養から外れるため、夫婦で収入状況を共有しておきましょう。
出典
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 個人住民税
執筆者 : 大垣はち
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