自動車税が上がった理由は車の年式? 古い車ほど損をするって本当ですか?
本記事では、年式と税金の関係、その背景、そして家計に与える影響を解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
なぜ年式が古くなると税金が上がるのか
年式の古い車で税金が上がる理由は、環境負荷の抑制にあります。新車登録から13年以上経過したガソリン車やLPG車は、翌年度から自動車税(種別割)が約15%上乗せされる仕組みです。自動車重量税も同様に13年、18年を超えると増額されます。
これは、古い車ほど燃費が悪く二酸化炭素の排出量が多いという環境面でのデータに基づくもので、国はエコカーへの買い替えを促す政策的を推進しています。
つまり、車の性能そのものが劣化していなくても、制度上は「古い=環境負荷が高い」と見なされるため、結果的に税率が上がる仕組みになっているのです。
古い車がもたらす費用負担
年式の古い車は税金だけでなく、維持にかかるコストも増加する傾向があります。
まず税金面では、排気量1リットル以下の車の場合、通常は年間約2万5000円の自動車税が、13年を超えると約3万4000円に上がるケースがあります。たった数千円と思うかもしれませんが、10年単位で見れば数万円の差となります。
また、古い車は整備や修理コストがかさみます。エンジンやブレーキなどの部品劣化が進み、車検のたびに数万~10万円以上の支出増になることも少なくありません。
さらに、燃費性能も新しい車に比べて劣るためガソリン代の支出が増えがちになるのに加え、車の市場価値も年々下落し、下取りや売却時に回収できる金額も少なくなります。
これらを総合すると、古い車を所有し続けることは「税金」「維持費」「資産価値」の3重コスト増につながる可能性が高いのです。
古い車が損とはかぎらない
ただし、「古い車=損」とは一概にはいえません。エコカーや低燃費車の一部は、年式が古くても環境基準を満たしており、重課対象外となる場合があります。また、走行距離が少なく状態が良好であれば、整備費用を抑えられることもあります。
さらに、自治体によっては税の減免措置や補助制度を設けているケースもあります。例えば、障害者割引や地域限定のエコカー補助などがあり、こうした制度を利用することで負担軽減が可能です。
つまり、古い車だから損と単純に決めつけず、自分の車が該当する条件を確認したうえで判断することが大切です。年式だけに左右されず、使用状況やメンテナンス状態を総合的に考慮すべきでしょう。
13年目と18年目は車のコストを見直すタイミング
車を長く乗り続けると愛着もあり、壊れるまで乗るという考え方も自然です。しかし、13年目や18年目は税制上の重要な節目です。前述のとおり、この時期には自動車税や重量税が上がり、維持費も増えていく傾向があるため、「もう少し乗るか」「買い替えるか」を冷静に見極める必要があります。
買い替えを検討する際には、新しい車の購入費用だけでなく、税制優遇や燃費向上によるガソリン代の節約、売却時の残存価値などトータルコストで比較することがポイントです。古い車を維持するよりも、長期的には新しい車に乗り換えたほうが家計に優しい場合もあります。
家計の視点で車を持ち続けるか買い替えるかを検討しよう
古い車を乗り続けることは、思い出や愛着の面で大きな価値があります。しかし、税金の重課、維持費の増加、燃費の悪化という現実的なコストも無視できません。特に13年を超えたあたりからは、金銭面での負担がじわじわと家計を圧迫していきます。
一方、新しい車への買い替えは大きな出費に見えますが、税制優遇や燃費改善による節約効果を考慮すれば、結果的に支出を抑えられる可能性もあります。
車を持ち続けるか、買い替えるかは感情だけでなく、数字で比較することをおすすめします。家計に優しい選択をするためにも、自分の車の年式と税金の関係を一度見直してみましょう。
出典
東京都主税局 自動車税種別割
国土交通省 自動車重量税額について
東京都 都庁総合ホームページ 令和7年度 ZEVの車両購入補助金のお知らせ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
