【給付金】結局“4万円の給付金”はもらえる?「給付付き税額控除」を検討中とのことですが、4人家族のわが家は“計16万円”受け取れるでしょうか? 高市内閣の目玉政策を解説
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目次
高市新総理は所信表明演説で「給付付き税額控除」の制度設計着手を明言
自民党総裁選を高市早苗氏が制し、令和7年10月21日に高市内閣が発足しました。初の女性総理となった高市総理は10月24日、第219回国会で行った所信表明演説で以下のように述べ、給付付き税額控除の制度設計の着手を明言しています。
「税・社会保険料負担で苦しむ中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるようにしなければなりません。早期に給付付き税額控除の制度設計に着手します」
高市内閣の目玉政策「給付付き税額控除」とは? 結局“4万円の給付金”はもらえるの?
給付付き税額控除は、税額控除と現金給付を組み合わせた施策です。通常の税額控除の場合、一定以上の所得がある人は減税を受けられますが、所得が少ない人は減税しきれないケースが出てきます。給付付き税額控除では、控除しきれなかった分を現金で給付する仕組みとなっているため、低・中所得者層にも支援が行き渡ります。
11月18日時点では、具体的な給付額は不明ですが、野党第一党である立憲民主党の原案では一律4万円の案が浮上しているようです。
一律4万円案の場合、所得税が4万円以上であれば4万円の税額控除、4万円以下であれば全額控除+差額給付、非課税なら4万円の給付となるようです。今の段階では、家族4人で計16万円をもらえるとは断言できませんが、対象となる人には4万円相当の恩恵があるかもしれません。
「給付付き税額控除」はハードルが高い? 制度実現に立ちふさがる壁とは?
給付付き税額控除に類似する経済対策の導入は、以前から議論されていたものの、諸問題を解決するには至らず、軽減税率をはじめとする別のアプローチが取られてきました。実現するうえでのハードルとして、以下が挙げられます。
・事務手続きの煩雑さ
過去には定額減税の導入により、自治体や会社の給与担当者は複雑な事務手続きを余儀なくされ、現場に大きな負担を与えました。定額減税より複雑な給付付き税額控除を導入する場合、さらなる混乱を招く恐れがあります。
・財源問題
減税や給付には莫大(ばくだい)な財源が必要であり、国債で賄うと将来世代に負担がかかることになります。
・働き控えの誘発
低所得者層に支援を行き渡らせる必要がありますが、給付要件に年収を設けると働き控えを引き起こす恐れがあります。
・所得の把握の難しさ
現状は国民の所得データと給付システムが連携されていないため、過払いが発生するかもしれません。
このうち、所得の把握はマイナンバーの導入によりある程度前進しており、働き控えの問題も一律給付案を採用した場合は障壁になりづらいと考えられます。そのため、過去に議論されていた段階より実現のハードルは多少下がっているといえるでしょう。
まとめ
高市総理は給付付き税額控除の制度設計の着手を明言しており、与野党で議論が進められています。所得の把握や働き控えなどの課題はありますが、マイナンバーの導入や一律給付案により実現のハードルは下がっていると考えてもいいかもしれません。
一律4万円案も浮上しており、家族4人で計16万円をもらえるとは断言できないものの、実施された場合は、対象となる人には4万円相当の恩恵を受けられる可能性があります。ただし、これはあくまで野党の原案であるため、今後の制度設計の進捗(しんちょく)を注視しましょう。
出典
首相官邸 第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
