年末調整の書類を提出した後に間違いに気づきました。どうやって修正すればいいですか?

配信日: 2025.11.19
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年末調整の書類を提出した後に間違いに気づきました。どうやって修正すればいいですか?
年末調整の書類を提出した後、記入ミスや控除証明書の添付漏れなどに気づくことは珍しくありません。
 
しかし、年末調整は年間の税金を再計算する重要な手続きであり、誤りを放置すると本来受けられる控除が反映されず、結果として税金の払い過ぎや不足につながる場合があります。
 
本記事では年末調整の修正が必要になった際に、いつまでに・どのように対応すればよいかを整理して解説します。
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なぜ提出後の修正が重要なのか

年末調整は、給与から天引きされた源泉所得税と本来納めるべき所得税額を正しく一致させるための仕組みです。提出書類に誤りがあると、計算の基礎となる控除額が変わり、その結果として税額にズレが生じてしまいます。
 
例えば、保険料控除の申告漏れがあると本来受けられる控除が反映されず、最終的な所得税額が高くなってしまう場合があります。また、扶養控除の記載が誤っている場合には、想定していた控除が受けられず、追加で納税が必要になる可能性もあります。
 
したがって、書類提出後の修正は面倒だからと後回しにせず、自分の資産を守るために行うべき重要な行動といえます。
 

提出後の訂正と修正の手順

年末調整の誤りに気づいたとき、どんな方法で直せるかはケースによって異なります。本章では、「軽微な誤記・記載ミスの場合」と「控除額や扶養情報など税額にかかわる内容の誤り」の2つに分けて、対応のポイントを整理します。
 

■軽微な誤記・記載ミスの場合

住所の誤記や漢字の書き間違いなど、税額に影響のないミスであれば、会社に申し出て書類の訂正をしてもらうだけで対応できることが多いです。提出後すぐであれば、二重線での訂正や書き直しで対応できるケースも多く、簡単な手続きで済みます。
 

■控除額・扶養情報など税額にかかわる内容の誤り

保険料控除の証明書の添付漏れや配偶者の収入の変更、扶養家族の増減など、税額に影響する申告ミスがある場合は、会社へ新しい申告書の提出が必要になります。会社側はその内容をもとに再計算を行い、源泉徴収票の発行前であれば修正手続きが可能です。
 
この修正によって税額が変わる場合、還付金の増減や追加の徴収が発生することがあります。追加徴収は給与からの天引きとなる場合もあり、生活費にも影響するため、早めに修正することが負担軽減につながります。
 

〇会社で修正できる期限

会社が年末調整を修正できるのは、基本的に翌年1月末31日までとなっています。会社がこの期限までに、源泉徴収票や給与支払報告書を税務署や市区町村へ提出しなければならないためです。
 
なお、源泉徴収票がすでに発行された後は、会社では再調整ができません。そのため、万が一誤りに気づいた場合は速やかに会社へ報告し、修正可能かどうかを確認する必要があります。
 

修正できなかった場合は確定申告で対応

会社での修正期限を過ぎてしまった場合や、源泉徴収票の交付後に誤りが判明した場合には、自分で確定申告を行うことで修正が可能です。
 
確定申告では、控除漏れの反映や扶養状況の適切な申告を行い、税額を正しく計算し直すことができます。特に控除漏れのある方にとっては、確定申告をすることで本来受け取れるはずだった還付金を取り戻すことが期待できます。
 
また、過去の内容を修正する「更正の請求」は、原則として5年間さかのぼって申請可能であり、以前の年度に控除漏れがあった場合も対応が可能です。
 

年末調整の誤りは放置せず、損のない申告にしよう

年末調整の書類を提出した後に誤りが見つかった場合でも、源泉徴収票の発行前かつ法定調書の提出期限(翌年1月31日)までであれば会社で書類の再提出・再計算が可能です。
 
控除の記載漏れがあれば、還付金を増やせる可能性があります。提出期限を過ぎると自分で確定申告をして修正をする必要があり、手間や追加納税のリスクが生じます。
 
年末調整は所得税に直結する大切な手続きです。誤りに気づいた時点で速やかに対応することで無駄な負担や損失を防ぎ、安心して申告を終えられるようにしましょう。
 

出典

国税庁 令和6年分 確定申告書等作成コーナーよくある質問 年末調整済みの源泉徴収票に記載の所得控除を修正する場合の入力
国税庁 A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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