年金生活者です。来年の確定申告はインターネット申告に挑戦してみたいと思っているのですが、何を準備すればいいのですか?

配信日: 2025.11.20
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年金生活者です。来年の確定申告はインターネット申告に挑戦してみたいと思っているのですが、何を準備すればいいのですか?
年金生活者にとって、確定申告をするべきかどうかの判断は、お金の動きに直結します。公的年金は一定条件で申告不要になりますが、医療費控除などを申告すると税金が戻る可能性があります。
 
こうした判断を踏まえ、自宅から完結できるインターネット申告は魅力的ですが、利用には事前準備が必要です。そこで本記事では、年金生活者が電子申告を始めるための準備と判断のポイントを解説します。
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電子申告に向けて整えるもの

電子申告(e-Tax)を始めるには、機器・書類・手続きの3点を整えます。
 
まず、パソコンまたはスマートフォンが必要です。スマホのみでも多くの手続きが可能ですが、一部の申告内容や機種・OSなどの条件によってはパソコンが必要になる場合や、画面が見やすいパソコンのほうが入力は楽な場合もあります。
 
電子申告の主流はマイナンバーカード方式で、利用にはマイナンバーカード本体と読み取り機能が必須です。パソコンの場合はICカードリーダー、スマホの場合は読み取りに対応している機種かどうかを確認しておきましょう。
 
次に重要なのが、書類の準備です。年金受給者の場合、「公的年金の源泉徴収票」の提出は不要ですが、入力や確認のため手元に準備しておきましょう。加えて、医療費控除や社会保険料控除、寄附金控除などを利用する場合は、証明書類や領収書をまとめておきましょう。
 
これらの提出は不要ですが、5年間の保管義務があります。控除を申告することで税金が戻る可能性があるため、これらは申告に向けた大切な準備として欠かせません。
 
さらに、マイナンバーカードの暗証番号を確認します。暗証番号を忘れていると、申告途中で止まってしまうことがあります。普段使う機会が少ない年金生活者ほど、早めの確認が安心です。
 

年金生活者が意識すべき申告するかどうかの判断

年金生活者は公的年金等の収入が400万円以下で、かつ年金以外の所得が20万円以下であれば、所得税の申告が原則不要となります。ただし、申告不要であっても、医療費控除や生命保険料控除などで還付を受けるには申告が必要です。
 
ここでポイントとなるのが、「申告によって戻る可能性のある金額」と「申告準備の手間」を比べる視点です。年間の医療費が多い場合や寄附金控除を受ける場合は、申告によって戻る税額が大きくなるため、電子申告に挑戦する価値が高まります。
 
一方、控除がほとんどない場合は、申告が本当に必要かどうかを判断するとよいでしょう。
 
また、公的年金以外の収入も見落とせません。給与やパート収入、個人年金、雑所得、配当などを合算して20万円を超えると申告が必要になります。
 
年金以外の収入がある方は、年間を通じてどれだけの所得があったかを整理しておくと安心です。
 

電子申告をスムーズに完了させるための流れ

電子申告に挑戦する際は、次のステップで進めると効率的です。まず、マイナンバーカードの有効期限と暗証番号を確認します。特に年金生活者はカード更新のタイミングを見落としやすいため、早めの確認がおすすめです。
 
次に、源泉徴収票や控除の証明書を整理します。医療費控除を利用する場合は、領収書をまとめたり、医療費通知書を活用したりすると入力がスムーズになります。
 
続いて、パソコンやスマホを申告に使える状態に整えます。マイナポータル連携を利用すると、保険料控除証明書などを自動で取り込めるため、入力ミスの防止や作業時間の短縮に役立ちます。
 
準備が整えば、確定申告書作成サイトにアクセスし、画面の案内に従って入力します。送信後は控えを保存し、後日必要になる場合に備えておきましょう。
 

必要な書類の準備を早めに済ませて電子申告を始めよう

電子申告は初期準備こそ必要ですが、一度環境を整えれば毎年の手続きが格段に楽になります。年金生活者の場合、所得が申告不要の範囲内であっても、医療費控除や生命保険料控除などの控除を利用すれば税金が戻る可能性があるため、申告による還付申告の検討が重要です。
 
収入や控除の状況を整理し、どの程度の節税効果が期待できるかを確認しながら、早めに準備を進めましょう。自宅で完結できる電子申告は、移動や行列を避けて手間を省きながら賢く税金を管理する手段として、年金生活者にとっても十分に活用できる方法です。
 

出典

国税庁 e-TAX 国税電子申告・納税システム ご利用の流れ
日本年金機構 年金Q&A Q 電子版の「公的年金等の源泉徴収票」は、確定申告に使えますか。
内閣府大臣官房政府広報室 ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度
国税庁 公的年金等を受給されている方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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