住民税が払えません。役所に相談しましたが、納税の猶予制度も対象外とのこと。口座にもお金がありません。払えない場合はどうなりますか?
本記事では、「払いたくても払えない人」が取るべき行動と、放置した場合に起こる現実を、わかりやすく解説します。
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目次
払えないと、延滞金がつく?
住民税の納期限を過ぎると、延滞金が自動的に発生します。延滞金の利率は法律で定められており、目安は次の通りです。
・納期限から1ヶ月以内
→年2.4%程度
・1ヶ月以降
→年8.7%程度
10万円を1年間滞納すれば、延滞金だけで約8000円です。たとえ小さな金額でも、放置すれば利息のように膨らみます。「払えないから放っておこう」は、最も危険な選択です。
督促・催告書が届いたら、次は「強制徴収」へ
納期限を過ぎると、自治体から「督促状」や「催告書」が送られてきます。これを無視すると、役所は滞納処分という法的手続きに入ります。
手続きの流れは以下の通りです。
・督促状の送付(納期限から約20日後)
・催告書・電話連絡などによる再通知
・財産調査(銀行・勤務先・不動産の照会)
・給与・預金・財産の差し押さえ
役所はあなたの勤務先や銀行口座を把握する権限を持っており、預金口座から直接引き落としや給与差し押さえが行われることもあります。
差し押さえが実行されるのはいつ?
差し押さえ通知が届くのは突然です。
ある朝ATMで引き出そうとしたら残高がゼロ。そんなケースも珍しくありません。給与も対象になる場合があり、会社に滞納が知られてしまう可能性もあります。
ただし、生活に必要な最低限の金額は差し押さえの対象外です。とはいえ、生活の余裕がさらに削られる現実は避けられません。
「猶予制度対象外」でも、分納(分割払い)は交渉できる
「納税の猶予制度」は、災害・病気・事業の廃止などが条件となるため、対象外となる人も多いです。
しかし、あきらめる必要はありません。実は多くの自治体では、分納(分割払い)の相談には柔軟に対応しています。
たとえば「月5000円ずつでも払いたい」と申し出れば、誠実な姿勢が評価されるケースがほとんど。役所も「払う意思のある人」には協力的です。重要なのは、沈黙せずに再度相談する勇気を持つことです。
それでも払えないなら、生活保護の相談を
もし本当に収入が途絶え、支払いどころか生活自体が困難な場合は、生活保護の申請も視野に入れましょう。生活保護を受給している期間は、原則として住民税の納付が免除されます。
申請は「福祉課」で受け付けています。恥ずかしいことではありません。「もうどうにもならない」と感じたときこそ、扉をたたいてください。
専門家の力を借りる
自分ひとりで抱え込まず、税理士・司法書士・法テラスなどの専門家に相談することも有効です。法テラスでは、無料で法律相談を受けられる制度があります。
また、自治体によっては「納税相談会」や「滞納整理専門員」が常駐している場合もあります。専門家は、あなたの収入や支出を踏まえて現実的な支払い計画を一緒に立ててくれます。「誰かに話すこと」から、解決の糸口は見えてきます。
放置は危険
住民税を払えないという状況は、誰にでも起こり得ます。失業・病気・離婚など、人生の転機は突然訪れます。大切なのは、「払えない」ときにどう動くかです。放置すれば延滞金が増え、差し押さえにつながります。
しかし、相談し続ければ、分納や一時的な免除など「できること」は必ずあります。支払えない自分を責める必要はありません。勇気を出して一歩踏み出すことが、再出発への第一歩です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
