ふるさと納税で「ワンストップ特例」を出したのに税金が戻らない!? 複数の自治体へ寄付したことが原因…?

配信日: 2025.11.21
この記事は約 4 分で読めます。
ふるさと納税で「ワンストップ特例」を出したのに税金が戻らない!? 複数の自治体へ寄付したことが原因…?
ふるさと納税で確定申告の手間を減らすため、「ワンストップ特例制度」を利用する人もいるでしょう。確定申告なしで寄付金控除を受けられる便利な制度ですが、ふるさと納税の利用状況によっては適用されなくなる場合があるため、注意が必要です。
 
今回は、ワンストップ特例が適用される条件や確定申告を行う場合のポイントなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

ワンストップ特例が適用されるのは5自治体まで

ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられる制度です。通常、ふるさと納税をした場合、確定申告を行わなければ寄付金控除は受けられません。
 
総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」によると、ふるさと納税をした際にワンストップ特例の申請書を納税先の自治体に提出しておくと、ふるさと納税をした自治体から本人の住所がある自治体へ必要な情報が提供されるため、確定申告なしで寄付金控除を受けられます。
 
しかし総務省によると、ワンストップ特例の適用は確定申告が不要な給与所得者等で、ふるさと納税先が5自治体以内の人が対象とされています。そのため、6自治体以上に寄付をするとたとえワンストップ特例の申請書を提出していたとしても対象外となり、特例が適用されません。
 
すると、確定申告をしなければ寄付金控除を受けられない状態となります。ワンストップ特例を利用するためには、いくつの自治体でふるさと納税をしたかをメモして管理しておきましょう。
 

確定申告のポイント

確定申告で寄付金控除を受ける場合、「寄付金の受領書」などのふるさと納税で寄付をした証明の添付が必要です。寄付金の受領書はふるさと納税をするたびに発行されるため、申告時に見つからなくて困らないよう、まとめて管理しておきましょう。
 
なお国税庁によると、令和3年分以降は、寄付金の受領書だけでなく、ふるさと納税のポータルサイトを運営する特定事業者が発行した「寄付金控除に関する証明書」の添付でも問題ありません。
 
「寄付金控除に関する証明書」には、1年間の寄付についての情報がまとめて記載されているため、「寄付金控除に関する証明書」のみの添付で済みます。
 
もしポータルサイトなどの特定事業者を利用している場合は、「寄付金控除に関する証明書」の発行申請をした方が、確定申告は楽になるでしょう。
 
さらに、e-Taxを活用してオンラインで確定申告をする場合、マイナポータル連携を活用すると寄付金控除に必要なデータをマイナポータル経由で取得して自動入力できます。少しでも手続きを簡単にしたい場合は、利用を検討するとよいでしょう。
 

自己負担分を除いて全額控除を受けられるのは上限まで

ワンストップ特例の適用や確定申告をしていても、自己負担2000円を除く全額が控除できない場合もあります。ふるさと納税で受けられる控除は上限が定められているためです。
 
総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」によると、受けられる上限額は以下の通りです。


・所得税:総所得金額等×40%
・住民税基本分:総所得金額等×30%
・住民税特例分:住民税所得割額×20%

例えば、総所得金額等が50万円の場合、所得税の控除上限額の目安は「50万円×40%」で20万円です。なお、住民税の所得割額とは、住民税のうち所得に応じて決められる金額で、基準は10%です。
 
仮に総所得金額等が50万円、住民税所得割額が5万円だとすると、住民税の控除上限額の目安は「50万円×30%+5万円×20%」で16万円程度になります。
 
ただし、上記の計算式はあくまで「税法上の理論的な上限枠」を示したものです。実際に控除される金額は、寄付を行った年の所得額やそのほかの控除によって変動します。
 
そのため、実際のふるさと納税額の上限は、総務省や各ポータルサイトの計算シミュレーションを使って確認するとよいでしょう。
 
なお、ワンストップ特例の適用で控除できるのは住民税のみです。翌年6月以降に支払う住民税を減額する形で控除されます。上限額を超えたふるさと納税は、控除されないため注意しましょう。
 

6自治体以上へのふるさと納税は確定申告が必要

ワンストップ特例制度は、5自治体までのふるさと納税に対して適用される制度です。6自治体以上に寄付をすると、特例の対象外となり確定申告が必要になります。確定申告を忘れてしまうと、控除が受けられなくなるため注意しましょう。
 
なお、確定申告ではふるさと納税で寄付をした証明が必要です。必要な書類を失くさず保管しておきましょう。オンラインで申告をする場合は、マイナポータル連携を活用すると必要な情報を自動入力できるため便利です。
 

出典

総務省 ふるさと納税ポータルサイト 制度改正について(2015年4月1日)制度改正2 手続きの簡素化(「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の創設)
総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみ 税金の控除について
国税庁 所得税(確定申告書等作成コーナー)ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問