今年は長期入院で休職となり年収が下がったのですが、すでにふるさと納税を5万円寄付済みです。上限を上回ってしまった分は戻らないでしょうか?

配信日: 2025.11.23
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今年は長期入院で休職となり年収が下がったのですが、すでにふるさと納税を5万円寄付済みです。上限を上回ってしまった分は戻らないでしょうか?
長期入院による休職で年収が大きく下がった年に、すでに5万円のふるさと納税を済ませている場合、「上限を超えた寄付額はどうなるのか」という不安を抱える方は少なくありません。
 
ふるさと納税は寄付額のほとんどが税金から控除される仕組みですが、その前提となる控除の上限額は、その年の所得や控除内容によって変動するため、年収が下がった年ほど注意が必要です。
 
本記事では、制度のカラクリと上限超過時の扱い、さらに控除を最大化するための手続きの選び方を整理し、制度の流れを紹介します。
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ふるさと納税の控除限度額は毎年変わる

ふるさと納税では、寄付額から自己負担2000円を除いた分が、所得税と住民税から控除されます。ただし、この控除の恩恵を受けられる寄付額には上限があり、その年の課税所得・住民税・家族構成・社会保険料控除などをもとに限度額が算出されます。
 
年収や課税所得が下がると控除限度額も小さくなるため、想定以上の寄付が控除されない場合もあります。限度額以内の寄付であれば実質2000円の負担で済みますが、限度額を超えるとその超過分は控除対象外となり、全額自己負担になります。返礼品は届きますが、金銭的にはマイナスが生じるため注意が必要です。
 
例えば、寄付額が5万円で、その年の控除限度額が4万円だった場合、1万円は控除されないため、本来想定していた節税効果よりも負担が増えることになります。
 

年収が下がった年の5万円寄付は上限超過の可能性がある

今回のケースのように、寄付のあとで年収が大幅に減ったことが判明した場合、その年の所得に基づいて計算されるふるさと納税の控除限度額は、減少した所得に応じて小さくなる可能性があります。休職などにより給与所得が減ると、住民税の所得割額も減少するため、一般的に控除限度額は減少します。
 
そのため、すでに寄付した5万円がその年の限度額を超える場合、その超過分は控除対象外となり、税金は戻らず全額自己負担となります。
 
つまり、節税効果は得られず、寄付額と控除限度額のズレが起こりやすいため、年収が大きく変動する年は寄付するタイミングに注意することが重要といえます。
 

控除を最大化するための手続き選びが重要

寄付後の手続きによって、受けられる控除額が変わることがあります。ワンストップ特例制度を使っている場合、給与所得のみで確定申告の必要がない人なら簡便ですが、年収が下がった年や他の医療費控除・雑損控除などを併用する場合は、確定申告に切り替えることで控除の取りこぼしを防げるケースがあります。
 
確定申告を行うと、その年の所得税還付と翌年の住民税控除が適切に反映されるため、節税効果を最大化できます。寄附金受領証明書は必ず保管し、翌年送られてくる住民税決定通知書で控除が反映されているか確認することが、無駄なく制度を利用するうえで重要です。
 

今後の寄付判断で意識したいポイント

年収が変動する可能性がある場合、ふるさと納税は衝動的に寄付を行うよりも、年末に控除上限を確認してから寄付するという慎重な対応が求められます。特に休職や減収の見込みがある年は、早めに控除上限を試算し、余裕を持って寄付額を調整することで無駄な負担を避けられます。
 
寄付後の控除額は、翌年の住民税決定通知書で確認できます。毎年チェックする習慣をつけることで、自分の寄付額と実際の控除効果のズレを防ぎ、翌年度以降の寄付計画に反映させることが可能です。
 

控除上限を把握して賢く寄付しよう

ふるさと納税は節税メリットが大きい一方で、控除限度額を超えると負担が増えてしまう制度です。年収が下がった年ほど限度額も変動しやすく、すでに寄付した5万円が上限を超える可能性は十分あります。
 
控除枠を無駄にしないためには、限度額の確認や確定申告の活用、手続きの漏れ防止がポイントとなります。制度の仕組みを理解し、寄付による影響を踏まえて判断することで、安心してふるさと納税を活用できるようになるでしょう。
 

出典

総務省 ふるさと納税ポータルサイト
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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