ガソリン税の暫定税率が来年廃止と聞きました。1月1日から一気に値下がりするんですか?年末に給油すると損?
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暫定税率とは何か?
ガソリンには、揮発油税(国税)と地方揮発油税(地方税)がかかっています。さらにこれらの税金に“暫定税率”と呼ばれる上乗せ分が加算され、結果として 1リットルあたり約53円超 の税金が価格に含まれてきました。
この「暫定税率」は本来“時限措置”でしたが、長年にわたり実質的に固定化されてきた経緯があります。そのため、「いつまで暫定なのか」「エネルギー事情に合っていない」と議論が続き、今回の廃止の流れにつながっています。
では、本当に1月1日から一気に下がるのか?
結論は 「1月1日に一斉に値下がりするとは限らない」 です。
政府は「来年中に暫定税率を廃止する」という方針を示しており、制度上の廃止日が明確に決められています。ただし、
廃止日=ガソリンスタンド価格が即日反映ではありません。
ガソリン価格は、スタンドが仕入れた原油やガソリンの“在庫価格”に影響を受けるため、税率が切り替わった日から価格が即座に下がるとは限らないのです。
一斉に値下がりするのではなく、スタンドごとに反映タイミングがズレる 可能性が高いという点は知っておくべきポイントです。
年末に給油すると損なのか?
ここが多くの人が気になっている疑問ですが、「損する可能性」はたしかにあります。
理由はシンプルで、税率が下がればガソリン価格は理論的に 1リットルあたり25円前後 下がる方向になるためです。
もし値下がりが年始早々に反映されれば、年末に満タンにした場合、同じ量のガソリンを高い価格で買ったことになります。ただし“必ずしも損”とは言えなません。
スタンドによって値下げ反映が遅れたり、年末の補助金などで価格差が小さくなったりする可能性もあるので、すぐにクルマを使うなら、給油を先延ばしするリスクの方が大きいでしょう。
さらに、廃止直前の市場では「値下がりを見越した駆け込み売り控え」が起こる可能性もあり、年末だから必ず高いとは言えません。
判断のポイント! あなたはどのタイプ?
・年末年始に長距離運転の予定がない
・ガソリン残量に余裕がある
・数円〜数十円の差でも節約したい
値下がりが始まるまで数日〜数週間待てるなら、年始の給油を狙うメリットは大きいでしょう。
・年末年始で車を多く使う
・残量が少ない
・価格が多少上下しても気にしない
安全走行を優先すべき場面では、無理に先延ばしにするより早めの給油が賢明です。
損得は「価格反映のスピード次第」
・暫定税率廃止は決まっているが、1月1日に即値下げとは限らない
・スタンドによって反映の早い店・遅い店が生じる
・待てるなら“年始の値下がり開始を見ながら給油”がもっとも合理的
・ただし安全性・利用予定も含めて総合判断が必要
つまり、損か得かは「給油タイミング」「近所のスタンドの価格変動」の組み合わせで決まる ということです。
出典
千葉県石油協同組合 千葉県石油商業組合 ガソリンと税金のおはなし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
