年末調整の犯しやすいミスって? もしも間違えてしまった場合の対処法を解説!
税制改正で年末調整の記入方法も変わるため、間違いやすい点や間違ってしまったときの対処法について考えてみたいと思います。
夢実現プランナー
2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
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年末調整で間違いやすいポイント
毎年、年末が近くなると実施されるのが年末調整です。給与を受け取るときには、あらかじめ源泉徴収税が差し引かれていますが、家族構成や諸条件などによっては、多く納付していることもあり、年末調整によって多く払った税金を還付してもらうことができます。
2025年12月1日からは所得税の基礎控除などが引き上げられ、最大で160万円までの収入であれば所得税が課せられないことになりました。
記入漏れや金額の記入間違いなどで、本来戻ってくる還付金が少なくならないように、正確に年末調整を行うことが大切です。
年末調整では、扶養控除や保険料控除など、収入から控除される項目が多くあり、正確に記入することで、各種収入から控除された額である所得が低くなり、所得税や住民税が少なくなる可能性があります。
また民間で加入している生命保険や地震保険などは、保険会社から控除証明書が届き、証明書を提出する必要があります。証明書を紛失しないよう、大切に保管しておきましょう。
記入漏れや間違い、必要書類の紛失があった場合の対処法は?
年末調整で、記入漏れや提出後に誤りに気づいた場合は、まずは職場の担当部署に連絡を入れて、間違いを訂正することができます。控除証明書を紛失してしまった場合には、保険会社などに再発行の依頼をすることで入手することができます。
年末調整の修正は、翌年1月31日までであれば行うことができます。
それ以降に誤りに気づいた場合や、年末調整で修正できなかった場合は、原則2月16日から3月15日までの期限で行う確定申告で修正を行うことができます。確定申告の際は、源泉徴収票が必要になりますので、会社から受け取った源泉徴収票は大切に取っておきましょう。
令和7年度の申請書の変更点について
2025年からは前述もしたように、所得税の非課税枠が拡大されました。
また19歳以上23歳未満の特定親族に対しては、2024年までは、扶養控除の中の特定扶養親族として扱われていましたが、2025年からは、特定親族特別控除が創設されることになり、合計所得123万円(収入188万円)以下であれば、所得金額に応じて3万円~63万円の控除を受けることができます。
改正されたことにより、令和6年分の申告書では、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書」でしたが、令和7年分では、特定親族特別控除もまとめられ「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼給与所得者の特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」となり変更点や新設項目がありますので、記入ミスや記載漏れとならないように注意しましょう。
図表1
国税庁「令和7年分 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」より筆者作成
まとめ
年末調整は、会社に勤めている人であれば毎年行っている手続きだと思われます。ただし年に一度だけなので、記入ミスがないか心配になる人もいるのではないでしょうか。
記入ミスや漏れがあった場合は、すぐに訂正もできます。翌年の1月31日を過ぎてしまった場合は、原則2月16日から3月15日の確定申告の申請期間に、申告を行うことで、修正をすることも可能になります。
令和7年は、所得税の非課税枠の拡大など改正点もありますので、注意が必要です。分からないときは、勤め先の担当部署に確認しながら行いましょう。
出典
国税庁 各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)
執筆者 : 吉野裕一
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