年末に廃止が予定されているガソリン税の「暫定税率」。廃止されたら愛車の「クラウン」のガソリン代が“年間4000円程度”安くなる?

配信日: 2025.12.19
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年末に廃止が予定されているガソリン税の「暫定税率」。廃止されたら愛車の「クラウン」のガソリン代が“年間4000円程度”安くなる?
生活するうえで、車が必要不可欠な人も多いのではないでしょうか。近年、ガソリンの値段は高騰傾向にあり家計を圧迫しています。そのような中で、11月28日にガソリン税の暫定税率廃止法が可決されました。これにより、ガソリン代の負担が軽くなることが期待されています。
 
本記事では暫定税率廃止法の実態や、実際にガソリン代がいくら安くなるのかについて解説します。
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11月28日の参院本会議でガソリン税の「暫定税率廃止法」が可決成立

2025年11月28日の参院本会議で、ガソリン税と軽油引取税の暫定税率廃止法が全会一致で可決されました。この案は自由民主党、日本維新の会、立憲民主党、国民民主党、公明党、共産党の与野党6党が合意しており、実際に12月31日でガソリン税の暫定税率は廃止される見込みです。
 
これに伴い「租税特別措置法及び東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案」も可決されており、より円滑な廃止策の実施に動き出しています。
 

「暫定税率」が廃止されたらガソリンは“リッター25.1円”安くなる!?

暫定税率が廃止されることにより、ガソリンは廃止日になったらすぐに大幅な値下げが行われるわけではないようです。
 
ガソリンの暫定税率は「揮発油税」および「地方揮発油税」の一部であり、1974年に道路整備の財源を確保することを目的として導入されました。この税が、ガソリンの場合は1リットル当たり25.1円、軽油の場合は1リットル当たり17.1円となっています。
 
今回、暫定税率が廃止されるにあたって、資源エネルギー庁はガソリンスタンドや小売り業者などへの影響を避けるために、2025年11月頃から補助金による支援を実施してきました。補助金は少しずつ増額されおり、12月11日時点でガソリンの補助金については1リットル当たり25.1円が見込まれています。
 
これは、急激な価格変動で買い控え・買い占めなどの混乱が懸念されていることからも、補助金を段階的に増やしていき、ガソリンの値下げを少しずつ行っていくためです。よって、12月31日にいきなり大幅な値下げが起こるとは考えにくいといえるでしょう。
 

「暫定税率」が廃止されるとガソリン代が“年間4000円程度”安くなる?

実際に暫定税率が廃止されることにより、年間でいくらの節約になるのかを計算してみましょう。今回は乗っている車種をトヨタ自動車株式会社の「クラウン 2.5L ハイブリッド車 2WD (FR)Z」と仮定します。
 
主要諸元表によると、この車種における燃料消費率はWLTCモードで1リットルあたり18.0キロメートルです。
 
また、ソニー損害保険株式会社の「全国カーライフ実態調査」によると、自家用車を所有していて月に一度以上運転する場合、年間走行平均距離は6728キロメートルです。これらの条件をもとに試算すると、1年間に消費するガソリンの量は、約373.8リットルとなります。
 
資源エネルギー庁によると、11月25日時点のレギュラーガソリン価格は1リットル当たり168.8円です。すでに補助金によって価格に反映されている部分を除き、実質的な下落幅を約10円程度と仮定すると、差額は以下の式で計算できます。
 
373.8リットル×10.1円=3775円
 
あくまでもこれは平均値から計算した金額ではありますが、年間でだいたい4000円ほど安くなる可能性があります。
 

まとめ

今までは1リットル当たり25.1円の暫定税率がかけられていたガソリン税ですが、12月31日で廃止される見込みです。走行距離にもよりますが、年間で4000円ほどの負担軽減になることが考えられます。
 
しかし、廃止日にすぐ値下がりする可能性は低く、市場の混乱を防ぐためにも、資源エネルギー庁は補助金の調整などを通じて、ガソリン価格を段階的に引き下げていく方針を示しています。
 

出典

トヨタ自動車株式会社
ソニー損害保険株式会社 ソニー損保「2025年 全国カーライフ実態調査」 2025年08月 【運転実態と車の維持費】
経済産業省 資源エネルギー庁 ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします! 2025年11月
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果 2025年11月27日
衆議院 本会議投票結果:第219回国会 2025年 11月 28日投票結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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