2025年で「ガソリン税」の“暫定税率”は廃止! ガソリン代が“リッター140円”になれば、愛車「ヴォクシー」の維持費は安くなる? 代わりに「走行距離課税」が導入されるって本当でしょうか…?
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
12月31日で「ガソリン税」の“暫定税率”が廃止される
2025年10月31日に与野党6党の実務者による協議が行われ、ガソリン税の暫定税率について年内で廃止し、ガソリン減税を実施することについて年内実施で合意しました。その後、11月28日に参院本会議でガソリン税と軽油引取税の暫定税率を廃止する法案が可決・成立しています。
暫定税率廃止を前に、1リットルあたり10円程度だった補助金11月13日から段階的に増やし、暫定税率分にあたる25.1円まで補助金を増やした後、年内に暫定税率が廃止となります。12月11日からは補助金が暫定税率分の25.1円となっています。
“暫定税率”の廃止でガソリン代は“リッター140円台”になる?
暫定税率が廃止されると補助金も終了するため、暫定税率分の25.1円が実際の引き下げ幅となるわけではありません。経済産業省資源エネルギー庁の石油製品価格調査によると、12月15日時点のレギュラーガソリンの全国平均は159.7円です。
12月11日以降のガソリン補助金は暫定税率分の1リットルあたり25.1円です。補助金がない場合の価格は184.8円(159.7円+25.1円)です。
つまり、暫定税率が廃止されても現在と同等の159円程度か、もう少し下がるにしても、残念ながらリッター140円には届かない可能性が高いと考えられます。
トヨタ自動車株式会社によると、「トヨタ ヴォクシー ハイブリッドS-Z」の燃費は、リッター23.0キロメートル(WLTCモード)です。ソニー損害保険株式会社の調査によると、年間走行距離の全国平均は6728キロメートルとなっています。掲題のヴォクシーの場合、年間293リットルのガソリンを購入する計算です。
ガソリン価格がリッター140円まで下がった場合は、ガソリン代は年間4万1020円となります。しかし、前記した通り実際のリッター価格は159円程度になると考えられます。
そのため、暫定税率廃止後のガソリン代は年間4万6587円となります。ガソリン代以外の計算は含まれていませんが、暫定税率廃止合意前の補助金が1リットルあたり10円当時に比べ年間で約4400円、12月10日までの1リットルあたり20円時に比べ約1500円の負担軽減に収まりそうです。
代わりの恒久的財源として検討されていた「走行距離課税」は見送りに?
電気自動車の普及によるガソリン税の減収に対応し、道路の維持管理費用の財源を確保するため、走行距離課税も以前は検討されていました。しかし、11月12日の参議院予算委員会で片山さつき財務相は走行距離課税の導入について「政府として具体的に検討していない」と発言しています。
ただし、恒久的財源が必要という事実は変わらないため、今後も注視が必要です。
まとめ
ガソリン補助金は段階的に拡充され、12月11日に暫定税率分の25.1円となりました。暫定税率が年内で廃止されても、ガソリン価格はリッター140円台までは下がらないと思われますが、11月12日までに比べ年間4400円、12月10日までに比べ1500円程度の負担軽減にはつながりそうです。
なお、暫定税率の代わりとして検討されていた走行距離課税の導入案ですが、現在は具体的な検討段階には入っておりません。しかし、減収分の穴埋めはいずれ必要になるため、今後も注視が必要でしょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
ソニー損害保険株式会社 ソニー損保「2025年 全国カーライフ実態調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー