「ダブルワーク」をしているのですが、間違えて2つの勤務先で年末調整をしてしまいました。12月中にどちらかを訂正すれば問題ないでしょうか?

配信日: 2025.12.26
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「ダブルワーク」をしているのですが、間違えて2つの勤務先で年末調整をしてしまいました。12月中にどちらかを訂正すれば問題ないでしょうか?
年末調整は正社員だけでなく、パートやアルバイトとして働いている人も対象になります。そのため、ダブルワークをしている場合には注意が必要です。複数の勤務先で年末調整を行うと、思わぬ手続きが発生することがあるためです。
 
本記事では、複数の勤務先で年末調整をしてしまったときの対処法や注意点をご紹介します。
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2ヶ所の勤務先で年末調整をするとどうなる?

2ヶ所の勤務先で年末調整が行われると、所得税が正しく計算されなくなります。所得の控除が重複して行われ、本来納める必要のある税金が未納となることもあり得るでしょう。
 
そのまま確定申告などの是正手続きを行わなかった場合には、延滞税や無申告加算税が課せられる可能性があるため、注意が必要です。
 
国税庁によると、年末調整の対象になるのは勤務先に「扶養控除等申告書」を提出している人です。2ヶ所以上から給与の支払いを受けている人は、主たる給与の支払いを受けている勤務先に提出することになっています。つまり、年末調整を受けられるのは一人1ヶ所の勤務先までとなります。
 

後から訂正することは可能?

ダブルワークをしている勤務先の両方で年末調整をしてしまった場合、12月中であれば後から訂正することは可能です。
 
まずは、どちらを「主たる給与の支払いを受けている勤務先」とするかを決めましょう。一般的には、受け取っている給料の額が多い勤務先が「主たる給与」に該当します。そのうえで、それ以外の勤務先に、扶養控除申告書を取り下げてもらう必要があります。
 
ただし、会社で年末調整を再計算し、所得控除を取り消せるのは翌年の1月31日までです。1月31日を過ぎると、年末調整の内容が税務署や市区町村に正式に提出・反映されるため会社側での再調整は難しくなり受け付けてもらえないケースが多いです。その場合は、従業員本人が確定申告で修正する必要があります。
 
したがって、早めに「主たる給与の支払先」以外の勤務先に訂正手続きを依頼しましょう。
 

ダブルワークで年末調整をするときの注意点

会社での取り下げ処理が1月31日までに行われた場合でも、副業先の給与収入が年間20万円を超える場合などは、従業員が自分で確定申告をしなければなりません。
 
原則として、2月16日~3月15日の確定申告期間に手続きをします。その際は、「主たる給与」の支払先である勤務先が発行した、年末調整済みの源泉徴収票が必要です。あわせて、「主たる給与」の支払先以外の勤務先が、年末調整の取り下げ処理を行ったうえで再発行した、年末調整を行っていない源泉徴収票も用意しておきましょう。
 
「主たる給与」の支払先以外の勤務先から受けている給与収入が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。源泉徴収や本人確認書類を準備して、各自治体の窓口で手続きを行ってください。
 
また、2ヶ所の勤務先から受けた給与額の合計が一定額以下の場合は所得税が発生しないケースもありますが、金額や控除の内容は個人の状況によって異なります。
 
しかし、2ヶ所の勤務先で年末調整をするのは誤った認識であるということを、よく覚えておきましょう。
 

ダブルワークで年末調整を間違えたら早めに対応を

ダブルワークをしている場合は「主たる給与」の支払先となる勤務先、一般的には収入が多いほうでのみ、年末調整をする必要があります。
 
誤って両方の勤務先で年末調整をしてしまった場合は、翌年の1月31日までであれば「主たる給与」以外の勤務先で、扶養控除申告書を取り下げてもらうことが可能です。
 
ただし、「主たる給与」以外の給与収入やその他の所得の合計が20万円を超える場合は、最終的に従業員自身で確定申告を行う必要があるため、必要書類を用意して手続きをしましょう。
 

出典

国税庁 給与所得者(従業員)の方へ(令和7年分)
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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