パート年収が“104万円→108万円”に。急に税金が増えると言われたけれど…本当に“損”になるの?
そこで、この記事では、年収104万円から108万円に上がった人を例に、そのときに何が変わるのか、そして本当に損をしてしまうのか、パートなどで働く方に向けて解説します。
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
104万円の壁はない
まず、年収が104万円を超えたからといって、特段大きなことは起こりません。年収が104万円ではなく、従来100万円や103万円を超えたときに起こるのは、住民税や所得税がかかり始めるということです。
年収が104万円を超えたことで配偶者の税金が増えることはありませんし、所得税の税率も5%であるため、1万円増えた収入に対する所得税は500円で、税金が急に増えて損するというレベルでもありません。年収が104万円から108万円に増えたとして、所得税の増額分は2000円程度です。住民税を合わせても数千円ほどでしょう。
なお、令和7年度の税制改正により、所得税における103万円の壁が最大で160万円まで引き上げられました。また住民税においても、非課税となる年収基準が100万円から110万円へ引き上げられています。
そのため、令和7年度以降は年間108万円程度の収入があっても、所得税・住民税は原則として発生しなくなります(ただし住民税については自治体によっては課税される可能性あり)。
社会保険には注意
とはいえ、今回のケースでは年収が106万円を超えている点には要注意です。この106万円の壁は、先の所得税や住民税が発生する、いわば税金上の壁とは別の壁で、社会保険の壁になります。
具体的にいうと、従業員数51人以上の企業で、週の所定労働時間が20時間以上など、一定の要件を満たすことで、厚生年金保険や健康保険について配偶者の扶養から外れ、自身の勤務先で社会保険に加入しなければならないというものです。
参考までに、年収が104万円から108万円になったことで増える社会保険料(健康保険と厚生年金保険)の目安額は、年額で15万7344円です(全国健康保険協会加入、東京都にて標準報酬月額8万8000円として、介護保険は第2号被保険者と仮定)。
社会保険は将来の給付を手厚くするという側面はありますが、現状の手取りが減ってしまうという点においては、確かに損といえる面はあるかもしれません。
とはいえ、従業員数51人以上の勤め先でないなど、社会保険加入の要件を満たしていなければ、基本的に社会保険料は発生しないため、必ず手取りが減るわけではないことにご留意ください。
まとめ
年収が104万円から108万円に上がっても、基本的に税金が大きく増えることはありません。また、令和7年度の税制改正により、所得税および住民税の年収の壁は引き上げられており、年収の上限を意識せずに働きやすい環境が整いつつあります。
とはいえ、勤務先の規模など条件次第では、社会保険への加入によって自身の手取りが減少する可能性はあります。
税や社会保険に関する制度が頻繁に改正され、複雑化しているのが昨今の状況です。
インターネットやSNS、知り合いからの助言などで、一般論としては理解できても、個別の状況によってはその通りとならないことも珍しくはありません。気になることがあれば、働き方について勤務先へ相談したり、自身で各種公的機関の情報を確認したりして対応するようにしてください。
執筆者 : 柘植輝
行政書士
