年末調整が終わってから気づいた「生命保険料控除」の申告漏れ。年8万円「生命保険料」を払っている場合、いくら損する?
本記事では、年末調整で生命保険料控除の申告を忘れてしまった際の対応方法などについて解説します。
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住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
年末調整後でも生命保険料控除は確定申告で受けられる
給与所得者が年末調整で生命保険料控除を申告し忘れても、確定申告により還付を受けられる場合があります。一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除に区分され、3つの控除を合わせて最大12万円(所得税)の控除が可能です。
2010年度の税制改正に伴い、生命保険料控除には新旧2つの制度が存在します。
・旧制度:2011年12月31日以前の保険契約
・新制度:2012年1月1日以降の保険契約
国税庁および東京都主税局によると、旧制度における所得税・住民税の控除額の計算式は、それぞれ表1、表2の通りです。
表1
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 2万5000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 2万5000円超5万円以下 | 支払保険料等×1/2+1万2500円 |
| 5万円超10万円以下 | 支払保険料等×1/4+2万5000円 |
| 10万円超 | 一律5万円 |
出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.1140 生命保険料控除」を基に筆者作成
表2
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 1万5000円以下 | 支払保険料等の金額 |
| 1万5000円超4万円以下 | 支払保険料等×1/2+7500円 |
| 4万円超7万円以下 | 支払保険料等×1/4+1万7500円 |
| 7万円超 | 一律3万5000円 |
出典:東京都主税局「個人住民税」を基に筆者作成
また、新制度における所得税・住民税の控除額の計算式は、それぞれ表3、表4の通りです。
表3
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 2万円超4万円以下 | 支払保険料等×1/2+1万円 |
| 4万円超8万円以下 | 支払保険料等×1/4+2万円 |
| 8万円超 | 一律4万円 |
出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.1140 生命保険料控除」を基に筆者作成
表4
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 1万2000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 1万2000円超3万2000円以下 | 支払保険料等×1/2+6000円 |
| 3万2000円超5万6000円以下 | 支払保険料等×1/4+1万4000円 |
| 5万6000円超 | 一律2万8000円 |
出典:東京都主税局「個人住民税」を基に筆者作成
それぞれの控除には上限が定められているため、金額がそれを超えた場合は、上限額までしか適用されません。
年8万円「生命保険料控除」の申告漏れがあった場合の計算
年8万円の生命保険料(新制度の一般生命保険料と仮定)で控除を逃すと、損失が発生する可能性があります。所得税控除額は4万円(上限)で、税率5%~45%により還付額は2000円~1万8000円と計算できます。住民税控除額は2万8000円(上限)なので、税率10%で約2800円の過払いとなるでしょう。
生命保険料控除の申告漏れがあった場合、非課税世帯でない限り還付金を受け取れる可能性があります。忘れずに申告しましょう。
還付申告の流れと必要書類、期限は5年以内
生命保険料控除の申告では、まず保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を準備します。確定申告書を作成し、証明書を添付してください。証明書がない場合は、保険会社に再発行を依頼しましょう。
「生命保険料控除証明書」に基づいて確定申告書に記入する項目は次の通りです。
・旧制度と新制度のどちらを適用するか
・契約している保険の種類
・証明額より計算された控除金額
なお、国税庁によれば、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間可能です。
まとめ
生命保険料控除の申告漏れは、年末調整後でも5年以内の還付申告で取り戻せる場合があります。年8万円の生命保険料なら、所得税・住民税を合わせて5000円~2万円程度の還付金を受け取れる可能性があります。
必要なのは原則として「生命保険料控除証明書」と確定申告書だけです。損をしないためにも早めに申告し、来年以降は証明書が届いたらすぐ確認する習慣をつけておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1140 生命保険料控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2030 還付申告
東京都主税局 個人住民税
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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