空き家は「固定資産税が4倍になる」と聞き“実家じまい”を検討中…友人は「解体だけで100万円かかった」とのことですが、補助金などは出ないのでしょうか?“実家じまいの期限”も確認
しかし、実家じまいには、費用の支援制度や、税負担を軽減する優遇策があります。本記事では、実家じまいにまつわる税金や、費用を抑える具体的な方法について解説します。
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実家じまい期限はいつまで? 固定資産税が約4倍程度になる可能性も
実家じまいの費用がすぐに用意できないからと空き家を放置し続けることで、固定資産税の負担が激増するリスクがあることをご存じでしょうか。
建物が建っている土地は「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税・都市計画税が大幅に軽減されています。しかし実家の老朽化が進み、倒壊の危険、景観の阻害などが認められた場合、地方自治体は空き家対策の推進に関する特別措置法に基づき、その空き家を「特定空き家」に指定できます。
特定空き家に指定され、改善勧告を受けても是正されない場合、この「住宅用地の特例」が解除されてしまいます。そうすると、固定資産税・都市計画税が約3倍から4倍程度になる可能性があります。
つまり、「解体費用を惜しむ」ことで、毎年の税金が大幅に増えるという「隠れた費用」を負うことになるのです。このリスクを避けるためにも、実家じまいは時間との勝負と認識してください。
実家じまいをサポートする支援制度で解体費用を大きく補填しよう
実家じまいの実行を決断したら、次は費用の工面が問題になります。そこで頼りになるのが、各自治体が設けている空き家対策の支援制度です。
実家じまいにかかる費用を抑えるには、「補助金制度の活用」と「実家の残置物の処理費用を節約」の二段構えを考えてみましょう。
(1)自治体の支援策を利用しよう
多くの地方自治体では、空き家の適正管理や解消を促すため、「老朽危険家屋解体撤去補助金」などの制度(名称は自治体により異なる)を設けています。補助金額は自治体によって異なりますが、解体費用の数分の1、または数十万円から最大100万円程度の補助が受けられるケースがあります。
これらの補助金を受けるには、老朽化が著しい、または倒壊の恐れがあるなどの要件が定められており、まずは実家のある自治体での制度の有無や要件、手続き期限などを確認しましょう。多くの場合、補助金の交付決定後に解体工事に着手する必要があるため、手続きの順序も重要になります。
(2)残置物処理の費用を節約しよう
補助金以外で費用を抑えるポイントは、実家の残置物処理費用です。総務省の資料によると、業者に依頼した場合の費用は10万円から40万円程度が多いようです。
これを節約するためには、残置物のうち、一般ごみ・自治体の粗大ごみ処理施設に自己搬入できるものは、積極的に分別し処分しましょう。自治体の施設を利用する場合、民間の業者を通すよりも大幅にコストを抑えることが可能です。実家がある自治体でのゴミ処理ルールや持ち込み料金を確認し、費用圧縮に努めましょう。
売却で税金メリットを最大化する計画を立てよう
実家じまいの最終的な目的が売却である場合、税制上の大きな優遇措置を活用できます。それが、「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3000万円特別控除の特例」です。
これは、相続から一定期間内に実家を解体して土地として売る、または建物を耐震基準を満たす状態にして売却した場合に、譲渡所得(売却益)から最大3000万円を控除できるという特例です。
特例の適用を受けるためには、「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに」売却を完了させる必要があります。また、解体して土地を売却する場合、解体後の利用や売却価格にも要件が課せられているため、注意が必要です。
まとめ
後悔しない実家じまいのためには、まずは「使える制度と有効期限」を意識し、実家の所在地の税務署および自治体へ、特例と補助金の手続きについて早めに相談することが望ましいでしょう。
残置物については自治体のごみ処理施設に持ち込んで処理費用を抑え、解体費用は補助金で補填し、さらに土地売却益からの特別控除ができれば、実家じまいの経済的な負担軽減へと近づきます。使える制度は使って、納得のいく実家じまいができるといいですね。
出典
東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
総務省 遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書
国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
