会社員ですが昨年「株売買で30万円の利益」と「投資信託で10万円の損失」が出ました。確定申告の損益通算でどのくらい変わるのでしょうか?

配信日: 2026.01.11
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会社員ですが昨年「株売買で30万円の利益」と「投資信託で10万円の損失」が出ました。確定申告の損益通算でどのくらい変わるのでしょうか?
会社員として働いていると、株式や投資信託の運用は副収入のひとつになりますよね。2025年に株の売買で30万円の利益があり、別口座で投資信託の損失が10万円あったとき、「利益だけ税金がかかるの?」「損失と相殺できるの?」と疑問に感じる人も多いはずです。
 
特定口座の種類(源泉徴収あり/なし)が混在している場合、確定申告をすることで損益通算ができ、税金が変わる可能性があります。この記事では、損益通算の基本と、それによってどのように税額が変わるのかをわかりやすく解説します。
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「損益通算」とは?

株式や投資信託などの売却益(譲渡益)は、税法上申告分離課税として扱われ、原則として税率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。
 
損益通算とは、同一年分の売却益と売却損(譲渡損)を相殺することです。これにより課税対象となる利益が減り、結果的に支払う税額も減ります。株式や上場投資信託の売却損は、同年分の株式や投資信託の売却益と通算できます。
 
今回のケースで言えば、株で30万円の利益、投信で10万円の損失が出ているので、通算すると差し引き20万円の利益になります。確定申告をして損益通算すれば、税金はこの「20万円」に対してのみかかることになります。
 

損益通算をすることで税金はどれだけ変わる?

税率を簡単に計算すると、通常は利益に対して約20.315%の税金がかかります。


たとえば利益30万円の場合:30万円 × 約20.315% = 約6万1,000円(税額)

しかし、損益通算で利益を20万円にすれば:20万円 × 約20.315% = 約4万600円(税額)

つまり、約2万円以上の税金負担が軽くなるイメージになります(計算は概算)。損益通算するかどうかで税額が変わるため、申告する価値は十分にあります。
 
特定口座の「源泉徴収あり/なし」が混在している場合

「源泉徴収あり」の特定口座で利益が出ている場合、証券会社が税金を源泉徴収してくれるため、通常は申告不要です。
 
しかし、今回のように「源泉徴収なし」の口座や一般口座で損失が発生している場合、申告をしないと通算ができません。また、源泉徴収ありの口座だけであっても、他の損失と通算したいときは申告が必要です。
 
損益通算は確定申告を行うことで初めて適用される制度なので、申告期間内(基本は翌年の2月〜3月)に申告をすることが前提になります。
 

損失が残る場合はどうなる?

今回のケースでは損失の方が少ないので、通算によって利益が減るだけで済みますが、もし損失の方が多い場合(たとえば損失が40万円、利益が30万円など)、損益通算後にまだ損失が残る場合があります。
 
この残った損失はその年限りでは消えず、翌年以降3年間の繰越控除の対象となります。繰越控除も確定申告をしていないと受けられません。
 

確定申告をしないとどうなる?

「源泉徴収ありだから申告はしなくていい」と思って損益通算を放置すると、税務署は損失の事実を把握できないため、30万円の利益に対して全額に課税されたままになります。
 
したがって、税金が余計にかかることになります。特定口座の年間取引報告書は申告書に添付して提出すれば、損益通算の適用が反映されます。
 

まとめ

株式や投資信託を複数の証券会社で取引している場合、口座の種類が混在していても、利益と損失を通算すれば課税対象額を減らせるため、結果として税金を減らすことができます。確定申告を行い、損益通算の手続きをすることで、手元に残るお金を増やすことにつながります。
 
今回の状況であれば、30万円の利益と10万円の損失を通算して「20万円分の利益」にすることで、税額が減る可能性が高いです。確定申告は義務というよりも節税のチャンスでもあるので、年間取引報告書を揃えて申告を検討しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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