妻がハンドメイド作品をネット販売し「月3万円前後」の売上があります。材料費もあるので利益は少ないはずですが、このような場合でも確定申告が必要でしょうか?

配信日: 2026.01.12
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妻がハンドメイド作品をネット販売し「月3万円前後」の売上があります。材料費もあるので利益は少ないはずですが、このような場合でも確定申告が必要でしょうか?
ネット上で自作のハンドメイド作品を販売する人が増えています。趣味の延長で販売を始めた場合、売上が毎月3万円前後あっても「利益はほとんどないはずだし、確定申告しなくても大丈夫?」と考えてしまいがちです。
 
しかし日本の税制では、売上そのものではなく「所得(=利益)」を基準にして確定申告の必要性が判断されます。この記事では、「ハンドメイド販売は申告すべきか」「どんな場合に申告が必要になるか」を分かりやすく解説します。
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まずは「売上」と「所得(利益)」の違いを理解する

確定申告が必要かどうかを考えるときに重要なのは、売上ではなく所得(利益)です。所得とは、1年間の売上から材料費や販売手数料、発送費やその他の必要経費を差し引いた金額のことを指します。
 
例えば月3万円前後の売上があったとしても、材料費や送料など多くの経費がかかって利益が少ない場合は、所得が小さくなります。
 

「副業としての所得」は20万円以上で申告が必要

会社勤めなど本業がある人が副業としてハンドメイド販売をしている場合、所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。ここでいう「所得」は売上ではなく、売上−経費=利益(所得)です。経費をどれだけ差し引けるかによって申告の必要性が変わります。
 
たとえば年間売上が36万円(月3万円×12か月)でも、経費が20万円かかっていれば所得は16万円となるため、申告義務はありません。一方、経費が少なく所得が20万円を超えると、確定申告をしなければならない可能性があります。
 

趣味と仕事の境目があいまいでも、税務署は「利益」で判断する

ハンドメイド制作が趣味として始めた活動でも、継続的に売上が発生して利益がある場合は税務上の「所得」とみなされることがあります。税務署は趣味か仕事かを区別するために、収入の規模や継続性、活動の目的などを総合的に見ますが、基本的には利益があるかどうかが最重要です。
 
つまり、年末に利益(売上−経費)が20万円を超えている場合には、税務署としては「一定の収益性のある活動」とみなされ、確定申告が必要になります。
 

どうやって「経費」を考えるか?

ハンドメイド販売の場合、経費になるものは次のような支出です。


材料費:作品を作るために購入した素材(糸・布・パーツなど)
販売手数料・プラットフォーム利用料:minneやCreema、BASEなどの手数料
発送費用:梱包・送料など
通信費・機材費:販売に使うスマホ・カメラ・パソコンなど(業務で使う割合)
イベント出展費・交通費:販売イベント参加費や交通費等

これらはハンドメイド活動に直接関係する支出として経費計上できます。自宅と兼用の費用(通信費や電気代など)は、「業務で使った割合」を按分して経費にする考え方です。
 
なお、売上が低くても経費の計上方法が曖昧だと税務署に否認されるリスクがあるため、レシートや取引記録をきちんと整理しておくことが大切です。
 

所得が少なくても申告したほうがいいケース

利益が20万円未満でも、次のような場合には確定申告をするメリットがあります。


・医療費控除や寄附金控除を受けたい
・扶養控除の計算に影響がある
・住民税の申告を別にする必要がある場合

確定申告をした場合、所得税の計算が正確になり、住民税への反映や控除の適用もスムーズになります。
 

申告しないと“問題”になる可能性は?

確定申告義務があるのに申告しないでいると、税務署から「無申告」と判断される可能性があり、その場合には追徴課税や延滞税が課されるリスクがあります。
 
ただし、趣味の延長で小さな利益しか出ていない場合でも、税務署の調査対象になることは比較的稀ですが、売上や利益の記録は残しておくべきです。
 

まとめ

ハンドメイド作品のネット販売で確定申告が必要かどうかは、売上ではなく利益の大きさ(所得)で判断されます。
 
夫や妻のように給与所得がある人が副業として年間の利益が20万円を超えた場合には、原則として確定申告が必要です。一方で、利益が20万円未満の場合は申告義務がありませんが、控除のための申告や住民税の申告といった判断もあり得ます。
 
「趣味っぽい活動だから大丈夫」と考えず、売上と経費をきちんと整理して利益を把握することが、申告の判断基準になります。将来的に活動が大きくなる可能性もあるため、早めに正しい知識を身につけておくことが安心につながります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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