「田舎の実家」を取り壊したら、翌年の固定資産税が“6倍”になりショック! あまり管理できなくても「空き家のまま放置」が正解でしたか?「取り壊し・放置」で税金が増える仕組みとは

配信日: 2026.01.28
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「田舎の実家」を取り壊したら、翌年の固定資産税が“6倍”になりショック! あまり管理できなくても「空き家のまま放置」が正解でしたか?「取り壊し・放置」で税金が増える仕組みとは
田舎にある実家を相続したものの、遠方に住んでいて管理ができない。「草刈りが大変だし、台風で倒壊したら近所に迷惑がかかる」と、良かれと思って実家を取り壊し、更(さら)地にしようと考える人も多いのではないでしょうか。
 
しかしその場合、翌年送られてきた固定資産税の税額が前年の「約6倍」に跳ね上がってしまう可能性があります。
 
なぜ、家を取り壊しただけで税金が急増するのでしょうか。本記事では、固定資産税の「住宅用地の特例」の仕組みと、空き家リスクとの板挟みの中でとるべき対策について解説します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

固定資産税が「6倍」になるカラクリ

土地の固定資産税は、その土地がどのように使われているかによって税額が大きく変わります。意外と知らない人が多いのが、「土地の上に家が建っている状態」が、いかに税制優遇されているかという点です。
 

「住宅用地の特例」とは

土地の上に人が住むための家屋が建っている場合、「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税の課税標準額(税金の計算の元になる額)が大幅に軽減されます。
 

【住宅用地の特例の軽減率】

・小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分):評価額の6分の1
・一般住宅用地(200平方メートルを超える部分):評価額の3分の1

 
実家が建っていた時は、この特例によって、200平方メートルまでの土地の税金は本来の「6分の1」に抑えられます。
 
しかし、家を取り壊して更地にすると、この特例の対象から外れます。その結果、課税標準額が本来の価格(評価額の70%程度)に戻り、計算上、固定資産税が最大で6倍近くに跳ね上がってしまうのです。これが「更地貧乏」の正体です。
 
※都市計画税も同様に、住宅用地であれば「3分の1」や「3分の2」に軽減されますが、更地になると軽減がなくなります。
 

「空き家のまま放置」が正解なのか?

「税金が高くなるなら、ボロボロでも空き家を残しておけばいい」と考える人もいるかもしれません。しかし、そこにも注意が必要です。近年、適切に管理されていない空き家に対する対応が厳格化されているからです。
 

「特定空き家」に指定されるリスク

自治体から「倒壊の恐れがある」「衛生上著しく有害」と判断され、「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、状況は一変します。自治体からの「勧告」を受けると、家が建っていたとしても「住宅用地の特例」の対象から除外されます。
 
つまり、「家を残していても更地と同じ高い税金がかかる」ことになります。さらに、命令に従わない場合は最大で50万円以下の過料が科されたり、行政代執行で強制的に解体され、解体費用を請求されたりするリスクもあります。「放置して節税」は、もはや通用しない時代になりつつあります。
 

「負動産」にしないための3つの選択肢

更地にすると税金が上がり、放置するとペナルティを受ける。この板挟みを解決するには、以下の3つの方向性で検討する必要があります。
 

1. 「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」を使って売る

最も理想的なのは、家があるうちに(または解体してすぐに)売却することです。相続した空き家を売却して利益が出た場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3000万円を控除できる特例があります。
 
この特例は、耐震基準を満たすようにリフォームして売るか、更地にしてから売る場合に適用されます。「更地にして売却」が決まっているなら、解体して翌年の1月1日(固定資産税の基準日)までに引き渡せば、高額な固定資産税を払い続ける事態を回避できます。
 

2. 駐車場として活用する

売却が難しい場合、更地にして駐車場として貸し出す方法があります。駐車場は「住宅用地」ではないため固定資産税は高いままですが、毎月の賃料収入で税金分を賄い、プラスアルファの収益を得る戦略です。
 
立地条件によりますが、管理の手間がかかる空き家を持ち続けるよりは、経済的メリットが出る可能性があります。
 

3. 相続土地国庫帰属制度を利用する

「売れないし、貸せない」という最悪のケースでは、土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」の利用も検討しましょう。
 
審査手数料や負担金(原則20万円~)はかかりますが、将来にわたって固定資産税や管理責任を負い続けるコストと比較すれば、手放すメリットは大きいです。ただし、建物がある状態では申請できないため、解体費用は自己負担となります。
 

まとめ

「管理が面倒だから」という理由だけで実家を解体してしまうと、固定資産税が6倍になり、経済的な負担が急増する恐れがあります。一方、放置し続けることも大きなリスクを伴います。
 
解体業者に電話をする前に、まずは「売却できるか」「特例を使って税金を抑えられるか」を確認しましょう。自分だけで判断せず、不動産会社や税理士などの専門家に相談し、トータルの収支を見据えた出口戦略を立てることが重要です。
 

出典

東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
法務省 相続土地国庫帰属制度の概要
国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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