会社員なのですが、年末年始にスポットバイトをして「2日間で1万5000円ほど」稼ぎました。金額も少ないので「確定申告なんてしなくていいかな」と思っているのですが、申告しないとマズいでしょうか?
今回は、会社員がスポットバイトをした場合に、確定申告が必要かどうかを整理します。
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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「その収入の扱い」を確認する
今回のケースでは、確定申告が不要となる可能性が高いです。ただし、結論するにはいくつか条件があります。
会社員が行うスポットバイトの収入は、多くの場合「給与所得」または「雑所得」に該当します。
短期・単発のアルバイトで、雇用契約を結び、源泉徴収票が出る場合は「給与所得」、一方、業務委託や日雇い的な形で、支払調書のみで源泉徴収票が出ない場合は「雑所得」となるのが一般的です。
金額の大小や就労の期間ではなく、「働き方」や「源泉徴収が出ているのか支払調書だけか」で判断する必要があります。自分の収入が、どちらに該当するかを確認してください。
会社員の「20万円ルール」
会社員の場合、年末調整を受けていることが前提で、給与以外の所得(雑所得など)が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要とされています。
したがって、今回のケースのようにスポットバイトでの収入が1万5000円で、他に副収入がなければ、この「20万円以下」に収まることになります。したがって、所得税については確定申告をしなくても問題ないケースといえます。
ただし、ここで注意したいのは「20万円以下なら完全に何もしなくていい」というわけではないという点です。
落とし穴になりやすい「住民税」の扱い
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別扱いであることに留意しましょう。
多くの自治体では、給与以外の所得がある場合、金額の大小にかかわらず「住民税の申告」が必要とされています。とはいえ、実務上はスポットバイト先から自治体へ支払報告書が提出されているケースも多く、結果として申告不要となることもあります。
ただし、自治体ごとに取り扱いが異なるため、「確定申告しない=完全に申告義務ゼロ」と思い込むのは危険です。
申告しなくて「マズい」ケースとは
今回の金額規模で、すぐにペナルティーが課される可能性は低いと思われますが、注意が必要なのは、以下のようなケースです。
・スポットバイトが複数あり、合計で20万円を超えていた
・源泉徴収されておらず、自治体に収入情報が届いていない
・副業禁止の会社で、住民税の通知から副収入が発覚する
特に会社員の場合、住民税の金額が変動していたことから副業が会社に知られてしまうケースはよくあります。「少額だから大丈夫」と油断せず、「住民税の制度」について理解しておくべきでしょう。
図表1 会社員対象 確定申告分岐の目安
| 年末 調整 |
所得税 確定申告 |
住民税 | 注意点 | |
|---|---|---|---|---|
| 給与所得として年末調整に 含まれている |
あり | 不要 | 会社の給与と合算して課税 | 会社に副業が把握される |
| 給与所得として含まれていない | なし | 原則不要※ | 自治体で合算される | 支払報告書が自治体に提出される |
| 雑所得年間20万円以下 | ― | 不要 | 原則、住民税申告が必要 | 自治体ごとに扱いが異なる |
| 雑所得年間20万円超 | ― | 必要 | 確定申告=住民税申告兼用 | 所得税・住民税ともに課税 |
| 雑所得赤字 | ― | 不要 | 申告しても他所得との損益通算不可 | 雑所得は原則通算不可 |
※給与所得が1ヶ所のみで、他の所得が20万円以下の場合
(筆者作成)
まとめ
今回の「2日間で1万5000円」という条件だけを見れば、所得税の確定申告は不要となる可能性が高いといえます。ただし、住民税については自治体ごとの扱いが異なるため、不安な場合は市区町村の窓口や公式サイトで確認しておきましょう。
理想としては、「収入額・所得区分・支払調書や源泉徴収の有無」を毎年記録しておくことです。ほんのわずかな手間で、後から慌てることがないように備えておくことができるでしょう。
出典
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者
