夫の退職金を元手に高配当株投資。「配当金」は年間50万円、配当控除で税金は戻ってくるの?
配当控除の適用を受けるためには、申告方法の指定や、課税総所得金額等に応じて変動する控除率の違いを事前に理解しておく必要があります。
今回は配当控除の概要をはじめ、控除額の計算方法などについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
配当控除とは
国税庁によると、配当控除は、株の配当などで利益を得た際、決められた方法で計算した金額の税額控除を受けられる制度です。配当控除が受けられる対象は、日本国内に本店を置く法人から受け取る剰余金の配当や、利益の配当などです。証券投資信託の収益分配金も含まれます。
ただし、外国の法人から受け取る配当などは、対象外となる点に注意が必要です。国内法人の配当所得である場合に限り、税額控除を受けられる仕組みとなっています。節税に役立つため、制度の内容を正しく理解しましょう。
配当控除を受けるには?
配当控除の適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。申告の際、課税方式として「総合課税」を選択することが、控除を受けるための条件となるようです。
総合課税を選択すると、所得に応じた税率が適用されます。国税庁によると、例えば、課税される所得金額が1000円から194万9000円までは5%、195万円から329万9000円までは10%(控除額9万7500円)、330万円から694万9000円までは20%(控除額42万7500円)と段階的に税率が上がっていく仕組みです。
一方で、株式の売却損があるときは、利益から損益を差し引きできる別の方式も示されています。自身の状況に合わせて、適切な申告方法を判断することが大切です。
控除される金額の計算方法
配当控除の金額は、その年分の課税総所得金額等と配当の種類で決まります。税負担を軽減する仕組みで、計算された金額を税額から直接差し引くことが可能です。
国税庁によれば、例えば、その年分の課税総所得金額等が1000万円以下の場合、配当控除の金額は、以下の(1)と(2)を足し合わせたものになります。
(1)剰余金の配当等に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を含む)の金額×10%
(2)証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を除く)の金額×5%
退職金を元手に株式などを取得し、配当金50万円を得た場合を考えていきましょう。ここでは、課税総所得金額等が1000万円以下の想定で、証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得はないものとして計算します。国内法人から受ける剰余金の配当であれば、控除率は10%が適用されます。
株式等を取得するための借入金の利子などを考慮せず、配当金をそのまま配当所得として扱い、50万円について控除率10%を適用して計算すると、所得税の配当控除額は5万円となります。
ただし、その年分の課税総所得金額等によって、適用される控除率や計算式が変動するため、確認が必要となります。制度を正しく利用するためには、課税総所得金額等の合計と、証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額の有無を併せて確認することが重要です。
国内法人の配当であれば配当控除を受けられる可能性がある
配当控除とは、確定申告で適切な手続きを行うことで、国内法人から受ける余剰金の配当などであれば、一定の方法で計算した金額の税額控除を受けられる制度です。
配当控除の金額は、その年分の課税総所得金額等と配当所得の種類に応じて変動するため、自身の所得構成や適用される課税方式を確認したうえで、配当控除を受けるかどうかを検討する必要があります。
実際に配当控除を受けるための条件として、「総合課税」の選択が挙げられます。まずは手元に源泉徴収票や年間取引報告書などを用意し、自身の課税総所得金額等や保有している銘柄の区分などを確かめることから始めてみましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
