「年収600万円・医療費20万円」なのに“確定申告しない”という姉。医療費控除を受けられず損だと思うのですが、本人は「4月以降でも大丈夫」とのこと…申告は3月16日までじゃないんですか?
掲題のケースでは、確定申告の期限が迫る中で「4月以降でも大丈夫」とのことですが、4月以降に医療費控除を受けられる根拠はあるのでしょうか。
本記事では、医療費控除の概要や4月以降でも医療費控除が受けられる理由などを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
医療費控除を受ける場合は「確定申告」や「還付申告」が必要
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超える場合に、所得控除を受けられる制度です。控除額は「実際に支払った医療費の合計額−保険金などで補てんされる金額−10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)」で計算されます。
医療費控除を受けるには、確定申告が原則必要となります。源泉徴収で税金を納めている・年末調整を受けている給与所得者の場合でも、医療費控除を受けるには申告手続きが必要です。医療費の領収書の提出は不要ですが「医療費控除の明細書」の添付が必要となります。
領収書は自宅で5年間保存する必要があり、税務署から提示を求められる可能性もあるため、処分しないように注意しましょう。また、その年分の所得税が納め過ぎとなっている場合、確定申告により税金が還付されます。
「還付申告」の場合は5年以内であれば申告が可能
給与所得者などで税金を納め過ぎている場合は、「還付申告」が可能です。通常の確定申告期間は、翌年2月16日から3月15日となっていますが、2026年3月15日が日曜日のため、2025年分は2026年3月16日の月曜日までとなります。
一方、還付申告は確定申告の期限に関わらず、その年の翌年1月1日から5年間提出が可能です。2025年分の医療費控除を例にすると、2026年1月1日から2030年12月31日まで申告できます。
掲題の姉の場合、仮に所得税率を20%とすると、(20万円−10万円)×20%=2万円の還付が受けられる可能性があります。このように期間には余裕があることから、せかす必要はないと考えられます。
会社員でも確定申告が必要な4つのケース
会社員でも確定申告が必要となるケースは、医療費控除以外に主に次の4点が該当します。
・給与の年間収入金額が2000万円を超える場合
・給与を1ヶ所から受けており、給与・退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合
・給与を2ヶ所以上から受けており、年末調整されなかった給与とその他の所得金額の合計が20万円を超える場合
・災害減免法の適用を受ける場合
上記に該当しない会社員でも、寄附金控除を受ける場合や住宅ローン控除の初年度、株式投資で損失が出た場合などは、自主的に確定申告か還付申告を行うことで税金が戻る可能性があります。
ただし、確定申告によりこれらの適用を受けたい場合は、ふるさと納税の「ワンストップ特例」は利用できないことには注意しましょう。
まとめ
医療費控除は、年間の医療費が一定額を超える際に、確定申告や還付申告を行うことで所得控除が受けられる制度です。2025年分の確定申告期間は2026年3月16日までとなっていますが、還付申告は2026年1月1日から2030年12月31日まで申告できます。
掲題のケースであれば、還付申告を行うことで2万円の還付を受けられる可能性があるため、申告をせかす必要はないと考えられます。
出典
国税庁 No.2030 還付申告
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
