年金暮らしの母のためインプラント治療費「100万円」を娘の私が肩代わり。医療費控除はいくらくらいになる?
本記事では、肩代わりした治療費を自分の医療費に加算できるのか、また医療費控除の申請時のポイントなどについてご紹介します。
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目次
肩代わりした治療費は医療費控除に加算できる?
娘が母親のインプラント治療費を肩代わりした場合、条件を満たしていれば医療費控除の対象になる可能性があります。
離れて暮らしていても親子で生計を同じくしていれば、肩代わりした費用を医療費控除に加算できるためです。一般的な判断基準として、以下のような状況が考慮されます。
・定期的な帰省や面会がある
・生活費や学費、療養費などの継続的な送金がある
例えば、年金暮らしの母を心配して定期的に仕送りをしており、その一環でインプラント治療費100万円を負担した場合は、娘の医療費控除に加算できるでしょう。しかし、普段は母親が年金のみで暮らしており、インプラント治療のときのみ娘が負担した場合は、娘の医療費控除にならない可能性があります。
なお、同一生計の条件を満たしていても、医療費控除の対象となる治療費として認められなければ加算できません。
国税庁によると、歯の治療費で医療費控除の対象となるのは「一般的に支払われる医療費の水準を著しく超えない範囲の治療」だった場合です。インプラント治療も、機能回復を目的とした通常必要と認められる治療であれば、医療費控除の対象となり得ます。
対象になるか分からないときは、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
同一生計でなければ親自身で支払ってもらうとよい
もし同一生計でない場合は、子どもが治療費を肩代わりせずに母親に自分で支払ってもらったほうがよいでしょう。自分で支払うことで、母親自身の医療費控除にできるためです。
仮に年金収入のみであったとしても、医療費控除を利用して確定申告することで、税金負担が軽減できる可能性があります。これは、年金も源泉徴収の対象になるためです。
65歳以上で158万円以上の公的年金を受け取る場合、所得税や住民税が源泉徴収されます。ただし、会社に勤めているときとは異なり、公的年金分の年末調整は行われません。そのため、確定申告で税金を精算します。
医療費控除は所得控除のため、確定申告時に適用することで課税対象となる所得が減少し、所得税や住民税の金額も少なくなります。
医療費控除を申請するときのポイント
医療費控除を申請する際は、一度自分で計算しましょう。自分で計算することで、医療費控除の対象となるかが分かります。
国税庁によると、医療費控除で控除される金額は「1月1日〜12月31日の間に実際に支払った金額-保険などによる補てん金額-10万円(総所得が200万円未満なら総所得額×5%)」です。もし総所得200万円で、保険による補てんもなければ、医療費控除の金額は「100万円-10万円」で90万円となります。
また、申請には医療費控除の明細書を確定申告書に添付する必要があります。医療費通知がある場合は、添付することで明細書の記入を簡略化でき、領収書の保存義務も免除されます。領収書は、なくさないよう5年間保管してください。
母親の治療費を負担したときは、同一生計かどうかを確認しよう
母親のために支払ったインプラントの治療費は、娘と母親で同一生計だと認められれば娘の医療費控除として計算できます。同一生計は、離れて暮らしていても生活費の仕送りや定期的な帰省など、継続的な生計維持の実態があれば認められます。
仮に、娘の総所得が200万円で保険補てんがなければ、100万円の治療費負担で90万円の医療費控除を受けられる可能性があります。
同一生計でない場合は、娘が肩代わりするのではなく母親が自分で支払ったほうがよいでしょう。母親自身の医療費控除にできるため、確定申告での所得税や住民税額が少なくなります。
治療費を負担したあとで迷わないように、まずは同一生計に当たるかどうかを確認しておきましょう。
出典
国税庁 同居していない母親の医療費を子供が負担した場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 高齢者と税(年金と税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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