20年ほど「空き家の実家」を放置してたら、固定資産税「10万→60万円に増額」の通達が届きました。管理不全とのことですが、更地にすれば問題ないですか? 注意が必要な“勘違い”とは

配信日: 2026.04.06
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20年ほど「空き家の実家」を放置してたら、固定資産税「10万→60万円に増額」の通達が届きました。管理不全とのことですが、更地にすれば問題ないですか? 注意が必要な“勘違い”とは
誰も住まなくなった実家を長年放置していると、ある日突然、固定資産税が10万円から60万円へと6倍に跳ね上がるという通知が届くことがあります。
 
その際に、取りあえず更地(さらち)にすれば税金はもとに戻るだろうと考えるのは危険です。解体工事を依頼する前に知っておくべき、空き家の税金対策の注意点について解説します。
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固定資産税が6倍になる?! 管理不全空家等と住宅用地の特例の仕組み

固定資産税が10万円から60万円に増額されるという通知は、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく自治体の措置です。通常、人が住むための住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という優遇措置が適用されており、固定資産税が本来の額から6分の1に減額されています。
 
しかし、適切な管理が行われず倒壊の危険などを招くと、自治体から管理不全空家等に指定されます。勧告に従わずに放置し続けると、この特例が解除され、固定資産税は最大で約6倍の60万円へと一気に跳ね上がってしまうのです。
 

更地にすれば税金が安くなるのか? という勘違いに注意

税金が急激に上がるのであれば、いっそのこと建物を解体して更地にすればよいと考える人は多いです。確かに建物を解体すれば、自治体からの指導から逃れることはできます。
 
ただし、税金の計算上、更地にするという選択は解決策にはなりません。なぜなら、先ほど説明した住宅用地の特例は、あくまで居住用の建物が建っている土地に対してのみ適用される優遇措置だからです。
 
家を解体して完全な更地にすると、その土地は住宅用地ではなくなるため、特例の対象から完全に外れてしまいます。つまり、管理不全空家や特定空家に指定されて特例が解除された状態と同じように、固定資産税は元の10万円には戻らず、高い金額のまま毎年課税され続けることになります。
 

解体費用で赤字に? 更地にする前に考えるべきリスク

さらに深刻な問題となるのが、建物の解体にかかる高額な費用です。一般的な木造住宅であっても、解体工事や廃材処分には100万円から200万円ほどの多額の費用が必要です。
 
更地にした後の税金60万円に解体費用200万円が加われば、初年度だけで260万円もの出費となります。実家がすぐに売れる人気のエリアにあるのなら、更地にすることで早期に買い手がつき、売却費用から解体費用や税金を十分に回収できる見込みがあるでしょう。
 
しかし、20年も放置されていた実家の場合、すぐに買い手がつきにくい立地である可能性も高いといえます。売れない更地を抱え、毎年60万円という高い税金を払い続けることは大きな負債となります。
 
安易に解体する前に、地元の不動産会社に現状のままでの売却相場を査定してもらうことが重要です。
 

更地にする前にやっておきたい対処法

更地化の前に検討すべき選択肢を紹介します。自治体からの改善勧告が届いた直後の段階であれば、最低限の修繕や草刈りなどを行います。管理不全空家等の指定を早急に解除してもらい、住宅用地の特例を復活させて税金をひとまず10万円に戻すという方法も可能かもしれません。
 
復活が難しそうであれば、実家のある自治体が用意している空き家解体に対する補助金制度を調べてみましょう。危険な空き家を解体する費用の一部を負担してくれる制度が用意されていれば、手出しの金額を大きく減らせます。
 
また、建物を解体せずに残したまま、全国の自治体が運営している空き家バンクに登録し、格安で買い取ってくれる人を探す方法も有効です。更地にするのは最終手段とし、まずは手放せる方法を検討してみましょう。
 

まずは不動産価値の把握と制度活用を

空き家放置による固定資産税の増額は、住宅用地の特例が外れることが直接の原因です。更地にしても特例は復活せず、高い税金と数百万円の解体費用が重くのしかかります。
 
更地にするのは、土地が確実に売却できる見込みがある場合の最終手段と捉えてください。まずは地元の不動産会社への売却相談や自治体の補助金制度を確認し、家計にダメージの少ない安全な解決策を探ってみましょう。
 

出典

e-Gov 空家等対策の推進に関する特別措置法
政府広報オンライン 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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