料金の高騰で話題になった引っ越し。10月からの消費増税でどんな影響を受ける?
配信日: 2019.09.27 更新日: 2021.06.23
食料品など軽減税率が適用されるものは関係なしで、トイレットペーパーのような日用品は買いだめしているという意見もありますし、大きな買い物は静観しているという意見もあります。
それではこの3月、あれだけ料金が高騰したと騒がれた「引越し」はどうなんでしょう?
株式会社エイチーム引越し侍は、同社が運営する引越しの見積もり比較サイト『引越し侍』の提携引越し業者に対して「消費税率引き上げの影響」に関するアンケートを実施し、調査レポートを公開しました。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
増税による駆け込み需要はあんまりない?
まず、引越し業者が予想する引越しの「駆け込み需要」の状況ですが、「増税の前後で引越しに変化はあると思う」と答えたのは、全体の38%ということです。これは微妙な数字ではありますが、多くの引越し業者が「駆け込み需要はない」と考えたようです。
そもそも異動に伴う転勤などで、9月・10月は比較的引越しが多い時期といわれています。しかし、それは「自分が自ら選んだ引越し」ではないので、会社の費用でまかなってもらうことになるでしょう。
また、時期を自分で選ぶこともできないわけで、消費増税があるからといって、早めたりすることもないと思われます。つまり、増税による駆け込み需要はあんまりないと考えた引越し業者が多いのでしょう。
ただし、その38%の「増税の前後で引越しに変化はあると思う」と答えた引越し業者に「具体的にどんな変化があるのか」と聞いてみると、「依頼数の増加」が59%、「引越し料金の高騰」が23%という答えです。
依頼件数は増えるだろうという予測です。ただ、それがすぐ料金高騰に結びつくと考える人は235に過ぎません。「忙しくなるだろうけど料金高騰にはつながらなさそう」という予測でしょうか。
そういう引越し業者自身では、消費増税に向けて何か準備をしているのかと聞くと、「増税対策をしない」が79%と、「何もしない」会社が多そうです。
「何かする」と答えた引越し業者では、荷物を梱包するための段ボールや緩衝材といった資材を事前にまとめ買いをしておくなどの対策をとるようです。
9月から10月にまたいで引越しする場合?
それでは、9月に見積もりをとって10月に引越しをする人は、消費税はどうなるのでしょうか?
これは増税対象になります。見積もりをとる時点で、そのことが確認されるでしょう。
では9月30日に荷物を搬出して10月1日に荷物を搬入して完了する場合、消費税はどうなる?と聞くと、「搬出日の税率(8%)を適用」するのは大手引越し業者の場合67%。中小引越し業者では51%としています。「8%のまま」を選ぶ業者が多いようですね。
まとめ
今回の10月では引越しに大きな影響はなくても、年末そして3月末の引越し繁忙期では間違いなく税率10%になりますし、人手不足で業者がひっぱくし、ますます料金が上がる覚悟をしておいた方がいいかもしれません。
■「消費税率引き上げの影響」に関するアンケート(株式会社エイチーム)
執筆者:藤木俊明
副業評論家