宝くじの当選金も! 所得税がかからない収入いろいろ
配信日: 2020.11.26
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
所得税がかからない収入とは?
所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。通常はその所得額に応じて5~45%の税率(※)で計算されます。ただ、次のような例外もあります。
●社会政策上の配慮によるもの
経済的に困窮している人、立場の弱い人、事故の被害者などを救済するために以下のような給付については、税金がかからないよう配慮されています。
・生活保護のための給付
・雇用保険の基本手当(失業手当)、育児休業給付、健康保険の出産手当金
・損害保険金、損害賠償金、慰謝料や見舞金(※社会通念上、妥当な金額の範囲内)
・障害年金、遺族年金(※老齢年金は課税対象)
あの臨時収入も非課税
非課税になるのは、困っている人を救済するための給付だけではありません。
■宝くじの当選金
宝くじの購入代金の中にすでに税金が含まれていて、その時点で支払済みとみなされるため、当選金はその額に関係なく非課税です。ちなみに、当選金を親族などに贈与した場合は贈与税がかかります。
■衣類や家具等や生活用動産の売却による所得
例えば、衣替えの際に出てきた「もう着ないだろうな」という服を、フリマアプリに出品して売却できたときの売上金などがこれにあたります。事業として行うものではなく、あくまで生活上出てくる不用品を売った場合が該当します。
そのほか、ノーベル賞の賞金やオリンピック・パラリンピックのメダリストに贈られる報奨金なども非課税となっています。
給与所得でも所得税がかからないケース
前述のとおり、雇用されている方が毎月受け取るお給料(給与所得)には所得税がかかります。ただ、以下のような例外もあります。
■通勤手当(月15万円まで)、出張旅費
本来は会社が支払うべき費用を代わりに支払い、その分が給与に上乗せされて返ってきただけ、という認識になるため非課税です。
■主婦(主夫)のパート収入が103万円以下の場合
所得税は、所得から所得控除を差し引いた金額に対して課税されます。主婦(主夫)がパートとして働く場合、「給与所得控除(最低55万円)」+「基礎控除(48万円)」=103万円が所得控除となり、その金額を超えるまでは所得よりも所得控除額が大きくなるので税金がかかりません。
ちなみに、パート収入が103万円以下の場合は配偶者控除、201.6万円未満までは配偶者特別控除の対象になるため、夫婦のもう片方が会社員で給与所得が1220万円以下の場合は、そちらの所得税負担も減らすことができます。
意外と知られていない所得税と確定申告
お給料以外に一定額以上の収入があれば確定申告が必要になる可能性がありますが、先述のとおりその対象にならないものもあります。
確定申告が不要なのに手続きの準備をしてしまったり、確定申告が必要なのに無視していた、ということのないように、ご自身の収入がどういう類のものなのかきちんと確認しておきたいですね。
(※)国税庁「No.2260 所得税の税率」
(出典)
国税庁「所得税 非課税所得の種類と根拠」
国税庁「家族と税」
e-Gov「所得税法施行令 第二章 課税所得の範囲 第二節 非課税所得」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
副業している場合の年末調整はどうなる?注意したいこと