住民税非課税世帯とはどんな世帯? 受けられる保障とは
配信日: 2020.12.02
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
住民税非課税世帯とは
住民税非課税世帯とは、生計を一にしている世帯の全員において住民税が課税されていない世帯のことです。世帯というのは、ただ単に一緒の家に住んでいる状況だけを指すわけではありません。例えば単身赴任中の方や、学生で1人暮らしの子どもに仕送りをしているなど、生計を一にしているような状況であれば同じ世帯であると判断されます。
逆に、ただ単にルームシェアをしているだけというようなカップルなどは、同一世帯に属するとは判断されません。
住民税が非課税となるのは具体的にどんな状況?
以下のうち、いずれかの要件に該当する方は住民税が非課税となります。
(1)1月1日現在で生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
(2)1月1日現在、障害者、未成年者、寡婦または寡夫で前年の合計所得金額125万円以下の方
(3)前年中の合計所得金額が、お住まいの自治体における条例で定める額以下の方
例えば、東京都町田市にお住まいの場合は下記のような条件になります。
・配偶者、扶養親族ともに存在しない方:前年の合計所得金額が35万円以下
・配偶者や扶養親族が存在する方:35万円×(控除対象配偶者+扶養親族数+1)+21万円以下
住民税非課税世帯が受けられる保障や支援策
住民税が非課税となる世帯に向けて、国や自治体などはさまざまな保障や支援策を用意しています。支援を受けるには一定の要件があったり、自治体独自の支援策などもあるため、必ず一度お住まいの市区町村役場にて、どのような保障があり、支援を受けられるか確認するようにしてください。
教育費用が無償化または軽減
令和元年10月より、月額上限などはあるものの幼稚園や保育所、認定こども園や認可外の保育施設などを対象として幼児教育・保育の無償化がスタートしました。基本的には3歳から5歳の子どもの通うクラスが無償化の対象とされているのですが、住民税非課税世帯に限っては0歳から2歳のクラスも無償となります。
また、令和2年4月からは住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生を対象に、大学や専門学校といった高等教育における授業料や入学金を免除または軽減する支援制度がスタートしています。同時に、従来の給付型奨学金における対象者と支援額の範囲も拡大されました。
地域の独自支援が受けられる
自治体によっては住民税非課税世帯に向けて独自の支援政策を実施していることがあります。例えば、東京都世田谷区では一定の要件の下、住民税非課税世帯の方が受けるがん検診が無料となります。
そのほかに新型コロナウイルス感染症に伴う経済支援を行っている自治体もあり、熊本県菊池郡大津町では非課税世帯に対して2万円(2人以上の世帯については2人目以降、1人につき5000円追加で上乗せ)の特別支援金を給付しています。
住民税非課税世帯に該当する場合、まずは自治体に相談を
住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税となっている世帯です。住民税非課税世帯は生活に困窮していることが多く、それを支援するために国はもちろん自治体も独自の支援を行っています。
もし、住民税非課税世帯に該当していたり、非課税世帯とまではいかないものの生活に困っている場合は、早めにお住まいの自治体に相談するとよいでしょう。
出典
町田市 住民税が課税されない方・住民税の減免制度
内閣府 幼児教育・保育の無償化はじまります。
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
世田谷区 住民税非課税世帯の方は、がん検診が無料で受けられます!
大津町 大津町生活支援臨時特別支援金のお知らせ(非課税世帯向け)
政府広報 知ってほしい!消費税のこと。暮らしのこと。
執筆者:柘植輝
行政書士