更新日: 2021.01.21 その他税金
新型コロナの給付金、非課税のものと課税対象のもの
いったいどのような給付金が非課税になるのか、課税対象となる給付金はどのようなものなのかを知っておきましょう。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
どうして非課税と課税対象の給付金があるの?
「困っているから給付金をもらっているので、すべて非課税で良いんじゃないの?」と思うかもしれませんね。
ただ、原則として所得税法で非課税としてあらかじめ挙げられているもの以外は、すべて課税対象となるのです。税法上の所得の定義は、「新たに取得した経済価値(利益)」とされています。給付金は所得税法上では非課税対象ではなく、原則としてすべての給付金が課税対象です。
ただ、個別の法律に規定がある場合や、その制度の根拠となる命令(規定)などによって非課税対象となることが明記されているときには、その法令は所得税法よりも優先されることになります。そしてこの法律は特例法などと呼ばれており、非課税対象のものとして扱われています。
今回、私たちが給付を受けた「特別定額給付金の10万円」は特例法によるものですので、非課税扱いです。非課税と課税扱いの仕分けの目安としては、個人向けのものは非課税、事業者向けのものは課税対象となるイメージです。
どのような給付金が非課税扱いになるの?
では、どのような給付金が非課税になるのか、確認していきましょう。
・ひとり親世帯臨時特別給付金(※2):基本給付として、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯等の方へ、追加給付として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、収入が減少している方が一定の要件を満たしたうえで受給できます。
・新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業(※3):医療機関の医療従事者や職員に給付されます。
・企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券(※5):割引券の使用条件を満たしているか、勤務先がベビーシッター派遣事業の利用を予定しているかを確認してから申請してください。
どのような給付金が課税対象になるの?
では、どのような給付金が課税対象になるのか、確認していきましょう。
・家賃支援給付金(※8):売上の減少に直面する事業者に対して、事業の継続をささえるため、地代・家賃(賃料など)の負担を軽減するための給付金です。
その他にも、農林漁業者向け、文化芸術・スポーツ活動の継続支援などがあり、政府だけでなく、自治体などでも数多くの施策を実施しています。
これらの制度は課税対象となっていますので、確定申告をする際には、忘れずに申告するようにしてください。
(※1)厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」
(※2)厚生労働省「ひとり親世帯臨時特別給付金」
(※3)厚生労働省「「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」について」
(※4)内閣府「新型コロナウイルス対応に係る子育て支援について」
(※5)内閣府「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和2年度の取扱いについて」
(※6)厚生労働省「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」
(※7)中小企業庁「持続化給付金」
(※8)中小企業庁「家賃支援給付金」
(※9)経済産業省「持続化補助金 一般型」
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト