「子ども貯金」が500万円ほど貯まったのですが、このまま渡すと子どもに「贈与税」がかかると聞きました。なるべく金額を減らさず渡すにはどうすればよいでしょうか?

配信日: 2024.12.19

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「子ども貯金」が500万円ほど貯まったのですが、このまま渡すと子どもに「贈与税」がかかると聞きました。なるべく金額を減らさず渡すにはどうすればよいでしょうか?
子どものためにと貯めてきたお金は、なるべく全額をそのまま子どもに渡したいと考えるでしょう。しかし、お金を渡すときは贈与税が発生する場合があるため、注意が必要です。
 
課税されていることを知らずに放置していると、あとから追加で課税される場合もあります。今回は、贈与税が課税される条件や税額の例などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

贈与税は家族間であってもかかる

贈与税は生存している個人から財産を受け取ったときに発生するため、相手が家族であっても他人であっても、年間の基礎控除額(110万円)を超えていれば課税対象です。
 
特に、今回の事例のように「子ども貯金」として子ども名義の口座を使用しており、500万円になってから子どもに渡す場合は、口座の管理が子どもに移った時点での金額が課税対象になります。これは民法第549条より、贈与が、「当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」ためです。
 
また、預貯金でなく現金で渡したときも、高額の金銭が動いた形跡があれば隠していても税務署にバレる可能性があります。隠すとあとから追加で税金がかかるケースもあるため、申告はしなければなりません。贈与税は受け取った側に対してかかるため、子どもが支払います。
 

500万円を渡して税金がかかるといくら?

今回の場合、基礎控除額(110万円)を引いた390万円が課税対象です。お金を渡した時点で子どもが未成年か成人しているかによって、税率が変わります。
 
まず、子どもが未成年だったとして計算しましょう。子どもが成人していないときは、通常の計算で使用する一般税率が適用されます。国税庁によれば、今回のケースでは税率が20%、控除額は25万円のため、53万円が課されます。
 
一方、子どもが成人している場合、使用するのは特例税率です。特例税率は、直系尊属から18歳以上の方が財産を受け取ると適用されます。国税庁によれば、今回の条件だと、税率が15%、控除額は10万円のため、贈与税額は48万5000円です。
 
子どもが成人しているかしていないかによって、税額に4万5000円の差があります。高額贈与をする際、少しでも子どもの負担を減らしたいときは、成人後に渡した方がよいでしょう。
 

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課税されずに500万円を一度に渡す方法はある?

500万円を一度に渡したいときは、非課税になる項目で渡せないかを調べましょう。国税庁によると、非課税になる例は以下の通りです。

●生活費や教育費として必要になったタイミングで渡したお金のうち、直接それらに充てられたもの
●お祝いや見舞金、年末年始の贈答(お年玉)などで社会通念上相当と認められる範囲のもの
●制度を利用したうえで送金する結婚・子育て資金、教育資金など

例えば、子どもの大学進学の際に、入学金や教材費、授業料など入学に必要な金額をまとめて渡すことは、非課税になる可能性があります。ただし、生活費や教育費、制度を利用してお金を渡すときは、子どもがその目的通りにお金を使わないと課税対象になります。必ず生活費や教育費など、目的通りに使うよう伝えましょう。
 
また、お祝い金や見舞金などでの「社会通念上相当と認められる範囲」は、具体的な金額が提示されていません。問題ないか分からないときは、専門家に聞いた方がよいでしょう。
 

非課税となる制度を活用したり、生活費や教育費として必要なときに都度渡したりする

贈与税は、他人同士だけでなく家族同士であっても、無償で財産の受け渡しがあったときに課されます。隠していても、多額の金額が移動した履歴が残っていると税務署にバレる可能性があるため、課税対象になるときは忘れずに申告、納税する必要があります。
 
なお、税額の計算は、子どもが成人しているか未成年かで税率が変わる可能性があります。申告額を間違えないよう、よく確認しておきましょう。
 
もし、税金を引かれずに子どもへ渡したいときは、国税庁が公開している非課税項目も参考にすることがおすすめです。制度の利用、生活費や教育費として必要なときに都度渡せば、課税されないケースがあります。
 

出典

e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第二章 契約 第二節 与 五百四十九条(贈与)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
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