年金制度の改正により「遺族年金」の「子の加算額」が引き上げられると聞きました。現在、子どもが2人いるのですがいくら増加するのでしょうか?
そこで本記事では、今回の改正内容を見ていきます。
夢実現プランナー
2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている
遺族年金の遺族厚生年金が大きく改正されます
現在の遺族厚生年金は、子どものいない女性の場合、30歳未満で厚生年金保険の被保険者である夫と死別すると5年間の有期給付、30歳以上で死別すると無期給付となっています。
男性の場合は、55歳未満で厚生年金保険の被保険者である妻と死別した場合の給付はなく、55歳以上で死別した場合は60歳から無期給付を受けることができます。
今回の改正により、男女差を解消することになり、男女ともに60歳未満で死別した場合は、「原則5年間の有期給付」となります。ただし、60歳以上で死別した場合や、2028年度に40歳以上になる女性は、前述の改正は適用されずに現行通りの無期給付が適用になっています。
「原則」と文言が入れられたのは、配慮が必要な場合には、原則以外の給付がなされることになっているからです。配慮が必要なケースには、障害のある方や収入が十分でない方、年度末まで18歳に達するまでの子がいるケースがあります。
また有期給付中には、「有期給付加算」や「死亡分割」が支給される予定となっています。
遺族基礎年金の子どもの取り扱いも改正
前項では、遺族厚生年金の制度改正について説明しましたが、遺族基礎年金にも一部改正があります。
現行の遺族基礎年金は、子のある配偶者の場合には、子どもには遺族基礎年金は支給されず親の遺族基礎年金に子の加算額として支給されています。
また親が再婚をした場合には、生計を一にしていた子どもに対しては、子どもへの遺族年金も支給停止となっていました。
今回の改正により、親と生計を同じにしていて再婚等によって親が遺族基礎年金の受給資格を失っても、子どもへの遺族基礎年金は支給されることになっています。また、これまでは年収850万円以上の収入がある親と生計を一にしていた場合も、子どもへの支給はありませんでしたが、年収要件も撤廃されています。
親ではなく祖父母などの直系血族(または直系姻族)の扶養となった場合も、子どもは受給できるようになっています。
令和7年度の子の加算額は、18歳に達する年度末までの子(所定の障害状態にある場合は20歳未満)がいる場合には、2人目までは各23万9300円で、3人目以降は各7万9800円が支給されていますが、今回の改正で、1人につき28万1700円と増額と支給範囲が拡大されています。
18歳以下の子どもが2人のケースでは
前述していますが、子どもに対して遺族年金が直接支給されることになったため、親が再婚をした場合や、祖父母などの養子になった場合でも、子どもは遺族基礎年金を受け取ることができるようになります。
金額も1人につき28万1700円となりましたので、子ども2人のケースでは、それぞれの子どもに28万1700円、合わせて56万3400円が支給されることになります。
受給できる期間は、18歳に達する年度末(所定の障害状態のときは20歳未満)までとなります。
まとめ
令和7年5月16日に国会を通過した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」では、男女格差のある年金制度が大きく改正されています。
また子どもの加算については、これまでは親が再婚したり、祖父母の養子となったりした場合には、支給停止となっていましたが、今回の改正では子どもの権利として支給条件の緩和がなされています。
2028年4月からの施行と少し先のことになりますが、今後のライフプランにおいては、確認しておくと安心ではないでしょうか。
出典
日本年金機構 遺族年金の制度
厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
執筆者 : 吉野裕一
夢実現プランナー
