2019.02.11 資産運用

意外と使える(?)…外貨建てMMF

外貨建てMMFは、一部の証券会社のみで扱われている商品です。
 
筆者は外貨建てMMFを重宝しています。外貨建ての商品の中でも、外貨建てMMFは「意外と使える」のでは、ないでしょうか?
 

そもそも、外貨建てMMFとは?

外貨建てMMFは投資信託の一つで、課税上は「公社債投資信託」に分類されます。なので、NISAの対象外です。
 
また、外貨ということで、米国ドル、豪ドル、NZドル、カナダドルなどのMMFがあります。また、かつてはユーロのMMFもありましたが、ユーロがゼロ金利となって以後、取り扱い中止になっています。
 
外貨建てMMFの中身は、複数の株式や複数の債券などをワンパッケージにした商品…比較的、安全性が高いとされている短期債券です。
 
外貨建てMMFの決算は毎営業日に行われており、そのため、原則として価格変動がありません。決算の際に生じた剰余金(=分配金)は、毎月末に、顧客ごとの外貨建てMMFの残高に再投資されます(=つまり、毎月、複利する)。
 
なお、この毎月の剰余金(=分配金)は、20.315%の源泉徴収税を差し引かれた後に、複利します。
 
その利回りは、「直近7日間の年換算利回り」として、運用(=アセット)会社や証券会社などのWEBサイトで公表されています。某社の米ドルのMMFの直近7日間の年換算利回りは1.878%(=信託報酬控除後)でず。
 
また、円から外貨への為替レート、つまり、TTSやTTBは、銀行の外貨預金の一般的なレートよりも安い傾向にあります。例えば、米ドルのMMFですと、TTSの為替手数料が50銭、TTBも同じく50銭、という具合です。
 
適用される為替レートはリアルタイムで決まりますが、実際に取引が成立(=約定)するのは翌営業日です。
 
最低の投資金額は証券会社によって異なりますが、例えば、米ドルのMMFなら10米ドルから可能な証券会社もあります。TTSが、1ドル当たり110円だったとしたら、110円×10米ドル=1100円から投資することができます。
 
外貨MMFの投資に当たり、購入時手数料の負担はありませんが、信託報酬という保有期間中の費用(=コスト)の負担はあります。とはいえ、先述の運用(=アセット)会社や証券会社などのWEBサイトで公表されている「直近7日間の年換算利回り」は、信託報酬を控除した(=差し引いた)後の利回りです。なので、実質的に費用(=コスト)を気にすることなく投資することができるのです。
 
一営業日ごとに投資と解約ができますので、お手軽と言えばお手軽です。為替のリスク、すなわち為替レートの変動によって利益もあれば、損失もあります。
 

筆者が外貨建てMMFを重宝…その活かし方とは?

筆者はアメリカの株式に投資しています。アメリカの株式ですので、その投資資金や売却代金は当然、ドルです。なので、投資資金の準備や売却代金の受け皿として、ドルMMFを活用しています。
 
例えば、「円高」と判断した時に、円(=MRF)から、ドルMMFに投資します(そもそも、「円高」の定義が曖昧ですが、それはまた、別稿にて)。そして、アメリカのどの株式に投資するのか、いつ投資するのかをじっくりと選び、判断します。
 
先述の通り、ドルMMFは毎月末に剰余金(=分配金)が再投資されます。つまり、アメリカの株式に投資するための資金を遊ばせることなく、運用ができるのです。
 
そして、投資するべきアメリカの株式が決まり、タイミングを見定めたら、ドルMMFから、そのままアメリカの株式に投資するのです。「ドルMMF⇒アメリカの株式」という流れには、当然、為替レートの変動に伴う差損益はありません。「ドルからドルへ」ですものね。
 
そして、アメリカの株式を売却した資金についても、ドルMMFにて受け取ります。ドルMMFに売却代金をプールすることで、次のアメリカ株式投資を行う時も為替レートの変動に影響されることがありません。
 
また、保有している(=投資した)アメリカの株式から生じる配当金も、もちろんドルです。アメリカの株式から生じた配当金についても、ドルMMFにて受け取るようにしています。
 
つまり、配当金が入金された時から、ドルMMFによる運用が始まるのです。
そして、ドルMMFにてプールと共に運用された資金によって、さらにアメリカの株式の投資を行います。この流れにも、もちろん、為替レートの変動に伴う差損益はありません。すべて、ドルですから。
 

まとめ

いがかでしょうか?
 
筆者の場合、「外貨そのものに投資して、利益を得る」ことは目的としていません。筆者にとって、外貨MMFは投資の対象ではなく、あくまでも「つなぎ」にしか過ぎないのです。
 
とはいえ、その「つなぎ」の間も、日本円の預金やMRFとは比較にならないくらい高利回りで、おそらく銀行の外貨預金よりも高利回りで運用しています。「つなぎ」にすぎないとは言いながらも、時間の無駄を省くことができるのです。
 
「外貨そのものを投資の対象とされている」方、意外と多くいらっしゃるのではないでしょうか?
 
例えば、外貨建ての生命保険、とか。実は、「外貨そのものを投資の対象」として、利益を得るのは、非常に難しいことなのです。筆者の視点では、外貨建ての生命保険は、かなりハイレベルな投資だと言えます。
 
ということで、次回は「外貨そのものを投資の対象」とするのは、どういうことなのかを考えてみたいと思います。
 
執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
 
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大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。



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