兄弟で実家を相続する話が出ています。住む予定がない家は、そのまま持つより売却した方がよいのでしょうか?
本記事では、実家を共有で相続する際の注意点や、持ち続ける場合と売却する場合の違いについて解説します。
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実家を兄弟で相続すると何が起きるのか
実家を兄弟で相続する場合、遺産分割協議の結果、多くは共有名義となります。共有名義とは、一つの不動産を複数人で所有する状態です。一見すると相続人を平等に扱えるように見えますが、実際には意思決定や管理が難しくなりがちです。
たとえば、実家を共有名義のまま売却する場合、原則として共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すると、その売却は進めにくくなります。また、リフォームや賃貸に出すといった活用についても、意見が分かれると調整に時間がかかります。こうした状況が続くと、兄弟間の関係に影響が出ることもあります。
さらに、固定資産税などの費用は原則として共有者で負担するべきものですが、実際に支払う人が偏ったり、支払いの割合やタイミングでトラブルになったりするケースもあります。このように、共有状態は思った以上に手間と調整が必要になる点を理解しておくことが大切です。
住まない家を持ち続けるデメリットとは
誰も住まない家を持ち続ける場合、まず問題になるのが維持費です。固定資産税は毎年かかりますし、建物は使わなくても劣化していきます。定期的な換気や清掃をしないと、カビや害虫の発生につながることもあります。
また、空き家の状態が長く続くと、建物の価値は下がりやすくなります。特に築年数が古い場合は、売ろうとしたときに買い手が見つかりにくくなることもあります。
さらに、管理が不十分だと、雑草や害虫・害獣の発生などによって近隣トラブルの原因になることもあり、周辺に悪影響を及ぼす「特定空き家」に指定されると、自治体から指導・勧告を受ける可能性もあります。
このように、使わない家を持ち続けることは、単に「放置」しておくだけでは済まず、税金や修繕費・管理費といった費用と、管理の手間がかかり続ける点に注意が必要です。そのため、将来的な負担を考えると、早めに方針を決めることが重要になります。
売却するメリットと注意すべきポイント
実家を売却する最大のメリットは、現金化できる点です。売却代金を兄弟で分けることで、公平に資産を分配できます。また、固定資産税や維持費の負担から解放されるため、長期的なコストを抑えることにもつながります。
一方で、売却には税金や手続きが伴います。不動産を売って利益が出た場合、その利益に対して所得税や住民税が課税されることがあります。
ただし、相続した不動産には、相続税の一部を取得費に加算できる「相続財産譲渡時の特例」や、条件を満たせば3000万円まで所得を控除できる「居住用財産の譲渡特例」など、税負担を軽減できる制度が用意されています。
こうした特例は利用条件が厳しく、すべてのケースで適用できるわけではありませんので、事前に税理士や専門家に確認しておきましょう。
また、売却価格は立地や建物の状態・築年数などによって大きく変わります。複数の不動産会社に査定を依頼し、周辺の成約事例も踏まえて相場を確認することが、不当に安値で売却してしまうのを防ぐポイントです。必要な準備をしっかり行うことで、兄弟間で折り合いがつく金額で納得のいく形で売却を進められます。
実家は「使うか・手放すか」で早めに判断しよう
実家を相続した場合、最も重要なのは「今後どう使うのか」を明確にすることです。誰かが住む予定があるなら維持する価値はありますが、使い道がない場合は持ち続けるほど負担が増えていきます。
特に兄弟で共有している場合は、時間が経つほど意見がまとまりにくくなる傾向があります。そのため、早い段階で話し合いを行い、売却や活用の方向性を決めることが大切です。
実家は思い出の詰まった大切な場所ですが、感情だけで判断すると後悔することもあります。費用や将来の負担も含めて冷静に考え、自分たちにとって最適な選択をすることが重要です。適切な判断をすることで、相続後のトラブルを防ぎ、安心して次のステップに進めるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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