相続した土地について、親戚に「何もしないなら太陽光発電でも置けば?」と言われました。初期費用は「300万円以上」かかるそうですが、放置するより得なのでしょうか?
本記事では、相続した土地に太陽光発電を設置した場合の収益性や注意点、土地を放置するリスクについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
相続した土地を放置するとどんな負担がある?
相続した土地をとりあえずそのままにしている人は多いですが、土地は所有しているだけでも、固定資産税などの負担がかかります。土地の広さや場所、評価額によって異なりますが、固定資産税が毎年かかります。さらに、雑草の処理や不法投棄への対応など、管理の手間も発生します。
特に空き地は、近隣トラブルにつながるケースがあります。雑草が伸びると害虫が発生しやすくなり、景観悪化の原因にもなります。また、長期間放置すると不法侵入やゴミの不法投棄が起きることもあります。
土地は資産ではありますが、使い道がない場合は、維持費だけがかかる負担になることも少なくありません。そのため、何かに活用したほうがよいのではと考える人が増えています。その選択肢の1つとして挙がるのが太陽光発電です。
太陽光発電は土地や屋根にパネルを設置し、発電した電気を売電するなどして収益を得る仕組みです。建物を建てる必要がないため、住宅やアパート経営より始めやすいと感じる人もいます。
ただし、設置すれば必ずもうかるというわけではありません。まずは、どれくらいの収益が期待できるのかを知ることが重要です。
太陽光発電を設置するとどれくらい収益が期待できる?
太陽光発電の収益は、土地の広さや日当たり、設備規模によって変わります。
たとえば、初期費用が300万円程度の小規模設備では、条件によって年間収入が数十万円規模になることがあります。ただし、これは売電価格や発電量によって変動するため、必ず同じ結果になるわけではありません。
以前は、発電した電気を高値で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」によって、高い収益を得やすい時期もありました。しかし、現在の売電価格は制度開始当初より低く、以前ほど高い収益を期待しにくくなっています。
そのため、最近は短期で大きく利益を狙うより、長期で収益を積み上げる活用法として考えるのが現実的です。仮に年間30万円の利益が続くなら、300万円の初期費用は単純計算で10年程度で回収できますが、実際は維持費や修理費も考慮が必要です。さらに、設備のメンテナンス費用や修理費が発生する可能性もあります。
一方で、土地を放置して固定資産税などの負担だけが続くより、収益化できる点はメリットです。特に、住宅や店舗に向かない土地では、太陽光発電が現実的な活用方法になる場合もあります。
ただし、どのような土地でも利益が出るというわけではありません。日当たりが悪い場所や、周囲に高い建物や山がある土地では、十分に発電できないケースもあります。導入を検討する場合は、複数の業者からシミュレーションを取り、収益予測を比較することが大切です。
太陽光発電には初期費用以外の注意点もある
太陽光発電は、設置後に完全放置できるわけではありません。まず必要なのがメンテナンスです。ソーラーパネルが汚れると発電効率が下がる場合があります。また、機器が故障すれば修理費も発生します。
さらに、自然災害のリスクもあります。台風や大雪などで設備が損傷する可能性があるため、保険加入を検討することが重要です。
また、太陽光発電設備は耐用年数があります。太陽光パネルは25年から30年程度の発電が可能とされる一方、パワーコンディショナーは一般的に10年から15年程度で交換を検討する必要があります。
加えて、将来的に売電価格がさらに下がる可能性もあります。現在の収益シミュレーション通りにならないケースもあるため、必ず利益が出る投資と考えるのは危険です。
土地によっては、太陽光発電以外の活用法が向いている場合もあります。たとえば、駐車場や資材置き場として貸し出すほうが、土地条件によっては安定収入につながる場合があります。そのため、太陽光発電だけに絞らず、複数の土地活用方法を比較することが重要です。
まとめ
太陽光発電は、アパート経営のように入居者対応が不要なため、比較的手間が少ない土地活用方法といえます。そのため、遠方に住んでいて頻繁に管理できないという人には向いている場合があります。
一方で、初期費用が高額であり、長期間かけて回収する必要があります。また、土地条件によって収益性が大きく変わるため、事前調査は欠かせません。もし土地を今後使う予定がない場合は、「売却する」「貸し出す」「太陽光発電に活用する」など複数の選択肢を比較してみるとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー