更新日: 2020.08.25 キャリア

転職活動で源泉徴収票を求められる理由は?もらう方法やタイミングも紹介

監修 : 堺孝善

転職活動で源泉徴収票を求められる理由は?もらう方法やタイミングも紹介
転職活動を行っていると、応募企業に源泉徴収票の提出を求められることがあります。この源泉徴収票とはどんなものでしょうか?また、どんな理由で源泉徴収票の提出が求められるのでしょうか?さらに、どのようにして源泉徴収票を手に入れるのでしょうか?
 
この記事では、転職活動中の源泉徴収票についてご説明します。
堺孝善

監修:堺孝善(さかい たかよし)

人事組織コンサルタント、国家資格キャリアコンサルタント、早稲田大学大学院経営管理研究科(MBA)

福岡県福岡市生まれ。 大学卒業後、大手人材サービス会社で2500名以上のキャリア支援に携わる。
 
早稲田大学大学院でMBAを取得後、外資系コンサルティング会社に勤務。業務コンサルティング部門の管理職として、金融や通信業界を中心に業務改善、収益改善のプロジェクトを担当。
 
テクノロジーを活用したプロセス設計や、カウンセリングをもとにしたキャリア支援や組織の活性化が専門。
 
「人が活き活きと活躍できる社会を創る」をライフワークに執筆・講演などを行う。
 
現在、Podcastで40歳のキャリアについて考える番組「40歳のディスタンス」を配信中。
 
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1495042062

源泉徴収票とは?

源泉徴収票には2つの種類があります。「給与所得の源泉徴収票」と「退職所得の源泉徴収票」です。
 
一般的に源泉徴収票というと「給与所得の源泉徴収票」を指します。「給与所得の源泉徴収票」は、その年の給与や所得税の額が分かるものです。「給与所得の源泉徴収票」に記されている項目は下記のようになります。
 
●給与支払額
●所得控除の額
●特別徴収した所得税の額
 
給与支払額には、ボーナスも含まれます。また、特別徴収された所得税の額とは、すでに所得税として給与から引かれた額を指しています。
「給与所得の源泉徴収票」は年末調整の際に発行されます。
 
これに対して「退職所得の源泉徴収票」は、退職手当が支払われた際に発行されるものです。なお、退職手当は正確に確定しているので、年末調整の必要は必要ありません。
 

転職活動中に源泉徴収票を求められる理由は?

転職活動中に「給与所得の源泉徴収票」を応募企業に求められる理由は、あなたの年収を把握するためです。つまり、あなたの入社後の給与査定の参考のために提出が求められているのです。この場合は、給与の交渉を不利にしないために提出を断ることもできます。
 
また、内定後に「給与所得の源泉徴収票」の提出を求められることもあります。この場合は、あなたの年末調整を行うためです。
年末調整をしないと、年末調整で生じた差額分の調整額を受け取れなくなります。場合によっては数万円損するケースもあります。転職先の企業に「給与所得の源泉徴収票」を求められたら速やかに提出しましょう。
 

転職活動中に源泉徴収票をもらう方法やタイミングは?

転職活動中に「給与所得の源泉徴収票」をもらう方法やタイミングですが、「給与所得の源泉徴収票」は、通常、12月の給与が確定した時点に勤めている企業から受け取ることができます。年末調整も済んだ後ですので、通常は12月末か1月にもらえるでしょう。
 
しかし、年の途中で退職する際は、その時点で勤めていた企業から発行されることになります。最後の給与が確定した時点で発行可能ですが、たいていは最後の給与の給与明細と一緒に郵送で送られてきたり、手渡しされたりすることが多いです。
 
ちなみに所得税法第226条によると、通常は翌年の1月31日まで、退職時は退職日から1ヶ月以内に「給与所得の源泉徴収票」を交付することが義務付けられています。    
 

転職活動中に源泉徴収票がもらえなかった場合の対処法は?

転職活動中に「給与所得の源泉徴収票」がもらえないことが残念ながらあります。その場合は、税務署や労働基準監督署に相談する旨を伝えてください。たいていはそのようにすると発行してくれます。
 
しかし、それでも発行してくれなかったり、すでに倒産してしまって請求できなかったりする場合もあるでしょう。その場合は、税務署に行って、「源泉徴収票不交付の届出書」を提出します。この書類を提出した場合、給与明細があなたの所得を証明するものになります。ですから給与明細もしっかりと保管しておきましょう。
 

まとめ

転職活動中に提出が求められる源泉徴収票についてお伝えしました。一般的にいう源泉徴収票とは、「給与所得の源泉徴収票」のことです。通常は年末調整のために発行されるものです。
 
応募中の企業から「給与所得の源泉徴収票」を求められるのは、あなたの給与を知りたいためですから、提出しなくても問題ありません。
 
ただし、内定後、入社が決まった段階で「給与所得の源泉徴収票」を求めてくるのは年末調整のためです。自分で確定申告するのは手間がかかりますので速やかに提出しましょう。
 
監修:堺孝善
人事組織コンサルタント、国家資格キャリアコンサルタント、早稲田大学大学院経営管理研究科(MBA)