更新日: 2022.07.09 クレカ

税金をクレジットカードで支払うメリットってどんなもの? 注意点や支払方法も解説

税金をクレジットカードで支払うメリットってどんなもの? 注意点や支払方法も解説
街中での支払いだけでなく、インターネットで買い物をする際など今やなくてはならないクレジットカードですが、税金の支払い(納付)にも利用できることをご存じですか?
 
税金をクレジットカードで支払うメリットや注意点について解説します。
小山英斗

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

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どんな税金をクレジットカードで支払える?

税金には国に納める「国税」と、住んでいる都道府県や市区町村といった自治体に納める「地方税」があります。
 
以前は一部の地方税で利用可能だったクレジットカードでの税金の支払い(クレジットカード納付)ですが、今では国税もクレジットカードで支払うことが可能となりました。
 
国税のクレジットカード払いについては全国どこでも同じ扱いですが、地方税については自治体により納付可能なものが異なります。
 

クレジットカード払いが可能な国税

2022年6月現在、以下の国税がクレジットカードでの支払いが可能となっています。
 

申告所得税および復興特別所得税 消費税および地方消費税
法人税(連結納税を含む) 地方法人税(連結納税を含む)
相続税 贈与税
源泉所得税および復興特別所得税 源泉所得税
申告所得税 復興特別法人税(連結納税を含む)
消費税 酒税
たばこ税 たばこ税およびたばこ特別税
石油税 石油石炭税
電源開発促進税 揮発油税および地方道路税
揮発油税および地方揮発油税 石油ガス税
航空機燃料税 登録免許税(告知分のみ)
自動車重量税(告知分のみ) 印紙税

※国税庁 「クレジットカード納付のQ&A」より筆者作成
※上記に加えて附帯税(加算税、延滞税など)、および附帯税のみの納付も可能です。
 
クレジットカード払いが可能な国税は、納付書で手続きできるものとなります。印紙を貼り付けて納付する場合などは、クレジットカード払いはできません。
 

クレジットカード払いが可能な地方税

地方税については、自治体ごとの納税システムの整備状況などにより、クレジットカードでの税金の支払いの対応が異なってきます。
例として東京都や横浜市の場合、以下の税金についてクレジットカード払いに対応しています。
 
■東京都

自動車税種別割 固定資産税・都市計画税(23区内のみ)
固定資産税(償却資産)(23区内のみ) 不動産取得税
個人事業税 鉱区税
自動車税 その他(法人都民税・法人事業税など)

※「都税 クレジットカードお支払サイト」より筆者作成
※「その他」の法人都民税、法人事業税、自動車税環境性能割、ゴルフ場利用税などをクレジットカードで支払う場合、都税事務所などで発行した「納付番号」「確認番号」「納付区分」の記載がある納付書が必要となります。
 
■横浜市

個人市民税・県民税(普通徴収分) 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
固定資産税(償却資産) 軽自動車税(種別割)

※横浜市税 納付サイト 「納付手続きの前に」より筆者作成
 

税金をクレジットカードで支払うメリット

税金の支払いにクレジットカードを利用するメリットには、以下のようなものがあります。
 

時間を節約できる

インターネットが利用できる環境であれば、24時間、いつでもクレジットカードで税金の支払いが可能です。
 
市区町村役場や金融機関の窓口での支払いには、平日の日中といった時間の制約があったりしますが、クレジットカード払いは納付のための移動時間も節約することができます。
 

手元に現金がなくても支払いができる

クレジットカード払いを利用すれば、納税のために現金を持ち歩かなくて済みます。
 
また、納付期限までに現金を用意できないときでも、クレジットカードで支払いを済ませておくことで、カード決済の引き落とし日まで猶予ができます。
 

家計の管理に利用できる

クレジットカードを利用した際には、利用明細が作成されます。税金もクレジットカード払いにすることで、いつ、どのような税金を支払ったのか利用明細に記載されます。
 
普段から光熱費の支払いや買い物でクレジットカードを利用している場合、家計の管理において税金の支払いも利用明細で一元管理できます。
 

ポイントが貯まる

多くのクレジットカードでは利用時に貯まるポイントも魅力の1つで、税金の支払いにクレジットカードを利用することでもポイントが貯まります。
 
ただし、一部のクレジットカードでは税金の支払いがポイント付与の対象とならない場合がありますので、事前に確認するようにしましょう。
 

分割払いが利用できることも

クレジットカードで税金を支払った場合、カード会社によっては後から支払い方法を分割払いやリボ払いに変更できるケースがあります。
 
利用金額が多く、一度に引き落としされるのが厳しいときに、支払回数を変更できるのは助かるでしょう。
 

クレジットカード払いを利用する際の注意点

税金の支払いにクレジットカードを利用する場合、いくつかの注意点もあります。
 

手数料がかかる

クレジットカードを税金の支払いに利用する際には、納付税額に応じて以下の決済手数料がかかります。クレジットカードは時間の節約やポイントが貯まるといったメリットがありますが、そのメリットに見合った手数料であるかは検討するようにしましょう。
 
■国税の場合

納付税額 決済手数料(税込)
1円~1万円 83円
1万円超~2万円 167円
2万円超~3万円 250円
3万円超~4万円 334円
4万円超~5万円 418円

※国税庁 「クレジットカード納付のQ&A」より筆者作成
※5万円以降も1万円を超えるごとに決済手数料が加算
 
■東京都の場合
納付税額1万円ごとに73円(税別)が決済手数料として加算されます。
 
■横浜市の場合
納付税額1万円ごとに100円(税別)が決済手数料として加算されます。ただし、5000円以内の場合、手数料は50円(税別)です。
 

領収書が発行されない

クレジットカードで税金を支払った場合、領収書は発行されません。支払った内容については、クレジットカード会社が作成する利用明細で確認することになります。なお、領収書は発行されませんが、納税証明書は発行可能な場合があります。
 

必ずしもクレジットカードが利用できるわけではない

税金の支払いにクレジットカードが利用できる自治体も増えてきてはいますが、すべての自治体が対応しているとは限りません。また、利用できても対象の税金が限定されていることもあります。利用を検討する際には、あらかじめ自治体のWebサイトなどで確認するようにしましょう。
 

手続きの取り消しができない

クレジットカードでの支払いが一度完了すると、その取り消しをすることはできません。間違えて税金を多く支払った場合などは、税務署で還付手続きが必要になります。また、一度支払った決済手数料も返金されません。
 

支払いのたびに手続きが必要

クレジットカードでの税金の支払いは、継続的な支払い手続きとはなりません。一度クレジットカードでの手続きを行ったからといって、次回以降も自動的にクレジットカードから税金の引き落としがされるわけではなく、その都度、支払手続きを行う必要があります。
 

クレジットカードでの納付方法

クレジットカードで税金の支払いを行いたいときは、専用サイトを利用することになります。国税の場合は「国税クレジットカードお支払サイト」、地方税の場合は自治体ごとのクレジットカード支払サイトで手続きを行います。
 

まとめ

税金のクレジットカード納付について不明点がある場合、国税については国税庁Webサイト、地方税であれば各自治体のWebサイトで事前に確認してください。
 

出典

国税庁 クレジットカード納付のQ&A
都税 クレジットカードお支払サイト

横浜市税 納付サイト 納付手続きの前に

 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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