更新日: 2024.01.24 融資

フリーランスの平均年収ってどのくらい? 職種別の動向や年収アップのための方法をご紹介

フリーランスの平均年収ってどのくらい? 職種別の動向や年収アップのための方法をご紹介
フリーランスは職場環境や人間関係など企業に属していると逃れられないストレスから解放された、自由な生活のイメージが強い働き方です。
 
フリーランスは1つの企業に属す必要がなく、労働時間や収入は会社員よりも自由になる点が大きなメリットです。その反面、仕事は自身で見つけなくてはならず、知識やスキルがなければ年収も上がらないため、フリーランスとして働くことが必ずしも楽とはいえません。
 
一方で、業界の平均年収が高い職種も多く、すでに会社員としての経験が長く、ある程度のスキルも備わっている方であれば、フリーランスで働く方が年収も上がり自由な時間を作りやすいともいえるでしょう。
本記事では、「これからフリーランスになりたい方向け」に、平均年収が高い職種や年収を上げるための方法を紹介します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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フリーランスとは

フリーランスとは、「会社に所属せずに個人で仕事を探す働き方」を指します。
フリーランスに明確な定義はなく、個人事業主としてさまざまな企業から仕事を受注する一般的なフリーランスや、会社に所属しながら副業で案件を受ける副業フリーランスも存在します。

育児や介護などで長時間外に出られない方も、リモートワークが可能な職種であれば空いた時間で仕事ができるため、フリーランスはしっかり稼ぎたい方のみでなく家計の手助けをしたい方にも向いている働き方です。

フリーランスと個人事業主との違い

フリーランスと個人事業主は同じように扱われることが多いですが、個人事業主は個人が税務署に開業届を出したら名乗れる税務上の呼び方です

フリーランスは働き方を指した言葉になるため、個人で独立しさまざまな案件を受けている方は、個人事業主としてフリーランスの働き方をしているといえるでしょう。

フリーランスの職種別平均年収

フリーランスは業務時間の決まりがなく、案件をこなせばその分年収が上がります。自身のスキルを磨いて現在よりもさらに収入を上げたいという向上心のある方であれば、業種の平均年収を超えることも可能です。

国税庁の令和3年分「民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した方の平均給与は443万円でした。フリーランスで活動する場合は、案件の獲得や作業量によってこの平均給与を大きく上回れます。

今回は、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が公開した「フリーランス白書2023」や、正社員やフリーターのみでなく、フリーランスの応募も可能な求人サイト「求人ボックス給与ナビ」に掲載されている、職種ごとの平均年収を基にそれぞれの年収をチェックしていきましょう。

まずはフリーランスで人気の職種の平均年収をチェックして、自身の年収と比べてみてください。

フリーランスのITエンジニアの平均年収

フリーランス協会が公開した「フリーランス白書2023」では、ITエンジニアや技術開発系の年収は約8割が400万円以上でした。

フリーランスのITエンジニアとして活動している方が自身で意識している時間単価については、1時間で3000円から4000円以上の収入になっていると考える方の割合が一番多く、1000円未満は0%の回答です。

一方で、時給5000円以上の収入になっていると考える方も全体の1割ほどで、フリーランスとして活動するにあたり、かなりの収入が期待できる職種といえます。

フリーランスエンジニアは現在も増加傾向にありますが、これは企業からの需要も同じく増加しているといえます。人気の職種だからこそ、スキルや経験による差別化を図り、希少な存在になることが年収を上げる方法ともいえるでしょう。

求人ボックス給与ナビのITエンジニアの平均年収は正社員で480万円、派遣社員の平均時給が2292円と、一般的な会社員の年収よりも少し高めな結果です。給与幅は350万円から1000万円を超える案件もあり、知識やスキルのある方ほど年収を伸ばせる職種であることが分かります。

ITエンジニアに特化したフリーランス向けのエージェントサービスも多く、すでにITエンジニアとしての経歴があり同じ業種でフリーランスとして働きたい方は高収入を目指せるでしょう。

フリーランスのプログラマーの平均年収

プログラマーもITエンジニアと同じく専門性の高い職種であり、企業で働いたのちにフリーランスとして独立する方法が一般的です。

現在はプログラミングを無料で学べる場も増えましたが、未経験からフリーランスのプログラマーになるには、有料の講座やスクールに通う経験が必須ともいえるほど、人気の高い業種です。

求人ボックス給与ナビのプログラマーの平均年収は338万円で、日本の平均年収より少々低い傾向にあります。派遣社員の平均時給が2197円、アルバイトやパートでは1198円と正社員以外の年収も比較的低く、雇用契約を結ぶ場合は収入の伸び悩みも予想される職種です。

しかし検索条件に「ゲームエンジン」やプログラミング言語の1つである「Python」を追加すると、年収が平均よりも40%~69%程度上がるため、スキルや経験によって大きく差が出る職種ともいえます。

年収アップを目指すのであれば需要の高い言語の習得やマネジメントスキルを伸ばすなどの対策を続ける必要があります。プログラマーは個人事業主向けの案件募集が多い分野でもあるため、その中でも自身に適した案件をピックアップしてスキルや経歴を売り込んでいきましょう。

フリーランスの士業の平均年収

「士業」とは弁護士や司法書士など、語尾に「士」の付く職種が当てはまります。法律の知識を利用する内容がほとんどで、専門的かつ資格取得の難易度の高さから、年収も比較的高い分野といわれています。

これまでに士業と関わりのない職業の方が、これから弁護士や税理士を目指すことは簡単ではありません。ただし士業の中でも社会保険労務士や行政書士は上記に比べると比較的資格取得を目指しやすく、独立後の年収も伸ばせる業種といえるでしょう。

例えば比較的取得しやすい行政書士の資格を活かして働く場合の平均年収は、30歳から34歳で約418万円といわれています。しかし、開業する場合は顧客獲得のための営業が必須になるため、営業が苦手な方はさらに下がることが予想されます。一方で、前職で営業の経験があったり、士業の人間関係が構築されていたりなどのプラス要素があれば成功しやすいといえるでしょう。

また資格を活かして事務所に勤めることも可能ですが、士業は独立系の資格ともいわれています。雇われるよりも個人事業主として開業するために資格取得を目指す方も多く、フリーランス向きの仕事といえるでしょう。

フリーランスのWebデザイナーの平均年収

「Webデザイナー」はスキマ時間でも働きやすい職種であり、副業としても取り組みやすく、まとまった時間が取れない方にもおすすめな職種です。稼働時間を延ばしたり高額な案件を継続して獲得したりなどの工夫で、会社に所属しないフリーランスの働き方でも高収入を目指せます。

求人ボックス給料ナビでは、Webデザイナーの平均年収は340万円、派遣社員の平均時給は1990円、アルバイト・パートでは1192円が平均時給と、ほかの専門スキルが必要になる職種より低めの傾向にあります。

一方で、未経験でも応募可能といった条件でもヒットしやすく、まず正社員として経験を積んでからフリーランスとして独立することも可能な職種です。

フリーランス白書2023では、クリエイティブ・Web・フォト系の職種では年収400万円未満が52.2%、400万円以上が46.9%となりました。自身で意識する時間単価では、27.7%の回答者が2000円~3000円程度の時給で働いていることが分かります。

エンジニアやコンサルティング系よりは年収が多少低めですが、通訳翻訳系や出版・メディア系よりは高い傾向にあります。

フリーランスのWebライターの平均年収

「Webライター」とはWeb上に掲載される文章を執筆する職種です。多くの方の目に入るようにSEOを意識する点は共通ですが、専門性の高い文章や分かりやすく、かみ砕かれた文章など、掲載媒体によって内容や文体は大きく異なります。

求人ボックス給料ナビでは正社員のライターが平均年収339万円、派遣社員の平均時給が1594円、アルバイト・パートの平均時給が1191円で、Webデザイナーと同じく別業種と比較すると少々低い傾向にあります。検索欄に「介護」や「医師」をつけると年収が32%~58%程度上がるため、以前働いていた業種に関する記事を担当する場合は高年収が狙えます。

クラウドソーシングサイトにはフリーランス向けの案件も多く掲載されていますが、未経験の場合は文字単価0.3円や0.5円の案件が多く、執筆に慣れないうちは最低賃金を下回ることもあるでしょう。慣れてくれば文字単価1円以上の経験者向け案件にも応募できるようになるため、副業からのスタートをおすすめします。

WebライターもWebデザイナーと同じくスキマ時間に取り組みやすい業務であり、副業にも人気が高い職種の1つです。未経験でも稼ぎやすいことから、最初の年収は低い傾向にあるものの、経験を積み重ねて文字単価も高く成長しやすい業種といえるでしょう。

フリーランスのコンサルタントの平均年収

「コンサルタント」とは、企業の課題を解決したり戦略を練る際に立案や相談役になる業務であり、自身の経験や知識を活かして企業の成長を支援する業務です。

コンサルタントは資格や経歴がなくても名乗れますが、実際にフリーランスのコンサルタントとして働くうえでは特別な経歴やスキルがなければ仕事の獲得が難しいといえます。

フリーランス白書2023でもコンサルティング系はエンジニア・技術開発系に次ぐ年収の高さであり、67人中51人が400万円以上の年収であると回答しました。加えて自身が意識している時間単価については、67人中34.3%が1万円以上と回答しており、実働時間が短くても高年収を目指せる職種であることが分かります。

しかし、求人ボックス給料ナビではコンサルタントの平均年収は409万円であり、特別年収が高いとはいえません。本来高収入を目指せる業種でも、雇われる場合は、一般的な年収で収まります。

そのためコンサルタントとして働きたい方は、雇われるよりもフリーランスとして独立したほうが年収も上がり自由時間も作りやすいといえるでしょう。

フリーランスのコンサルタントの仕事獲得方法は自身を企業に売り込んだり、経歴を見て企業が依頼したりなどが主ですので、営業力など、様々な力が必要となります。

フリーランスの通訳者・翻訳者の平均年収

通訳者や翻訳者は、日本語で書かれたものを外国語に訳したり、反対に外国で書かれたものを日本語で訳すといった、特定の語学のスペシャリストと呼べる職業です。

契約書やマニュアルを翻訳する「産業翻訳」や、小説やビジネス書などの本を翻訳する「出版翻訳」など、内容によりさまざまな分野に分かれます。

フリーランス白書2023では、通訳・翻訳系のフリーランスの収入は400万円以上ある方が62人のうち25人、それ以下の方が36人という結果になりました。求人ボックス給与ナビでは通訳の仕事で正社員になる場合の平均年収は387万円でした。

専門性が高い仕事であるにもかかわらず平均年収が低めなのは、通訳や翻訳は空いた時間に取り組みやすい職種の1つであることが理由に挙げられます。語学スキルがあれば空いた時間に取り組める短時間の案件も多く、世帯全体の収入を担う必要がない方からも人気です。

現在は精度の高いAI翻訳も発達しており、翻訳や通訳の仕事の将来性が心配になるところですが、正確な単語のみで翻訳するのではなく、人に分かりやすく訳すことが翻訳の仕事でもあります。そのため人間がおこなう通訳や翻訳は将来性が薄い仕事とはいえないかもしれません。一方でただ単純に訳すのみのスキルである場合はAIでも可能とされ、仕事が減ってしまう可能性があります。

翻訳や通訳の仕事で収入を上げるには、専門分野の翻訳に挑戦したり、AIができないような言葉を選び翻訳するなど、人間ならではの翻訳ができることが必要です。

フリーランスのインフルエンサーの平均年収

インフルエンサーとは、芸能人のほかにもSNSや動画サイトで影響力のあるアカウントを指し、企業からの広告料やアフィリエイト報酬を主な収入とする職種です。

平均的な年収は公開されていませんが、フリーランスのインフルエンサーとして活躍する場合、今回紹介した職種の中で最も収入が不安定な仕事の1つといえます。

アカウントが有名になるまでは、企業からの案件も紹介されないため、ある程度のフォロワー数が獲得できてから本格的にインフルエンサーとして稼働する流れになり、最初は副業の規模で取り組まなければ、生活費を確保することも難しい職種です。

アカウントが有名になれば、自身で案件を探さずとも、企業からの依頼を受けることで、高単価な広告収入を得られます。そのため、開始当初は年収が100万円未満でも、案件を得られるようになれば200万円以上になり、アフィリエイト収入やオリジナルグッズ販売まで手が伸びれば1000万円を超える高収入も目指せるでしょう。

専門的な分野で活躍するフリーランスの平均年収

フリーランスとして働くようになれば、正社員のようにさまざまな仕事が振られることもなく、自身が得意な仕事のみを選別して受けることも可能です。

1つの分野を突き詰めてさらにスキルを高め、高額な案件を獲得できるようになれば、1年を通じて勤務した方の平均給与である443万円も超えられるでしょう。

特に、エンジニア・技術開発系の職種や士業など専門性の高い分野で活躍するフリーランスは、未経験から始めやすい職種よりも高い年収を保っており、正社員と同じく年齢とともに年収も上がりやすいといえます。

個人事業主として独立開業しているフリーランスの平均年収

フリーランス白書2023では、回答したフリーランス850人の年収は200万円未満が19.5%、200万円~400万円が27.9%、400万円から600万円が20.9%、600万円以上の年収が30.2%でした。(未回答が1.4%)

この情報のみでは、フリーランス全般での話になりますので、本業だけではなく副業としての収入である可能性もありますが、回答数838人の中では、収入のうちフリーランスで得た報酬がすべてという方が76.5%と7割を超えており、フリーランスの働き方のみで生計を立てている方が多いことが分かります。

業種によって年収が異なりますが、フリーランスで開業している場合は、エンジニア・技術開発系は年収400万円以上が77%、コンサルティング系は76.1%と高い割合です。

副業で活動するフリーランスの平均年収

企業に正社員として勤めている方でも、フリーランスとして限られた時間の中で収入を得ている方も多いです。正社員として働いているため、まとまった時間が取れない方がほとんどですので、独立開業しているフリーランスよりも自然と収入も下がります。

例えば未経験でも参入しやすく空いた時間でできるWebライターは、文字単価0.1円と相場より報酬が低い案件も見られます。単価が低い案件を続けると短い時間で働いても最低賃金を下回り、収入面でも精神面でも続けることが難しくなります。

しかしまとまった時間の取れない方でも、自身の経験を活かした質のよい記事を書ける場合は、文字単価も3円以上で募集している案件も珍しくありません。1日3時間や4時間の稼働といった副業フリーランスとして活動したい方は、まず最低賃金を上回れるような案件を優先的に応募しましょう。

フリーランスになるメリットとは

(1)好きな時間に仕事ができる

(2)苦手な分野の仕事は断れる

(3)仕事を受けた分収入になる

フリーランスになるメリット(1)好きな時間に仕事ができる

フリーランスは1つのオフィスで仕事をするのではなく、基本的にどこでも仕事ができる自由さがメリットです。起きる時間を制限されることもありません。

リモート作業がメインとなる職種は住む地域によって報酬額が変わることも少なく、好きな場所で際限なく続けられるため、金銭的にも精神的にも余裕が生まれやすい働き方といえるでしょう。

フリーランスになるメリット(2)苦手な分野の仕事は断れる

苦手な仕事は断ることも可能で、得意なことを収入にできます。また、フリーランスは本来企業と対等な関係であるため、正社員で勤めるように上司と部下の関係がなく、人間関係のストレスが溜まりにくく健康的に働けます。

フリーランスになるメリット(3)仕事を受けた分収入になる

働いた分だけ収入になり、自身で高単価の案件を見つければさらに収入も上がるでしょう。フリーランスとしての経験を積めば、企業側から業務委託のスカウトが届くこともあります。

フリーランスになるデメリットとは

(1)収入が不安定

(2)事務作業や経理の負担

(3)社会的信用が低い

フリーランスになるデメリット(1)収入が不安定

フリーランスになる最大のデメリットは、収入が不安定だということです。仕事を受けたとしても、その案件が終われば別の仕事を受けたり、新たな取引先を見つけたりなど、率先して仕事を見つけにいかなくてはなりません。

これまで培ってきた知識や経歴が活かせる業種であれば最初から高収入を目指せますが、未経験でも応募できる職種は特に単価が低く、経験を積むまで、低収入になるケースも考えられます。

フリーランス白書2023でも、会社員時代から収入が上がった方は821人中377人で、収入が減った方は338人でした。(収入が変わらないが106人)そのため必ずしも収入が上がるというわけではありませんが、満足度があがってと回答した人は、821人中687人と半数以上で、働く時間が減ったと回答した人は、821人中508人という結果になりました。

フリーランスになっても必ず年収が上がるとは限らない点はデメリットですが、実際にフリーランスとして活動している方は自由な環境で働けるようになっているため、満足度が上がる点は大きなメリットといえます。

フリーランスになるデメリット(2)事務作業や経理の負担

業務以外の面でも、事務作業や確定申告も自身でおこなう必要があり、業務以外の作業が増えるだけでなく、社会保険料も全額負担となり金銭的にも会社員より負担が重くなります。

フリーランスになるデメリット(3)社会的信用が低い

フリーランスは企業に勤める方よりも社会的信用が低く、ローンに通りにくいともいわれています。フリーランスは税法上、個人事業主とされるため、個人事業主としての経歴が長く安定した収入を証明できれば解決できる可能性が高くなります。

フリーランスで年収を上げる方法6選

フリーランスは自身が案件を獲得し、より多くの仕事をこなした分収入が上がる働き方です。しかし稼働時間が長くても単価の低い案件を多く受けていると、働いてもなかなか収入が上がりません。今回はフリーランスの方が収入を上げる方法を6つ紹介します。

フリーランスが年収アップする方法1:平均年収が高い業種を選ぶ

これからフリーランスとして働き始める方は、平均年収が高い職種を目指すことをおすすめします。

例えば単純作業のような案件は、あまり労力がかからない点で、副業としてはおすすめですが、継続してもフリーランスとしてのスキルアップは難しく、将来性が不安定であり、多くの人が取り組めることから単価も安い傾向にあるので、本業にはおすすめできません。

案件1つひとつが高額で平均年収も高い傾向にあるエンジニアやプログラマーなどを目指すことで、年収そのものを上げることができるでしょう。いざ高単価の案件に挑戦しても知識不足で納品できなかったという事態を防ぐために、先に経験を積みスキルを高める必要があります。

また、平均年収が高い士業の中でも、社会保険労務士や行政書士であれば企業に勤めながら取得しやすい資格であるため、専門知識で収入を安定させたい場合は、フリーランスとして働く前に資格取得を目指してみるのも年収を上げる方法の1つです。

フリーランスが年収アップする方法2:スキルアップを目指す

フリーランス白書2023によると、フリーランスと企業を仲介する業者は、フリーランスに対して市場価値を正しく理解し、適正価格で取引できるための知識を求めていることが分かります。

フリーランスとして独立し、案件を獲得できるようになってからも、スキルアップを心がけることが年収を上げるポイントといえるでしょう。

はじめのうちはフリーランスとしての仕事に慣れることが重要ですが、収入が安定してきたら勉強する時間を設けて専門性を高めていくことで取り組める案件の幅も広がり、難易度の高い仕事もこなせるようになります。将来性も高まり、同じ職種で長く働くことができるでしょう。

また専門性の高さは単価交渉の材料にもつながります。自身の希少価値が高まった場合は、長期間の案件の場合、途中で資格を取得できた際は、単価交渉するなどの積極性も求められます。

フリーランスが年収アップする方法3:実績を上げる

フリーランスにおいて実績は信頼につながる大切なポイントです。フリーランスになる前の経歴も重要ですが、フリーランスとして仕事を獲得し、さまざまな案件に対応できるスキルが備わっているといった実績も、ほかのフリーランスとの差別化を図る方法の1つです。実績を上げることで高単価の案件も受注でき、それがまた実績になってさらに高収入を目指せるでしょう。

最初は単価の低い案件しか受注できないこともありますが、実績を上げスキルを磨くことで自由なフリーランスの働き方を目指せます。英会話や、例えば塾、趣味の分野を教えるオンラインレッスンの講師であれば、最初は生徒をマンツーマンで教えて、実績を重ねればグループのレッスンを受け持ったり、さらに動画配信サイトやSNSの運用で集客するといった収入アップの方法も挙げられます。

大勢の方に活動を知ってもらうためには会社員時代やフリーランスとしての経歴が重要になるため、まずは経験を積み重ねつつ案件をこなしていくことが大切です。

またフリーランス白書2023では、850人中600人が直近1年で知人や過去の職場からの紹介で仕事獲得につながったと回答しました。フリーランスとしての実績が高ければ「この人ならば紹介してもよい」と思われて、信頼度も上がるでしょう。

フリーランスが年収アップする方法4:エージェントを利用する

自身で案件に応募するのではなく、希望にあわせて案件を紹介してくれるエージェントに任せる方法も年収を上げる方法の1つです。

フリーランス白書2023によれば、エージェントサービスを利用したことによる仕事獲得があった方は850人中219人と25.8%の割合でした。最も収入が得られる仕事の獲得経路で、エージェントを選ぶ方も850人中105人となっており、案件の獲得に有効活用すべきサービスということが分かります。1種類のサイトに登録するのではなく2~3種類を厳選して登録することで、より自身に合った案件を見つけることができるでしょう。

フリーランス専門のエージェントの中でも、在宅かつ高単価な案件に強かったり、IT関連の仕事が豊富だったりなど、それぞれのサービスごとに特徴があります。特に、フリーランスとして活動を始めたばかりの方は、良質な案件を見つけるのも難しく、相場よりも低い案件に応募してしまう可能性もあります。

まずは取り組みたい業種の案件が多いエージェントに登録して、現在の経歴やスキルでどのような案件が紹介されるのか試してみるのもおすすめです。

フリーランスが年収アップする方法5:稼働時間を上げる

フリーランスは案件をこなした分だけ収入になる働き方です。会社員であっても働けば残業代として収入は上がりますが、フリーランスには定時がないため、稼働時間を延ばしてスキルや経験を積むことが可能です。

フリーランスになりたての頃は高額な案件が見つからず、報酬の低い仕事に時間をかけて取り組むこともあるでしょう。慣れてくれば、仕事の時間を確保して効率よく案件をこなしていく必要があります。

また、いつでも好きな時間に働けることがフリーランスの魅力ですが、本業をフリーランスとしている方は、休んだ分は別の日に働くことも大切です。しかし働きすぎにより体を壊してしまうと、収入が一気に無くなってしまう可能性があります。自身が働ける時間を理解することがフリーランスにとって重要なポイントといえるでしょう。

フリーランスが年収アップする方法6:長期の案件を獲得する

フリーランスは1つの企業から仕事を継続して受注したり、さまざまな取引先から仕事をもらったりなど、個人それぞれの働き方があります。取引先が少ないと企業から契約を切られてしまうリスクはデメリットになりますが、収入を上げるには複数の企業に応募するよりも1、2社の企業から長期的に仕事を受注するほうが収入が安定しやすくなります。

特に、フリーランスとして働き始めたばかりの頃は、少しでも収入を上げるために、さまざまな案件に応募してしまうこともありがちですが、案件ごとにルールやレギュレーションも異なりスケジュール管理も難しくなるため、まずは1つの案件を終えて自身が現在稼働できる時間を考えつつ受注することがおすすめです。

フリーランスの平均年収まとめ

フリーランスは職種や経験、スキル次第で民間の平均年収を超えられる働き方です。フリーランスとして働く際の年収を上げるには、業界の平均年収が高いITエンジニアやプログラマーを目指したり、フリーランスになる前にスキルや実績を磨いたりなど、さまざまな方法があります。

仕事は会社員のように自動で振り分けられませんが、自身で単価の高い案件を見つけたり、エージェントに自身に合う案件を紹介してもらうなど、希望に合った仕事を見つけやすい働き方でもあります。

職場環境や、頑張っても上がらない収入に悩まされることもないため、自由な働き方を目指す方は、まず自身が目指す職種がどの程度の報酬で発注されているか、ぜひチェックしてみてください。

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 フリーランス白書2023
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