公開日:2019.09.30 家計

季節性うつ病を発症して出社できない。こんな時、収入はどうなる?

うつ病には季節性のうつ病というものがあり、特に秋から冬にかけて発症するケースが多いようです(※1)。ここでは、仮にうつ病を発症し、会社を休むことになった時に、収入を補う制度について解説します。
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

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辻章嗣

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執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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休養を取るため仕事を休んだ場合、収入はどうなるの?

うつ病に罹患した場合は、適切な治療を受けるとともに休養を取ることが大切です。この際、休養を取るために会社を休むことが必要になる場合があります。

この場合、有給休暇を除き、病気休暇や休業すると給与が支払われなくなることがあります。それでは、給与の支払いが滞ると収入は途絶えるのでしょうか?

会社員であれば、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために会社が加入している健康保険組合から傷病手当金が支給されます。
 
《傷病手当金の支給要件》
傷病手当金が支給されるためには、以下の条件を全て満たす必要があります。
 

 
《待期3日の考え方》
上記の「待期3日」の考え方は、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。したがって、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含み仕事を休んだ日が連続して3日あることが必要です。また、就労時間中に業務外の事由で発生した病気やけがについて仕事に就くことができない状態となった日は、待期の初日として起算することができます。
 

 
《支給される期間》
傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から最長1年6ヶ月です。ただこの最長1年6ヶ月には、一度職場復帰した期間も含まれます。例えば、仕事を休んで職場復帰し、再度仕事を休まなければならなくなった場合、職場復帰していた期間も含まれます。そのため再度仕事を休む場合、支給を開始した日から1年6ヶ月が経っていれば、傷病手当金は受給できないということになります。
 

 
《傷病手当金の額》
傷病手当金の日額は、下式の通り概ね給与日額の3分の2になります。
 

 
なお、支給開始日において健康保険組合の加入期間が12ヶ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して算出します。
 
(1)支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均
(2)標準報酬額の平均額(令和元年度は30万円)
 
《傷病手当金の請求先》
傷病手当金の請求先は健康保険組合になりますが、在勤中は勤務先を通じて行うことになります。

休養中に会社を辞めたらどうなるの?

病状が回復せず、やむを得ず傷病手当金を受給中に退職した場合、退職日の前日までで健康保険の被保険者期間が1年以上ある場合は、退職後も傷病手当金は支給されます。
 
ただし、退職後に仕事に就くことができる状態になった場合は、その後仕事ができない状態になったとしても傷病手当金は支給されません。
 

 
なお、雇用保険の基本手当(失業手当)は、病気で就職できない状態にある場合には支給条件を満たしませんので、傷病手当金受給中や就業不可能な期間は支給されません(※3)。

うつ病が治らなかったらどうなるの?

それでは、傷病手当金の対象となる1年6ヶ月が経過しても、うつ病が治らず職場復帰できないか、退職せざるを得なくなった場合の収入はどのようになるのでしょうか。
 
社会人であった人が、在職中にうつ病を発症して1年6ヶ月を経過しても精神的障害が残る場合は、障害年金を請求することができます。
 
障害年金は、下図の通り障害基礎年金と障害厚生年金の2階建てになっており、障害の程度に応じて1~3級の障害年金と障害手当金があります。なお、基礎年金には3級と障害手当金はありません。
 

 
《障害年金の受給要件》
障害年金を受給するためには、以下の3つの要件を全て満たさなければなりません。会社員であれば、初診日に加入していたのは厚生年金であり、保険料の納付要件も一般的に満たすものと考えられますので、障害年金申請時の障害の状態が、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していれば障害年金を受給することができます。
 

 
《障害年金の額》
障害年金の額は、下表のとおりとなります。なお、報酬比例の年金額は、給与収入と勤務期間により決まりますが、加入期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。詳細については、勤務先か年金事務所で確認してください。
 

 
《障害年金の請求先》
障害年金の請求先はお近くの年金事務所になります。まずは、年金事務所で手続き等について相談されることをお勧めします。そして、自分自身で申請することが困難な場合は、社会保険労務士に依頼するとよいでしょう。

まとめ

秋から冬にかけて患者が増えるうつ病。その治療のため、仕事を休むことも多くなるかもしれませんが、当面は傷病手当金を受給することで収入を確保し、治療に専念することが肝要です。

そして、傷病手当金の受給期間を経過しても回復しない場合は、障害年金を申請することにより、障害年金を受給しながら無理の無い働き方を選択すると良いでしょう。
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室代表、CFP(R)認定者、社会保険労務士
  
出典
(※1)厚生労働省「心の耳 働く人のためのメンタルヘルス・ポータルサイト」
(※2)全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき」
(※3)ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
(※4)日本年金機構「障害年金」

 

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