更新日: 2024.10.10 家計の見直し
1ヶ月あたりの食費は平均7~8万?1ヶ月の食費はいくらが正しいのか
主婦同士の会話では「毎月、食費いくらかかっているの?」としばしば話題にのぼるほど気になるのが、お隣の食費事情です。そこで、食費の適正水準と節約について考えてみました。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
食費は支出額ではなく、支出割合で考える
2016年総務省家計調査によると、勤労者世帯の1カ月あたりの食費は平均約7万円でした。下記は、その結果を2016年1月から12月の食費に焦点をあてて筆者が編集したものです。
表の中の可処分所得とは、収入から税金、社会保険料を差し引いた、いわゆる手取りです。表中の世帯人員が平均3.4人なので、子どもが1~2人とお父さんお母さんの家庭が多く含まれると想像できます。
この家計調査の結果を見ると、食費は毎月7~8万円となっています。しかし、可処分所得が違えば支出額も違ってくるものです。そのため、家計調査の食費のみを見て、我が家の食費は高い安いと一概に判断はできません。どちらかといえば、金額で判断するより可処分所得に占める食費の割合で判断するほうが、比較方法としては正確です。
また、食費を決定させるものとして、収入が深く関係しているのはもちろんのことですが、世帯人数、世帯の年齢層も深く関係します。お子さんが小学生から中学生で4人家族の場合、私がお会いしたお客さまの中で上手にやりくりしている人は、食費の割合が15〜17%ほどが多いように思います。
食費の節約が不要な月が存在する?
家計調査の1月から12月までの食費を見ると、食費が最も高い月は12月です。12月はクリスマスにお正月にと食費がかさみがちですが、ボーナス月でもあるので収入も多く、実は可処分所得に占める食費の割合は11%と年間で最も低い月なのです。
出費額がふだんより多いため「使いすぎた」という感覚を持つかもしれませんが、12月は最も食費の節約が不要な月といえるのかもしれません。
節約は我慢せず継続可能な方法で
「食費はいくら」の話題の裏側には、「同じくらいの金額ならちょっと安心。でも、多すぎるのなら食費を抑えないといけないかも」という気持ちが隠れています。多すぎるのであれば確かに改善する必要があるでしょう。しかし、食費のうち、お金がかかりすぎている要因が明確でない限り、かなり削らないと節約効果は現れません。あまり削りすぎると節約ストレスによりリバウンドしてしまいます。
節約するなら、まず住宅ローンや通信費、保険の見直しなどの固定費から始めましょう。
一度見直してしまえば必ず支出が減るので効果は大きいですし、無理なく支出を抑えられます。食費は住居費の次に大きな支出項目なので、気になるところではありますが、収入、家族構成、家庭の年齢によって支出額はまったく異なります。
金額だけで判断せず、家計全体を総合的に考えて、我慢しなくても継続できる節約方法を実行していきましょう。
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)認定者