更新日: 2023.05.30 その他家計

【エアコン】1時間あたりの電気代っていくら? 24時間・連日フル稼働だと1ヶ月でいくらになる?

【エアコン】1時間あたりの電気代っていくら? 24時間・連日フル稼働だと1ヶ月でいくらになる?
多くの電力会社が2023年6月分から値上げを予定している中で、電気料金の節約を考えている人も多いでしょう。
 
中でもエアコンは電気代が高いイメージが強い家電のひとつですが、実際にどれくらいの電気料金がかかっているのかを把握している人は少ないのではないでしょうか。
 
本記事ではエアコンの電気代を1時間、1日、24時間フル稼働のそれぞれで試算しました。エアコンの電気代が気になる人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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電気代の算出方法と計算条件

 
エアコンの電気代を計算する前に、電気製品の電気代の基本的な計算方法を解説します。また、同じ電化製品を利用していても、電力会社との契約によって電気代が違うケースもあります。契約による違いに加えて、さらにエアコンと他の家電品との違いもあります。
 
このようなエアコンの電気代に影響する要素についても併せて解説します。
  

電気代は電力会社との契約によって違う

 
電気料金は基本料金に加えて「1時間あたりの消費電力(キロワット:kW)× 使用時間(時間) × 電力料金単価(円)」で決定されます。一般的な電気料金の契約は「従量電灯」と呼ばれていて、いつ使用しても単価が変わらない契約です。
 
しかし、電力会社では従量電灯以外の料金プランを提供しているので、時間帯によって単価を変えることが可能です。
 
例えば、夜間に電気の使用量が多い人に向けた夜間に電気料金単価が低くなるプランや、日中も電気の使用量が多い二世帯・三世帯家族などに向けた、一定の使用電気量以上の電気量料金が低めに設定されたプランなど、電力会社によってさまざまなプランが用意されており、こうしたプランを利用することで電気料金を節約しやすくなるでしょう。
 

電気代算出の計算式

 
一般的に電気料金は下記の計算式で算出します。
 
1時間あたりの消費電力(キロワット:kW)× 使用時間(時間) × 電力料金単価(円)

消費電力は家電品の取扱説明書で確認できます。また、電力料金の単価は自分の契約内容を確認しましょう。
 
なお、全国家庭電気製品公正取引協議会では全国平均の電気料金の単価を31円/kWh(キロワットアワー)と定めています(2023年5月現在)。記事ではこの単価を使用して計算します。
 
この単価で消費電力500Wの家電品を2時間使ったときの電気料金は以下のとおり計算します。
 
0.5kW×2時間×31円kWh=31円
    

エアコンは運転中の消費電力が大きく違う

 
同じ家電品でも、種類によって消費電力を一律に使用するものと、状態によって消費電力が上下するものがあります。エアコンの消費電力は後者ですので、計算式に当てはめるだけでは正確な消費電力は推察できません。
 
エアコンの設定温度と外気温との差が大きいほど、設定温度に到達する時間が長くなります。そして設定温度に到達するとそれ以降は温度を維持するだけでいいので、それほど電力を消費しない状態になります。
 
そのため外気温と設定温度の差も、電気代に大きな影響を及ぼします。例えば、外気温が33度の場合、エアコンの設定温度が25度と21の場合では、21度のほうが設定温度に到達するまでに時間がかかることになります。
 
冷房の場合、エアコンの設定温度をなるべく高くすることは、省エネだけでなく電気代の節約にも役立つのです。
 

エアコン電気代の目安

 
エアコンは家電製品の中でも条件によって消費電力が大きく異なる製品です。そのため、正確にエアコンの電気代を推測するのは難しいといえます。
 
また、冷房と暖房でも消費電力が違うため、冷房・暖房別に、1時間・1日・24時間フル稼働の場合に分けて同じ条件で電気代を算出します。
 
ここで算出する電気代はあくまで目安であって、実際の電気代は居住地域やエアコンの機種、使い方、部屋の広さによって違いがある点にご注意ください。
 

エアコン1時間当たりの電気代目安

  
エアコン1時間当たりの電気代は下記の計算式で算出します。
 
1時間あたりの電気代=消費電力(kWh)×1kWhあたりの電気料金

これを図表1の条件で具体的に計算してみましょう。
 
【図表1】
 

冷房 暖房
消費電力 0.640(0.250~1.260)kWh 0.920(0.290~2.355)kWh
広さの目安 10畳
電気料金単価 全国家庭電気製品公正取引協議会の全国平均の電気料金単価31円/kWhを使用

 
すると、エアコンを1時間使用したときの電気料金は次のとおりです。
 

冷房…1.260kWh×31円/kWh=39.0円
暖房…2.355kWh×31円/kWh=73.0円

 
なお、エアコンを運転してから最大消費電力が1時間継続すると想定して、最大の消費電力で計算しています。参考までに最小の消費電力で計算した場合は以下のとおりです。
 

冷房…0.250kWh×31円/kWh=7.7円
暖房…0.290kWh×31円/kWh=.9円

 

エアコン1日当たりの電気代目安

 
1時間の電気代は最大の消費電力で計算しましたが、1日の電気代はエアコンの特性を考慮して、平均の消費電力を使用します。使用時間別の1日の電気代は以下のとおりです。
 

◆冷房

●8時間……0.640kWh×8時間×31円/kWh=158.7円
●12時間……0.640kWh×12時間×31円/kWh=238.0円
●24時間……0.640kWh×24時間×31円/kWh=476.1円

 

◆暖房

●8時間……0.920kWh×8時間×31円/kWh=228.1円
●12時間……0.920kWh×12時間×31円/kWh=342.2円
●24時間……0.920kWh×24時間×31円/kWh=684.4円

 

24時間フル稼働で1ヶ月のエアコン電気代はいくら?

 
 
エアコンはつけっぱなしにすると電気代が安くなるという話を聞きますが、24時間つけっぱなしで1ヶ月経過するとどれくらいの電気代になるのでしょうか。
 
24時間フル稼働で1ヶ月の電気代は以下のとおりです。
 

冷房……476.1円×30日=1万4283円
暖房……684.4円×30日=2万532円

 

エアコンの電気代は常に一定ではない点に注意

 
1ヶ月のエアコンの電気代について、フル稼働でも安く感じた人もいれば、反対に高く感じた人もいるでしょう。それはエアコンの電気代がさまざまな外部環境から影響を受けるからです。
 
1日の間でも1時間当たりの電気代は大きな差が出ます。エアコンで節電を考える場合は、省エネタイプのエアコンを選ぶだけでなく、外気温度と設定温度の差をなるべく小さくするなどの工夫も必要です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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