更新日: 2024.10.10 その他家計
ガソリン代が12週連続「値上げ」!? 原因と今後の見通しは?
本記事では、ガソリンの価格高騰の理由と今後の見通し、節約方法について解説します。
執筆者:齋藤彩(さいとう あや)
CFP
ガソリン価格は12週連続値上がり
経済産業省の「石油製品価格調査」の結果(2023年8月9日公表)によると、レギュラーガソリンの店頭現金小売価格は180.3円/L、軽油は159.8円/L、灯油は119.3円/L・2148円/18Lといずれも12週連続の値上がりとなっています。都道府県別でみると、47都道府県すべてで値上がりしています。
補助金も9月で終了
2022年1月以降、政府はガソリンなどの燃料価格の高騰を抑えるため、全国平均ガソリン価格が一定以上になった場合に、石油元売り会社に補助金を支給していました。
しかし、原油価格が落ち着いてきたため2023年6月以降、補助を段階的に縮小し、9月末に補助を終了する予定と経済産業省は発表しています。そのため2022年以降、ガソリン価格は補助金により168円前後で推移していましたが、図表1からもわかるように6月以降は徐々に値上がりしています。
図表1
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和補助金 ガソリンの発動効果
2023年10月以降に原油価格が再度高騰した場合、経済産業省は動向を見ながら柔軟に補助金を見直す方針ですが、原油価格に大きな動きはなくても、補助金の引き下げによりガソリン価格の高騰は続きそうです。
ガソリン価格が上がっている理由
ガソリン価格は需要・供給量や原油価格、為替などの影響を受けます。近年では、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことなどから世界的に経済活動が再開していること、ロシアとウクライナの戦争により天然ガスなどの価格が上昇し代替としての需要が高まっていることなどから、石油の需要が増えています。
一方で、サウジアラビアやロシア、アラブ首長国連邦などから構成されるOPECプラスによる石油の減産により供給量が抑えられており、需要と供給のバランスが乱れていることも一因として挙げられます。また、円安で輸入コストがかさむことも影響しています。
日本総合研究所の原油市場展望(2023年8月)によると、OPECプラスによる減産は継続する見通しであることなどから、今後も原油価格は上昇すると予想されています。また、日本においても円安の影響や、政府からの補助金が9月に終了することもあり、しばらくガソリン価格は高止まりする可能性があります。
ガソリン代を節約するポイント
前述のように、ガソリン価格はしばらく高止まりする見通しです。日常品も値上がりしており、家計を圧迫しています。少しでもガソリン代を抑えられるように、ここからは節約のポイントを4つ紹介します。
セルフのガソリンスタンドを利用する
セルフのガソリンスタンドは人件費がかからないため、普通のガソリンスタンドよりも価格が抑えられているケースがあります。手軽にできる節約方法なので、点検などが必要ない場合は活用してみましょう。
クレジットカードを利用する
ガソリンスタンドが発行・提携しているクレジットカードの利用により、ガソリン代が割引になるサービスがあります。また、たまったポイントは支払いやギフトカードと交換、ポイント還元などを受けることも可能です。
車内の荷物を減らす
車体を軽くすることで燃費が良くなり、ガソリン代の節約につながります。週末にゴルフやキャンプなどに行く場合、車内に荷物を入れっぱなしにすることもあるかもしれませんが、こまめに荷物をおろすことでガソリン代を抑えることができます。
適切なメンテナンス
エンジンオイルの劣化に伴いエンジンの回転率が低下し、燃費が悪くなります。定期的にエンジンオイルを交換するようにしましょう。
まとめ
本記事では、ガソリンの価格高騰の理由や今後の見通し、節約方法について解説しました。ガソリン価格はしばらく高止まりする可能性があります。食品などの日常品も値上がりして家計に厳しい状況ですが、ガソリン代を節約できる方法もあります。まだ実践していない人は試してみてはいかがでしょうか。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和補助金
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和事業について
執筆者:齋藤彩
AFP