更新日: 2023.10.05 働き方

手取り15万、会社の給与だけでは暮らせず「居酒屋バイト」をしています。土日や有休の日ですが、副業は違法になりますか?

執筆者 : 平原あかり

手取り15万、会社の給与だけでは暮らせず「居酒屋バイト」をしています。土日や有休の日ですが、副業は違法になりますか?
昨今の物価高騰の中、「毎月の給与額が低くバイトで収入を増やしたい」と考える人もいるのではないでしょうか?
 
本記事では、会社の有給休暇を取った日や土日にバイトすることは違法なのか、どうしても副業をしたい場合にバレない方法はあるのか、について解説します。
平原あかり

執筆者:平原あかり(ひらはら あかり)

社会保険労務士・FP2級

有休日にバイトしても違法ではない

公務員は法律により副業が禁止されていますが、その他の会社員がアルバイトをすることはたとえ有休取得日であろうと違法ではありません。ただし、会社の就業規則で副業が禁止されている場合や、副業が許可制になっているのに許可なくアルバイトをした場合は会社での処罰の対象になる可能性があります。
 
就業規則に違反して副業をした場合、直ちに解雇ということはあまりないですが、収入を増やすためにアルバイトをしたのに逆に降給・降格になってしまう可能性はあります。副業をしたいと思ったら、まずは勤務先の会社の就業規則を確認しましょう。
 

退職前の有休消化中のバイトは?

退職前の有休消化中、「まとまった時間があるし単発のアルバイトをしよう」と考える人もいるでしょう。こちらも法的には問題ありませんが、副業禁止の会社だった場合はアルバイトを行っていたことが発覚すると退職金が減額されたり支給されなくなったりする恐れがあります。
 

副業解禁の流れではあるものの、まだまだ禁止の会社は多い

現在、政府としては副業・兼業を推進しており、コロナ禍での多様な働き方を認める動きも相まって副業解禁の動きが広まってきています。
 
2018年1月改訂以降の厚生労働省・モデル就業規則でも副業・兼業について「許可なく他の会社などの業務に従事しないこと」の文言が削除され、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と規定されています。
 
しかし、実際には副業は禁止、または許可制といいつつ実態としては禁止に近い企業が多数派を占めているのが現状です。
 
経団連の「副業・兼業に関するアンケート調査結果」によると、2022年時点において副業を認めている企業の割合は53.1%。企業規模が小さくなるほど副業を認める企業の割合は低く、従業員100人未満規模の会社では31.6%にとどまっています。
 

副業が絶対バレない方法はある?

会社での処罰のリスクがあってもどうしてもアルバイトをしたい場合、副業がバレにくくなる方法はありますが「絶対にバレない方法」は残念ながらありません。副業がバレる理由でよくあるパターンは次の3つです。
 

(1)住民税の金額でバレる

「住民税の金額で副業がバレる」というパターンは、ご存じの人も多いのではないでしょうか?
 
会社は年に1度、給与支払報告書という「誰に何円の給与を支払ったか」を記載した書類を従業員が住んでいる市区町村に提出することが義務付けられています。これにより、給与の振り込み・手渡しに関係なく収入額が市区町村に把握され住民税の金額が決まります。
 
住民税の通知書が届くのは本業の会社です。「同じくらいの給与水準の従業員と比べて住民税の金額が高すぎる」という理由で本業の会社以外での収入があることがバレてしまいます。
 

(2)アルバイトをしているところを見つかる

居酒屋など接客のアルバイトの場合は単純にアルバイトをしているところを社内の人に見られて副業がバレるということもあります。どうしても接客のアルバイトがしたい場合は会社から遠いお店を選んだ方が良いでしょう。
 

(3)同僚からの告げ口

仲の良い同僚にアルバイトの話をしたら上司に告げ口されてしまった、というパターンも考えられます。
 
告げ口ではなくても、話しているところを聞かれたり、うっかり口が滑ってしまったりということも考えられます。会社にバレたくなかったら、どんなに信頼している同僚であっても、社内の人には副業については話さない方が無難です。
 

副業をしたい場合、まずは就業規則の確認を

上記の通り、アルバイトによる副業がバレる可能性はあります。有給休暇の日であっても副業をすること自体は違法ではありませんが、会社が副業を禁止している場合は罰則を受けるリスクが存在します。副業をしたい場合、まずは会社の就業規則を確認しましょう。
 

出典

厚生労働省労働基準局監督課 令和5年7月版モデル就業規則 

一般社団法人日本経済団体連合会 副業・兼業に関するアンケート調査結果

 
執筆者:平原あかり
社会保険労務士・FP2級

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