離婚したいけど、今後の生活はどうする? あらかじめ考えておきたい「住まい」と「働き方」
配信日: 2023.12.24 更新日: 2024.10.10
そこで、離婚後の生活が成り立つかどうかに大きな影響がある働き方と、住まいについて考え方をお伝えします。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
正社員として働いているか
離婚後は自分の生活費を自分で稼がないと生きていけません。熟年離婚の場合は、扶養の範囲内でしか働いてこなかった人も多いですが、パート収入だけでは生活は成り立ちませんし、何より年金分割しても年金額は少なく、よほどの財産がない限り、老後破綻が現実的になります。
一方、正社員として働いている場合は、生活が成り立つケースの割合が多くなります。それでも、子どもがいる場合は、養育費をいくらもらえるかにもよりますが、余裕のある生活を送れることはまれです。
とはいえ、正社員として働いている場合は、経済的に自立できていますから、比較的若いうちに離婚を決める人が多いように思います。離婚するなら経済的自立は必須です。まずは生活をするために稼ぐ力をつけることです。
住まいの考え方
離婚後の住まいにかかるお金は最も大きな課題の一つです。選択肢は、現在の家に住み続ける、実家に帰る、引っ越して賃貸に住む、新しく家を購入するなどたくさんありますが、注意しておきたいのが、自宅を売り売却資金を財産分与した後に新しくマンション買う場合です。
自宅を売却した資金で新しく家を購入するなら、売却後から新居を購入するまでの仮住まいの住居費がかかります。自宅売却にあたっては査定に出して売却できる相場を知り、そこから仲介手数料約3%がかかる上、場合によっては売却益に対して税金がかかることも忘れてはいけません。
また、購入にあたっては不動産取得税、引っ越し費用、仲介手数料等がかかります。実際自分が手にできるお金で自分が納得できる家を購入できるのか、物件探しをして、その物件にかかる物件価格以外のコストを知る必要があります。管理費や修繕積み立て以外にも固定資産税、火災保険等費用がかかります。
このコストを予想して支払える能力がないなら、マンション購入のシナリオは甘い見通しであるといえるでしょう。
離婚にはお金が必要
離婚後の生活を成り立たせるためには、節約するとしても、お金は必要です。実際に生活が成り立つかどうか一つひとつ細かな確認をして、現実を見た上で判断することが離婚後の貧困を避ける上で大切な作業になります。
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士