わが家は3LDKで「エアコン3台」をつけっぱなし! 40Aの契約だとブレーカーが落ちることがあるけど、「電気契約」はどのくらいの容量が必要?

配信日: 2025.01.17

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わが家は3LDKで「エアコン3台」をつけっぱなし! 40Aの契約だとブレーカーが落ちることがあるけど、「電気契約」はどのくらいの容量が必要?
電子レンジやドライヤーなど、複数の家電製品を同時に使ったときにブレーカーが落ちてしまったという経験がある人も多いのではないでしょうか。以前に比べると、家庭で使用する家電製品の種類や数が増えており、オール電化の住宅も珍しい存在ではなくなりました。
 
特に冬場は暖房機器の使用によって電力消費が集中しやすく、電気容量が不足してブレーカーが落ちやすくなります。そこで今回は、一般家庭で必要な電気容量について解説します。

電気容量(A/アンペア)とは?

家電製品の製品仕様を見ると、「消費電力(W/ワット)」や「電圧(V/ボルト)」などの言葉が並んでいます。
 
そして、電力会社との契約は「電気容量(A/アンペア)」での契約です。いずれも似た言葉で、似た意味を持っているため混乱しがちですが、それぞれ「水道」に例えて説明できます。


・電気容量(A):水道管の太さ
・電圧(V):押し出す力(水圧)
・消費電力(W):実際に使う水の量

水道管が細いと一度に流せる水の量が少ないため、キッチン、お風呂、洗面など、一度に複数の箇所で水を使用すると水圧が下がってしまいます。
 
このように、電気容量が少ないと、一度に複数の家電製品を使ったときに電気の供給量が足りなくなってしまうのです。そのため、家庭で一度に使用する家電製品の数が多いほど、大きな電気容量が必要となります。
 

家電製品に必要な電気容量の目安

家庭用の家電製品で必要とされる電気容量は、次の計算式で求めることができます。
 
電気容量(A)=消費電力(W)÷電圧(V)
 
これをもとに算出した、主な家電製品の必要なアンペア数の一例は図表1の通りです。
 
図表1

図表1

各メーカーの家電製品仕様を参考に計算し作成
 
それぞれの家電製品にどれくらいの電気容量が必要なのかが分かれば、家庭で必要なおおよその電気容量も把握できます。
 
例えば、気温が低い状態から暖房設定のエアコン3台を一気につけると、立ち上がりに特に電気を必要とするため、エアコンだけでも最大60A必要ということになります。温度が安定してくれば、使用する電力量が落ち着き、3台合わせて15Aほどの容量で足りるようになるのです。
 

3LDKの家ならどれくらいの契約アンペアが適切?

3LDKの一軒家の場合、最低でも60A以上の電気契約が望ましいと考えられます。電気容量が60Aあれば、エアコンを3台同時に使いながら(立ち上げ時以外の通常時)、電子レンジなどの調理機器も使えます。
 
このほか、エアコンの立ち上げ時のように電力を大きく消費しないタイミングなら、これと同時にドライヤーを使ってもブレーカーが落ちることはなさそうです。
 
電気契約を見直す場合は、同時に使用する可能性が高い家電製品の、最大電気使用量をもとに必要なアンペア数を計算してみてください。
 
また、近い将来電化製品を増やしたり、在宅ワークで自宅の電気使用量が増えたりする予定がある場合は、80A程度の電気契約にするのが良いかもしれません。なお、一般的に契約アンペア数を上げると、電気の基本料金も増加します。
 
一例として東京電力の電気基本料金は、それぞれ次の通りです(2025年1月時点)。


40A:1247円/月
60A:1870.5円/月

基本料金の差額で月に約620円かかりますが、ブレーカーが落ちることによる不便さを考えると、契約アンペア数を見直す価値はあるのではないでしょうか。
 

ブレーカーが落ちることを防ぐ工夫

契約アンペア数を上げる以外に、今すぐできるブレーカーを落ちにくくする工夫を紹介します。
 
まずは、家電製品を使用する時間をずらしましょう。例えば、エアコンの立ち上げ時に、同時に電子レンジなど消費電力の大きい家電を使わないことが大切です。このほか、洗濯は電力使用の少ない夜間にするなどの工夫もできます。
 
また、もし1箇所のコンセントにタコ足配線や延長コードでプラグ数を増やしているなら、コンセントを家電ごとに分けて使いましょう。コンセント1箇所に流れる電気量は決まっているため、特に消費電力の大きな家電製品を1箇所に複数つなぐとブレーカーが落ちやすくなります。
 

まとめ

家庭で使う家電製品の数や種類が増え、40Aの電気契約では足りないというケースも多いでしょう。
 
特に冬場は暖房機器により電力消費が増えるため、複数のエアコンを同時に使うのであれば60A以上の電気契約が必要なケースがほとんどです。基本料金は数百円上がりますが、ブレーカーが落ちて不便な思いをすることが減ります。
 
また、家電製品の使用は時間をずらす、1箇所のコンセントに家電製品を1つのみ使用することで、ブレーカーが落ちにくくなります。工夫してもブレーカーが落ちる場合は、電気契約の見直しを検討してみてください。
 

出典

東京電力エナジーパートナー 従量電灯B・C
 
執筆者:古澤綾
FP2級

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