実家の母が「福沢諭吉」の1万円札を“100枚以上”タンス預金していた! 大量の“旧札”を貯め込んでおくと使えなくなるって本当!?

配信日: 2025.08.28
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実家の母が「福沢諭吉」の1万円札を“100枚以上”タンス預金していた! 大量の“旧札”を貯め込んでおくと使えなくなるって本当!?
新札が発行されても、手元に現金を置いておきたいなどの理由で旧札のまま「タンス預金」を選択する方もいます。今回の事例では、実家の母親が「福沢諭吉」の1万円札を「100枚以上」タンス預金していたようです。メリットに関しては人それぞれですが、いずれ使えなくなるなどのデメリットはないのでしょうか。
 
本記事では旧札が使えなくなることはないのかに加え、タンス預金の注意点や金額の目安を解説します。
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「新札」が発行されても「旧札」は基本的に引き続き使える

結論から言えば、新札が発行されたからといって、旧札がすぐに使えなくなって困る可能性はまずないでしょう。
 
日本銀行ホームページによれば、「日本銀行では、1885年(明治18年)に日本銀行として初めて銀行券(お札)を発行してから、現在までに56種類の銀行券を発行しています。これらのうち、現在発行している種類のほか、既に発行されなくなった種類を含め、現在、25種類の銀行券が有効です」としています。
 
これらの現行で使用可能な銀行券・貨幣の種類は日本銀行ホームページ上でも確認でき、また使用可能な旧札のうち使用に不便なものについては、日本銀行の本支店で交換を受け付けています。
 
ですので、例えば昭和33~61年まで発行されていた聖徳太子の図柄の1万円札は、そのまま使うことはもちろん、日本銀行の本支店で新札へ交換を依頼することも可能です。
 
日本銀行によれば、「一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失うことはありません」と明記されています。一部、自動販売機や会計機での使用ができないという点を除けば、現在有効な旧札であれば、そのままタンス預金しておいても、日常利用には問題ないといってよいでしょう。
 

一度に大量のタンス預金を口座入金すると「脱税」を疑われる!?

ただし、貯めたタンス預金を口座へ入金する場合、税制上の取り扱いには注意しましょう。
 
一度に大量のお金を口座入金した場合、税務署やその指導を受けた金融機関から脱税などを疑われるおそれがあるためです。
 
収入から得たお金で貯めたタンス預金であれば「所得税」、年間110万円の基礎控除を超える贈与で得たお金であれば「贈与税」の課税が考えられます。また、親のタンス預金を引き継いだ場合には「相続税」の課税対象となる可能性があります。
 
さらに、突発的な高額入金・送金は、脱税以外にも詐欺などの犯罪で得た資金を洗浄する「マネーロンダリング(資金洗浄)」の疑いを持たれることもある行為です。特に海外送金などに宛てたい場合、窓口での確認事項も多く、より厳しい目の向けられるお金の動きとなりますので、そもそもあまりに高額なタンス預金は控えておくと安心でしょう。
 

タンス預金は多くても「100万円未満」が無難と考えられる

「それでもタンス預金のほうが安心できる」という場合、どの程度の金額までが無難なのでしょうか。
 
ひとつの目安として、株式会社スガワラくん「『タンス預金と新紙幣』についてのアンケート調査」(脱・税理士スガワラくん調べ)の結果を見てみましょう。
 
「タンス預金はあるか?」との問いに「はい」と回答した125人(41.7%)にタンス預金の総額を聞いたところ、最も多かったのは「10万円未満:27.2%」で、次いで「10万円~30万円未満:25.6%」でした。3位以下は「50万円~100万円未満:16.8%」「30万円~50万円未満:12.0%」と続き、8割超の方が「100万円未満」と回答しています。
 
防犯上の観点からも、タンス預金の金額は旧札・新札に関わらず、多くても100万円未満にとどめておいたほうがよいかもしれません。
 

まとめ

旧札でタンス預金をしているからといって、新札発行から数年程度で使えなくなる可能性は低いですが、あまりに高額なタンス預金は、脱税やマネーロンダリングといった疑いを持たれる可能性もゼロではありません。
 
例えば、多くても100万円未満にとどめておく、こまめに口座入金する、あるいは資産運用に回すなど、いくつかの方法を検討してみてもよいかもしれません。
 

出典

日本銀行 これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?
株式会社スガワラくん 「タンス預金と新紙幣」についてのアンケート調査(脱・税理士スガワラくん調べ)(PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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