子どもの夏休み中、どうしても外食が増えてしまい、外食費だけでひと月3万円も使ってしまった! これって使いすぎ?
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
家計調査から見る外食費の平均
総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年」によると、共働き世帯の「外食」の平均額はひと月あたり約2万1000円です。一方、同調査の2024年8月の金額は約2万5000円です(図表1)。このデータより、8月は年平均と比べて、外食費が高くなる傾向にあるといえます。
図表1
(総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年」より筆者作成)
ここで、図表1のデータについて説明すると、データの世帯構成は、世帯人数が約3.5人、18歳未満人数が約1人となっています。世帯主の年齢やこれらの世帯状況から、小中学生の子がいる家庭もあれば、そうではない家庭も含まれていることが予想できます。
そのため、外食費が高くなる傾向があるとはいえ、その理由はさまざまでしょう。給食がなく、毎日3食準備するのが大変だから外食が増えたという家庭もあれば、大学生の子が実家に帰省し、久しぶりに家族がそろって外食する家庭もあるでしょう。また、お盆に親戚が集まり、みんなで外食に行くということもあると思われます。
したがって、この数字はあくまでも平均であり、家族の人数やライフスタイルによって外食費が増える理由も金額も大きく変わります。
「使いすぎ」かどうかの判断は家庭次第
外食費3万円という額は、確かに統計上の平均より高い水準です。しかし、それが「使いすぎ」かどうかは、その家庭の収入、お子さんの年齢や人数、外食が増える理由、家計全体のバランスなどによって決まります
月収100万の家庭と月収20万の家庭では、外食費3万円の重みが違うでしょうし、小学校低学年の子より食べ盛りの中高生の子がいるほうが、必然的に金額は増えます。
また、大学生の子が夏休みに帰省して外食が増えたのであれば、年に数回、家族そろって外食することは無駄遣いとはいえないのではないでしょうか。「外食で親子の時間を楽しんだ」という価値を考えれば、3万円が決して高い買い物ではないともいえます。
外食との付き合い方
では、外食費を無理なくコントロールするにはどうすればよいでしょうか。いくつか工夫のポイントを紹介します。
■「外食する日」をあらかじめ決める
行き当たりばったりで外食するのではなく、「月に○回」と決めてしまうと支出が安定します。子どもにも「次の外食は○日だよ」と伝えると、納得して楽しみに待てるようになります。
■手作り+市販品の組み合わせ
毎食を自炊するのは大変です。冷凍食品や総菜をうまく組み合わせれば調理時間を短縮できます。完全外食よりも安く、家庭の味や栄養バランスも保てます。
■家族でのイベント化
たまの外食を「イベント」として特別に楽しむスタイルにすれば、外食の頻度が減っても逆に満足感が高まります。
外食を有意義なものにする
子どもが夏休みで、家にいる時間が長くなると、食費自体が上昇しがちですし、外食が増えることは、多くの家庭で共通しているといえます。大切なのは「納得感」と「満足感」を持って外食を特別な時間として楽しむことです。「面倒だから、大変だから外食」を多発させると、特別感は得られません。
しかし、多少外食費が増えたとしても、それが有意義な時間であり、子どもの経験につながるなら価値ある支出といえるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年 表番号3-11 妻の就業状態,世帯類型別・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年8月 表番号3-11 妻の就業状態,世帯類型別・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)
執筆者 : 前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

